脈取り名人(シマグチ)

概要

人間の死相を分かすことのできる人がいた。そしてある偉い人が病気になった。そうしたら、そこの病気をしている人の奥さんは、大変心配した。それで、「あの人は(人間の死相を分かす人)大変な物知りであるらしいから、まずはその人に会ってみたら、私の主人の病気の具合も分かるかもしれない。頼んでみよう。」と行ってみると、(またその人も)「ああ、そうですか。」とね。(しかしその病気をしている人は)、大変偉い人であった。それで、「私にはあなた方の家庭に行く資格などありませんので、もう(あなたの話を聞いて)びっくりしていますのでどうか許して下さい。」と言った。奥さんは「そんなことはないよ、どうか主人を助けて下さい。私達は身分が高い低いというようなことは言わないから。」ということを、この人に強く説明はしていたようだがね。それでもその人はびっくりしていたが、「そういうふうに理解していらっしゃるんでしたら、行きましょう。」と言ったようだね。「じゃあ来て下さいよ。」とね。しかしこの偉い人がは、この人は身分が低いということで、頼みはしたものの少しは馬鹿にしていたようだ。そして主人は一番座に休んでいた。また頼まれた人は、居間におそるおそる上がって来たら、「ありがとう、よく来てくれたね。」と、この奥さんはちゃんとお礼いもしているんだがね。いわばこの人は頼んであるんだが、汚なく見ていた。そしてその人はやっぱり脈を取って病名を分かす人であったそうだ。そうしたからもう、「こいつに私の手首をつかまえさせるか。」と、見下げていたようだね。だから自分の家の猫の足を紐でくびってね。居間で猫の足はくびって、主人が休んでいる側に持って行った。そしてその猫をくびって、主人が休んでいる所へ持って行って、紐づたいにその人に見せたようだね。そういうふうにしてさわってみたら、(その人は)「あなた方の主人はね、それだけ偉い人間ではあるが、人間の形をしているんですけど、内はそうではないですよ。」と言われたそうだ。そしたらもう「ああ!。」と、奥さんはびっくりしてしまった。その病気をした偉い人は自分の手首はくびらずに、猫の前足をくびった。その紐を通して触れたので、「貴方たちの主人は人間の姿ではあるんだが、中は猫ですよ。」と言われてしまった。「ああ!もう大変な事になってしまった。これを見下げたために、大変な迷惑を被ってしまった。(もう自分達が悪かった事を)はっきりと侘びて、本人の脈を取らさないといけないと。私達は大変な迷惑をかけてしまった。」と。もう侘びて前に寄って行き、「本人の脈をさわって下さい。」と、もうしきりに願った。「ああそうですか、本当ですか。」「今、お前に脈を取らしたのは、実は猫なんだよ。よく分かったね。もうお前に対して大変無礼なことをしてしまったが、私達が悪かったから、どうか(今度は)本当のだんなの脈を取って下さい。」と言ってね。もうこの人も貧乏者であり、身分の低い人であるから、あっちこっちすべてを眺めて、もうどうもできませんと、ただあこがれて帰るわけにもいかないと、(そのだんなの)脈を取った。「脈からすると、どういうふうな病気であるから、どういうふうにして治しなさい。」と教えたからね。その後はもう、日々健康になり、もう人間の脈を取って病気を治す人を馬鹿にしてはいけないということだよ。

再生時間:5:38

民話詳細DATA

レコード番号 47O373028
CD番号 47O37C131
決定題名 脈取り名人(シマグチ)
話者がつけた題名 脈取り名人
話者名 当山三次郎
話者名かな とうやまさんじろう
生年月日 19010810
性別
出身地 沖縄県読谷村座喜味
記録日 19770227
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村座喜味T03B02
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P140
キーワード 人間の死相,偉い人が病気,物知り,脈,病名,猫の足,紐
梗概(こうがい) 人間の死相を分かすことのできる人がいた。そしてある偉い人が病気になった。そうしたら、そこの病気をしている人の奥さんは、大変心配した。それで、「あの人は(人間の死相を分かす人)大変な物知りであるらしいから、まずはその人に会ってみたら、私の主人の病気の具合も分かるかもしれない。頼んでみよう。」と行ってみると、(またその人も)「ああ、そうですか。」とね。(しかしその病気をしている人は)、大変偉い人であった。それで、「私にはあなた方の家庭に行く資格などありませんので、もう(あなたの話を聞いて)びっくりしていますのでどうか許して下さい。」と言った。奥さんは「そんなことはないよ、どうか主人を助けて下さい。私達は身分が高い低いというようなことは言わないから。」ということを、この人に強く説明はしていたようだがね。それでもその人はびっくりしていたが、「そういうふうに理解していらっしゃるんでしたら、行きましょう。」と言ったようだね。「じゃあ来て下さいよ。」とね。しかしこの偉い人がは、この人は身分が低いということで、頼みはしたものの少しは馬鹿にしていたようだ。そして主人は一番座に休んでいた。また頼まれた人は、居間におそるおそる上がって来たら、「ありがとう、よく来てくれたね。」と、この奥さんはちゃんとお礼いもしているんだがね。いわばこの人は頼んであるんだが、汚なく見ていた。そしてその人はやっぱり脈を取って病名を分かす人であったそうだ。そうしたからもう、「こいつに私の手首をつかまえさせるか。」と、見下げていたようだね。だから自分の家の猫の足を紐でくびってね。居間で猫の足はくびって、主人が休んでいる側に持って行った。そしてその猫をくびって、主人が休んでいる所へ持って行って、紐づたいにその人に見せたようだね。そういうふうにしてさわってみたら、(その人は)「あなた方の主人はね、それだけ偉い人間ではあるが、人間の形をしているんですけど、内はそうではないですよ。」と言われたそうだ。そしたらもう「ああ!。」と、奥さんはびっくりしてしまった。その病気をした偉い人は自分の手首はくびらずに、猫の前足をくびった。その紐を通して触れたので、「貴方たちの主人は人間の姿ではあるんだが、中は猫ですよ。」と言われてしまった。「ああ!もう大変な事になってしまった。これを見下げたために、大変な迷惑を被ってしまった。(もう自分達が悪かった事を)はっきりと侘びて、本人の脈を取らさないといけないと。私達は大変な迷惑をかけてしまった。」と。もう侘びて前に寄って行き、「本人の脈をさわって下さい。」と、もうしきりに願った。「ああそうですか、本当ですか。」「今、お前に脈を取らしたのは、実は猫なんだよ。よく分かったね。もうお前に対して大変無礼なことをしてしまったが、私達が悪かったから、どうか(今度は)本当のだんなの脈を取って下さい。」と言ってね。もうこの人も貧乏者であり、身分の低い人であるから、あっちこっちすべてを眺めて、もうどうもできませんと、ただあこがれて帰るわけにもいかないと、(そのだんなの)脈を取った。「脈からすると、どういうふうな病気であるから、どういうふうにして治しなさい。」と教えたからね。その後はもう、日々健康になり、もう人間の脈を取って病気を治す人を馬鹿にしてはいけないということだよ。
全体の記録時間数 5:38
物語の時間数 5:38
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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