後生というのは、あると思えばあるし、ないと思えばない。どうして、そういうふうに話をしたかといえばね、その人はどこの方だったかは分からないがね。その人は首里に勤めていて、首里を行き来している夜中に、ある女の人が墓にいるのを見た。夫を(亡くし)今日にでも明日にでも洗骨をしないといけない。だけど、あまりにも珍しくて、「あなたには兄弟もいないのですか。誰もいないのですか。夜ごとただ一人で洗骨するということがありますか。」「お金がないのですよ。兄弟でも友達でも来るとなればお金のかかることです。」と返答したようだ。そうして、二、三日もかかってしまいにはその人が「そうであれば、このいくらかのお金で、法事もちゃんとしなさいよ。」と、妻に渡したようである。そうしたら、洗骨もちゃんと済ませて、法事も済んでその後からは、何のこともなかったそうだ。そのテーラシカマグチという人の、結婚式の場合にですね。結婚式の場合に、もう何もかも揃っているんだが、まだタコだけがなかったそうだ。〈侍達は、以前は私達が物覚えがある時まで、結婚式の時にはマータクという、手の八つあるタコを必ず準備したものです聴取それで、そのタコがないので、結婚式は始めることができなかったそうだ。それでもう、このテーラシカマグチという方は、困ってしまった。結婚式なので、友達にもいつでも来ていいということで、連絡はしてあったのだが、タコがないことには、こんなたいそうな侍が、結婚式をするわけにはいかない、どうすればいいんだろうと大変困っていた。そうこう心配しているうちに、夜中に洗骨された男が神になってね、もう悪天候にもかかわらず、タコを取って来て、まな板の上においたそうだ。そういうことで、「結婚式は少しの間待って下さい。」という張り紙があるので、門まで来た人達も珍しく思いながらもそこで待っていた。それから「入ってもよい。」ということで、張り紙も全部はいだので、どうしてそういうのだろうと、話を聞いてみると、助けてあげた人がタコを取って来てお祝いの座に出したということであった。(そういうことで)張り紙もとって、お客さんも入れて、りっぱに結婚式もしたということから後生というのはあると思えばあるし、ないと思えばないという話はでたということである。
| レコード番号 | 47O372672 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C117 |
| 決定題名 | テーラシカマグチ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | テーラシカマグチ |
| 話者名 | 比嘉幸太郎 |
| 話者名かな | ひがこうたろう |
| 生年月日 | 18940223 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村波平 |
| 記録日 | 19770813 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第5班 |
| 元テープ番号 | 読谷村波平T04B07 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 主に村の年寄りから聞いた。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集9波平の民話 P58 |
| キーワード | 後生,首里勤め,女,墓,洗骨,お金がない,法事,テーラシカマグチ,結婚式,タコ,神 |
| 梗概(こうがい) | 後生というのは、あると思えばあるし、ないと思えばない。どうして、そういうふうに話をしたかといえばね、その人はどこの方だったかは分からないがね。その人は首里に勤めていて、首里を行き来している夜中に、ある女の人が墓にいるのを見た。夫を(亡くし)今日にでも明日にでも洗骨をしないといけない。だけど、あまりにも珍しくて、「あなたには兄弟もいないのですか。誰もいないのですか。夜ごとただ一人で洗骨するということがありますか。」「お金がないのですよ。兄弟でも友達でも来るとなればお金のかかることです。」と返答したようだ。そうして、二、三日もかかってしまいにはその人が「そうであれば、このいくらかのお金で、法事もちゃんとしなさいよ。」と、妻に渡したようである。そうしたら、洗骨もちゃんと済ませて、法事も済んでその後からは、何のこともなかったそうだ。そのテーラシカマグチという人の、結婚式の場合にですね。結婚式の場合に、もう何もかも揃っているんだが、まだタコだけがなかったそうだ。〈侍達は、以前は私達が物覚えがある時まで、結婚式の時にはマータクという、手の八つあるタコを必ず準備したものです聴取それで、そのタコがないので、結婚式は始めることができなかったそうだ。それでもう、このテーラシカマグチという方は、困ってしまった。結婚式なので、友達にもいつでも来ていいということで、連絡はしてあったのだが、タコがないことには、こんなたいそうな侍が、結婚式をするわけにはいかない、どうすればいいんだろうと大変困っていた。そうこう心配しているうちに、夜中に洗骨された男が神になってね、もう悪天候にもかかわらず、タコを取って来て、まな板の上においたそうだ。そういうことで、「結婚式は少しの間待って下さい。」という張り紙があるので、門まで来た人達も珍しく思いながらもそこで待っていた。それから「入ってもよい。」ということで、張り紙も全部はいだので、どうしてそういうのだろうと、話を聞いてみると、助けてあげた人がタコを取って来てお祝いの座に出したということであった。(そういうことで)張り紙もとって、お客さんも入れて、りっぱに結婚式もしたということから後生というのはあると思えばあるし、ないと思えばないという話はでたということである。 |
| 全体の記録時間数 | 3:39 |
| 物語の時間数 | 3:39 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |