白銀堂由来(シマグチ)

概要

白銀堂といってね、糸満の人と旅人が友達だったそうだ。友達なので(糸満の人は)お金が必要になって、旅人からお金を借りたようだ。旅人からお金を借りたようだ。いわば、その糸満の人も旅人のようなもので、一緒に(お金を)借しあった。そうして、糸満の人は借りたお金を返そうといっしょうけんめい働いたようだ。後から友達の旅人が「私のお金を払ってくれないか。」と言ったので、この人は「しばらく待って下さい。儲けてから払います。」ということだった。しかし、いくら働いてもその借りたお金はたまらなかった。今度は、糸満の人は「旅へ出て働かない限り、友達への負債は返せないので、私は旅に出て儲けてこようね。」と妻に言った。「そのようにしても負債は払わないといけないので、旅へでも行って儲けて払わないといけないので儲けてきて下さい。」と(妻は)言った。そうすると、姑がいたようだ。家には姑と嫁がいたそうだが、二人暮らすには、女だけでしょう。主人は儲けに行っていると話を聞いているはずなので、男が乱暴しに来ないかというおそれがあるでしょう。それで、姑は男装して、男のふりをして寝て、妻はそのままで、毎晩そのように寝ていたようだ。そうしていたが、夫は帰って来ると思わなかったようだ。夫が帰るとは思わなかったようだね。二人で寝ているときに、夫は旅から来たようだ。夜来たので、男が寝ていた。もう二人の者、姑と妻が寝ているんだが、「こんなことをしているのか。」と、親が男のふりをして寝ているんだが、「お前は、私がいない間にこんなことをしているのか。」と、二人とも引っぱり出して、刀を向けたようだ。「私はね、負債を払おうとね、お前をおいて儲けに行ったことは悪いが、こんなことをしているのか。」と手を出した。夫が妻にね。すると、母親が出てきて、「『手ぬ出じらー意地引き、意地ぬ出じらー手引き』という昔のことばがあるよ。」と言ってから、変装を解いたようだ。「私もね嫁を守るためにこのようにしているんだよ、絶対男遊びはしていないよ。」と言った。その時に、男はハッとして正気になった。「絶対私はそうしません、私が大変悪うございました。貴方がそう言わなければとっくに妻を殺していたでしょう。」と。だけど、見ると(ちょっとお金は足りなかった)今度はそうだった。「お前が旅に出て、儲けにでてもこの嫁はどんなにしても、どこにも行かせず、守っているので、安心して儲けて来なさい。」と、行かせたわけだ。どんなにしても負債を払わないといけないでしょう。友達の負債を。今度、儲けて来て、家に帰ってきたが少しは足りなかったようだ。もうお金は儲けてきたが、友達に払う金額はなかったそうだ。あとすこし儲ければあったそうだが。そのときに、旅人は来て、「ハイ、お前はお金は準備したか。」と言った。貸した友達に、「お金は準備したか、約束どおりに準備したか。」と言うと、「あと少しではありますが、しばらくは待って下さい。これだけはありますが。」と言った。「お前は、こんなに長いこと待ってあげても準備していないのか。お前は殺してあげよう。」と旅人は言った。「ちょっと待って。」、親が「ちょっと待って、『手ぬ出じらー意地引き、意地ぬ出じらー手引き』という言葉があるので、あのうちょっと待って下さい。当分の間待って下さい。あと少しなので、これだけはあるが足りない分は待って下さい。」と頼んだ。相当準備はしてあるんだがね。その友達をもう殺そうとしていたが、親が出てきてそう言った。「この人もこんなことがあったよ。必ず儲けて払うので、あと少しなので(待って下さい)。」と言ったので、旅人も「あっそうか。」と考えたようだ。「手ぬ出じらー意地引き、意地ぬ出じらー手引き。」という言葉があるからと言ったので、その男は手を引いて命は助かった。「これだけお金は準備してありますよ。もう少しなので、しばらく待って下さい。」と言うと、「このお金はもらわないよ。私はね、お前の親のお陰で、お前を殺そうと大変なことをやろうとしていたが、お前の親の言葉で、私はとても反省してね、考えを直して、お前を殺さなかった。このお金は私はもらわないので、お前が使ってくれ、負債もしてはいけないよ。」とあなたは成功しなさいと言ったようだ。借りた人にね。私も取らない、私も取らないと譲りあったようだ。私も取らない、私も取らないと、互いに譲り合ったので、それでは、このお金はここに埋めようね。糸満にあるでしょう、あそこにこのお金はずっと埋めて、そのお金は、昔のお金はミーヌチャーでしょう。そこに埋めて、誰にもあげず奉って、きょうに至っている。

再生時間:5:24

民話詳細DATA

レコード番号 47O372955
CD番号 47O37C128
決定題名 白銀堂由来(シマグチ)
話者がつけた題名 白銀堂由来
話者名 比嘉テル
話者名かな ひがてる
生年月日 19100713
性別
出身地 沖縄県読谷村座喜味
記録日 19770227
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村座喜味T01B03
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P247
キーワード 白銀堂,糸満の人と旅人,お金,旅人からお金を借りた,旅,姑は男装,手ぬ出じらー意地引き,意地ぬ出じらー手引き
梗概(こうがい) 白銀堂といってね、糸満の人と旅人が友達だったそうだ。友達なので(糸満の人は)お金が必要になって、旅人からお金を借りたようだ。旅人からお金を借りたようだ。いわば、その糸満の人も旅人のようなもので、一緒に(お金を)借しあった。そうして、糸満の人は借りたお金を返そうといっしょうけんめい働いたようだ。後から友達の旅人が「私のお金を払ってくれないか。」と言ったので、この人は「しばらく待って下さい。儲けてから払います。」ということだった。しかし、いくら働いてもその借りたお金はたまらなかった。今度は、糸満の人は「旅へ出て働かない限り、友達への負債は返せないので、私は旅に出て儲けてこようね。」と妻に言った。「そのようにしても負債は払わないといけないので、旅へでも行って儲けて払わないといけないので儲けてきて下さい。」と(妻は)言った。そうすると、姑がいたようだ。家には姑と嫁がいたそうだが、二人暮らすには、女だけでしょう。主人は儲けに行っていると話を聞いているはずなので、男が乱暴しに来ないかというおそれがあるでしょう。それで、姑は男装して、男のふりをして寝て、妻はそのままで、毎晩そのように寝ていたようだ。そうしていたが、夫は帰って来ると思わなかったようだ。夫が帰るとは思わなかったようだね。二人で寝ているときに、夫は旅から来たようだ。夜来たので、男が寝ていた。もう二人の者、姑と妻が寝ているんだが、「こんなことをしているのか。」と、親が男のふりをして寝ているんだが、「お前は、私がいない間にこんなことをしているのか。」と、二人とも引っぱり出して、刀を向けたようだ。「私はね、負債を払おうとね、お前をおいて儲けに行ったことは悪いが、こんなことをしているのか。」と手を出した。夫が妻にね。すると、母親が出てきて、「『手ぬ出じらー意地引き、意地ぬ出じらー手引き』という昔のことばがあるよ。」と言ってから、変装を解いたようだ。「私もね嫁を守るためにこのようにしているんだよ、絶対男遊びはしていないよ。」と言った。その時に、男はハッとして正気になった。「絶対私はそうしません、私が大変悪うございました。貴方がそう言わなければとっくに妻を殺していたでしょう。」と。だけど、見ると(ちょっとお金は足りなかった)今度はそうだった。「お前が旅に出て、儲けにでてもこの嫁はどんなにしても、どこにも行かせず、守っているので、安心して儲けて来なさい。」と、行かせたわけだ。どんなにしても負債を払わないといけないでしょう。友達の負債を。今度、儲けて来て、家に帰ってきたが少しは足りなかったようだ。もうお金は儲けてきたが、友達に払う金額はなかったそうだ。あとすこし儲ければあったそうだが。そのときに、旅人は来て、「ハイ、お前はお金は準備したか。」と言った。貸した友達に、「お金は準備したか、約束どおりに準備したか。」と言うと、「あと少しではありますが、しばらくは待って下さい。これだけはありますが。」と言った。「お前は、こんなに長いこと待ってあげても準備していないのか。お前は殺してあげよう。」と旅人は言った。「ちょっと待って。」、親が「ちょっと待って、『手ぬ出じらー意地引き、意地ぬ出じらー手引き』という言葉があるので、あのうちょっと待って下さい。当分の間待って下さい。あと少しなので、これだけはあるが足りない分は待って下さい。」と頼んだ。相当準備はしてあるんだがね。その友達をもう殺そうとしていたが、親が出てきてそう言った。「この人もこんなことがあったよ。必ず儲けて払うので、あと少しなので(待って下さい)。」と言ったので、旅人も「あっそうか。」と考えたようだ。「手ぬ出じらー意地引き、意地ぬ出じらー手引き。」という言葉があるからと言ったので、その男は手を引いて命は助かった。「これだけお金は準備してありますよ。もう少しなので、しばらく待って下さい。」と言うと、「このお金はもらわないよ。私はね、お前の親のお陰で、お前を殺そうと大変なことをやろうとしていたが、お前の親の言葉で、私はとても反省してね、考えを直して、お前を殺さなかった。このお金は私はもらわないので、お前が使ってくれ、負債もしてはいけないよ。」とあなたは成功しなさいと言ったようだ。借りた人にね。私も取らない、私も取らないと譲りあったようだ。私も取らない、私も取らないと、互いに譲り合ったので、それでは、このお金はここに埋めようね。糸満にあるでしょう、あそこにこのお金はずっと埋めて、そのお金は、昔のお金はミーヌチャーでしょう。そこに埋めて、誰にもあげず奉って、きょうに至っている。
全体の記録時間数 5:24
物語の時間数 5:24
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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