吉屋チルーが(注)子供の頃、比謝橋を渡る時に、『比謝橋(ひじゃばし)ぬ橋や 誰(た)が架(か
)きてうちゃが〈比謝橋の橋は 誰が架けておいたのか〉 私(わん)渡(わた)さとぅむてぃ架(か)きてぃうちぇさ〈私を渡そうと思ってかけたのだろうか〉』と詠んだ。またそれから、比謝橋にさしかかった時、松ぼっくりが落ちたようだ。『あきたきた松(まち)カスー落(う)てぃてぃすくないさ〈あ、いたいいたい松ぼっくりよ落ちてしまったか〉 私(わん)やジュリ花に落(う)てぃてぃ行ちゅさ〈私も女郎に売られて行くのよ〉』花の島に落ちて行くのよと松ぼっくりにたとえて歌を詠んだそうだ。天川坂で松ぼっくりが落ちたのでそう言ったと、それは歌にあったよ。そして、売られてから吉屋チルーが命を亡くした事は「きょうのお客さんは明かりをつけないでうけなさいよ。」とジュリアンマー(注)に言われたので、ジュリアンマーが言う通りに客をとった。「明かりをつけないで受けなさいと言うので。」と……。そのお客さんは翌朝早く起きて行ったようだ。「珍しいことだ。明かりもつけるなと言うし。」と後を追ったようだ。すると、その客はクンチャー屋(注)という所、波之上の上の方にあるが、クンチャー屋というのは、リン病の人に呼ばれたわけだ。もうそれに呼ばれたので生きていて何になるかと、死ぬために波の上に行ったようだ。それを聞いて友達は、そう言っていたが、落ちて死ぬのかなと後を追って行った。すると、(チルーは)波之上の崖は恐いねと帰って来ようとするが、友達に見られた以上はと、傘をかぶって落ちて死んだと言うことである。『友達(るし)ぬ意地かやい落(う)てぃてぃ死ぬさ〈友達の意地をかりて落ちて死んだよ〉』これはそういう話なんだよ。
| レコード番号 | 47O372810 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C122 |
| 決定題名 | 吉屋チルー(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 吉屋チルー |
| 話者名 | 知花カナ |
| 話者名かな | ちばなかな |
| 生年月日 | 19021208 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村波平 |
| 記録日 | 19860109 |
| 記録者の所属組織 | ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村波平T07B19 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集9波平の民話 P167 |
| キーワード | 吉屋チルー,比謝橋,松ぼっくり,ジュリ,ジュリアンマー,ライ病,波の上,自害 |
| 梗概(こうがい) | 吉屋チルーが(注)子供の頃、比謝橋を渡る時に、『比謝橋(ひじゃばし)ぬ橋や 誰(た)が架(か )きてうちゃが〈比謝橋の橋は 誰が架けておいたのか〉 私(わん)渡(わた)さとぅむてぃ架(か)きてぃうちぇさ〈私を渡そうと思ってかけたのだろうか〉』と詠んだ。またそれから、比謝橋にさしかかった時、松ぼっくりが落ちたようだ。『あきたきた松(まち)カスー落(う)てぃてぃすくないさ〈あ、いたいいたい松ぼっくりよ落ちてしまったか〉 私(わん)やジュリ花に落(う)てぃてぃ行ちゅさ〈私も女郎に売られて行くのよ〉』花の島に落ちて行くのよと松ぼっくりにたとえて歌を詠んだそうだ。天川坂で松ぼっくりが落ちたのでそう言ったと、それは歌にあったよ。そして、売られてから吉屋チルーが命を亡くした事は「きょうのお客さんは明かりをつけないでうけなさいよ。」とジュリアンマー(注)に言われたので、ジュリアンマーが言う通りに客をとった。「明かりをつけないで受けなさいと言うので。」と……。そのお客さんは翌朝早く起きて行ったようだ。「珍しいことだ。明かりもつけるなと言うし。」と後を追ったようだ。すると、その客はクンチャー屋(注)という所、波之上の上の方にあるが、クンチャー屋というのは、リン病の人に呼ばれたわけだ。もうそれに呼ばれたので生きていて何になるかと、死ぬために波の上に行ったようだ。それを聞いて友達は、そう言っていたが、落ちて死ぬのかなと後を追って行った。すると、(チルーは)波之上の崖は恐いねと帰って来ようとするが、友達に見られた以上はと、傘をかぶって落ちて死んだと言うことである。『友達(るし)ぬ意地かやい落(う)てぃてぃ死ぬさ〈友達の意地をかりて落ちて死んだよ〉』これはそういう話なんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:08 |
| 物語の時間数 | 3:08 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |