蚊になった男(シマグチ)

概要

そのガジャンシーという者と、もう一人、何といったか名前は忘れてしまったが、その人と、もう二人は大変仲の良い友達で、海に行く時も、山に行く時もいつも一緒であった。そうして、その一人の者が悪企みをして、友人を殺して、その友人の妻を自分の妻にしようと考えた。海に連れて行って、海の中に友人を落として死なせてしまった。そうして、家に帰って来て、「今日は舟を転腹させてしまい、あなたの夫は、出て来なかった。どこに行ったか分からない。」と伝えた。女は、これは合点のいかない話である。これは嘘をついている。彼が殺したと考えた。そうして、女は夫の恨みをはらす方法を考え出さないといけない、思案していたようだ。そういう折、女は美人であったから、彼が自分の妻にしようとした。「もうあなたの夫はそのようになってしまったので、私の妻になってくれないか。そして、立派に暮らしていこう。」と言った。どうにか話は彼のいいなりにしておいた。「私は、彼を殺してしまわないといけない。私の夫の復讐だから。」と考えた。そうして、「私が望むように、家も立派に造ってくれて、しかもどういう種類の木を使って造ること。私が好きな木を選ばせて、家を立派に造ってくれないと、私はあなたの妻にはならない。家を造るまでは、その間は、私の家に来てはいけないよ。」と言って約束をした。そうして、山へ行って、あの木もこの木も抱いてみて、身体を釘で止める考えなので、この人ができるはずなので、その女が木を抱いてみて、うん、これは大丈夫、使えるなと思って、「はい、これを抱きしめて見て、この位の大きさのものでしたら、もう立派な家が造れます。」と、言った。そうして、抱かせた。女の考えたとおり、大体寸法が当たっていたので、「しっかりと、強く抱きしめて下さい。」と、言ってこういうふうに抱かせた。立派に、こうして抱かさせた状態を見てみた。「これだったら、釘でとめることが出来る。」と考えた。「はい、もう一度、私が向こう側からよく見てみるから、立派に抱きしめて下さい。私がその手の交えているのを計ってみますから。」、その時に釘で手を木に打ちつけてしまったという話である。そういうことで、彼の妻にはならないで、そのまま夫の復讐をした。そうして、しばらくしてその男の死体は腐っただろうかと考えてどうなっているのかなと見に行ったら、腐れて無くなっていた。蚊が「ワー。」と音を立てて、その女にたかって来たそうだ。それで、「ガジャンシー。」とついた。夫を殺した人が、「ガジャンシー。」であっただろうと思う。

再生時間:4:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O372987
CD番号 47O37C129
決定題名 蚊になった男(シマグチ)
話者がつけた題名 蚊になった男
話者名 上地弘治
話者名かな うえちこうじ
生年月日 18961015
性別
出身地 沖縄県読谷村座喜味
記録日 19770227
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村座喜味T02A17
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P215
キーワード ガジャンシー,大変仲の良い友達,一人の者が悪企み,友人の妻を自分の妻に,海の中に友人を落とした,夫の恨み,木を抱く,身体を釘で止める,死体は腐った,蚊
梗概(こうがい) そのガジャンシーという者と、もう一人、何といったか名前は忘れてしまったが、その人と、もう二人は大変仲の良い友達で、海に行く時も、山に行く時もいつも一緒であった。そうして、その一人の者が悪企みをして、友人を殺して、その友人の妻を自分の妻にしようと考えた。海に連れて行って、海の中に友人を落として死なせてしまった。そうして、家に帰って来て、「今日は舟を転腹させてしまい、あなたの夫は、出て来なかった。どこに行ったか分からない。」と伝えた。女は、これは合点のいかない話である。これは嘘をついている。彼が殺したと考えた。そうして、女は夫の恨みをはらす方法を考え出さないといけない、思案していたようだ。そういう折、女は美人であったから、彼が自分の妻にしようとした。「もうあなたの夫はそのようになってしまったので、私の妻になってくれないか。そして、立派に暮らしていこう。」と言った。どうにか話は彼のいいなりにしておいた。「私は、彼を殺してしまわないといけない。私の夫の復讐だから。」と考えた。そうして、「私が望むように、家も立派に造ってくれて、しかもどういう種類の木を使って造ること。私が好きな木を選ばせて、家を立派に造ってくれないと、私はあなたの妻にはならない。家を造るまでは、その間は、私の家に来てはいけないよ。」と言って約束をした。そうして、山へ行って、あの木もこの木も抱いてみて、身体を釘で止める考えなので、この人ができるはずなので、その女が木を抱いてみて、うん、これは大丈夫、使えるなと思って、「はい、これを抱きしめて見て、この位の大きさのものでしたら、もう立派な家が造れます。」と、言った。そうして、抱かせた。女の考えたとおり、大体寸法が当たっていたので、「しっかりと、強く抱きしめて下さい。」と、言ってこういうふうに抱かせた。立派に、こうして抱かさせた状態を見てみた。「これだったら、釘でとめることが出来る。」と考えた。「はい、もう一度、私が向こう側からよく見てみるから、立派に抱きしめて下さい。私がその手の交えているのを計ってみますから。」、その時に釘で手を木に打ちつけてしまったという話である。そういうことで、彼の妻にはならないで、そのまま夫の復讐をした。そうして、しばらくしてその男の死体は腐っただろうかと考えてどうなっているのかなと見に行ったら、腐れて無くなっていた。蚊が「ワー。」と音を立てて、その女にたかって来たそうだ。それで、「ガジャンシー。」とついた。夫を殺した人が、「ガジャンシー。」であっただろうと思う。
全体の記録時間数 4:00
物語の時間数 4:00
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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