これは薩摩からの薩摩御用だから、父親の代理として行かせたのは、もうこうだったようだ。伊野波のモーイは。三つの難題事といって、題の初めとして、「雄鶏の卵を持って来るように。」と、薩摩から言われた。すると「(実は)父親が産気づいているので。」と返事をすると、「男が卵を産むわけがあるものか。」と、薩摩の人に言った。「それならば、雄鶏の卵を持って来い、というのはどういうことですか。」と(モーイが)言うと、「もうそれもこれでよい。」と言った。雄鶏では卵は産まないと、また「父親が産気づいている。」と言ったので「男でも産気づくことがあるか!。」と大和、薩摩の人が言って、もうこれで「雄鶏の卵はもうよい。」と。それから、「灰縄御用。」と言われ、「そんなことも知らないのか?。」とモーイが言った。「灰縄、どうしても御用だからと持っていかなけばならないのか。」と言ったので、「それならば縄を持って来なさい。綯われた縄を持って来なさい。それを燃やしたら、灰縄になっているから。」と言ったので、「これも、もうそれでよい。」と。三つ目の難題事というと、「首里城を大和に移せ。」と言われた。(するとモーイは)「薩摩から、首里城を積む船を貸してくれるなら、移してさし上げましょう。」と言ったそうだ。「沖縄全部を移してもよろしいですよ。」と言ったので、「三つの難題は、もうよい。」とされた。それから薩摩から来ている人はお供をつけて、伊野波親方はこれだから、沖縄の、(難題を)返答出来ないならば、殺して来い、と言われていたので、返答は全てモーイがやった。父親にはできなかったので、モーイにはできると親が行かせたので、返答できた。また伊野波のモーイは、武勇なども達者だったので、(ある時)薩摩の人がモーイに、「三味線が出来るのなら、弾いてみよ。。」と言った。そして三味線も弾きなさいと言って「モーイが三味線を弾く時、お供をつけてあるのなら今だから、後から殺せ。」ということであった。モーイは、自分を殺そうとしているが、必ず戦さになるだろうと内心思っていた。そうしているうちにその事態になったので、すぐに三味線を弾くのをやめて、(相手を)つかみこんで、投げとばしてしまった。その話は難題事やら、それから沖縄から薩摩に証書が届いていたとか。「私は、今日は薩摩に、代理として、ここに前に座って私がなんでも解決したならば、私の願いをきき入れてくれ。」と言ったので、「貴方の望みは何か。」と聞かれた。「私の望みは、薩摩の王になってみたいと思うから、貴方は下の方に座って、私を貴方の席に座らせて欲しい。」と言った。そして、椅子に座り、「沖縄から薩摩に届いた証書を持って来い。。」と命令した。今は、王様の代わりに(王様の席に)座っていて、モーイが薩摩の王だから、モーイは椅子の上に座っていた。その証書を持ってきたので開いて読んだかと思うと、すぐに皆の目の前で、モーイの思いのままだからね、証書を取って読んで全部破って、火をつけて燃やしてしまった。それで、薩摩からの難題事を全部解決してしまったという。モーイはいつも反対、親とはいつも反対だったそうだ。賢く、頭がよくてね、煙草もよく吸っていたらしいが、「煙草はそんなに吸うものではない。煙草というものは、一服、二服がいいのだ。。」と言われたので、モーイは一巻も入れる大きなキセル、昔はキセルを作ってそれを吸っていたようだ。
| レコード番号 | 47O372620 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C114 |
| 決定題名 | モーイ親方 殿様の難題(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | モーイ親方 |
| 話者名 | 比嘉盛徳 |
| 話者名かな | ひがせいとく |
| 生年月日 | 19080908 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村波平 |
| 記録日 | 19770220 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第8班 |
| 元テープ番号 | 読谷村波平T03A02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集9波平の民話 P87 |
| キーワード | 薩摩御用,父親の代理,伊野波のモーイ,三つの難題,雄鶏の卵,灰縄御用,首里城を大和に移せ,三味線,証書,王様の席,煙草 |
| 梗概(こうがい) | これは薩摩からの薩摩御用だから、父親の代理として行かせたのは、もうこうだったようだ。伊野波のモーイは。三つの難題事といって、題の初めとして、「雄鶏の卵を持って来るように。」と、薩摩から言われた。すると「(実は)父親が産気づいているので。」と返事をすると、「男が卵を産むわけがあるものか。」と、薩摩の人に言った。「それならば、雄鶏の卵を持って来い、というのはどういうことですか。」と(モーイが)言うと、「もうそれもこれでよい。」と言った。雄鶏では卵は産まないと、また「父親が産気づいている。」と言ったので「男でも産気づくことがあるか!。」と大和、薩摩の人が言って、もうこれで「雄鶏の卵はもうよい。」と。それから、「灰縄御用。」と言われ、「そんなことも知らないのか?。」とモーイが言った。「灰縄、どうしても御用だからと持っていかなけばならないのか。」と言ったので、「それならば縄を持って来なさい。綯われた縄を持って来なさい。それを燃やしたら、灰縄になっているから。」と言ったので、「これも、もうそれでよい。」と。三つ目の難題事というと、「首里城を大和に移せ。」と言われた。(するとモーイは)「薩摩から、首里城を積む船を貸してくれるなら、移してさし上げましょう。」と言ったそうだ。「沖縄全部を移してもよろしいですよ。」と言ったので、「三つの難題は、もうよい。」とされた。それから薩摩から来ている人はお供をつけて、伊野波親方はこれだから、沖縄の、(難題を)返答出来ないならば、殺して来い、と言われていたので、返答は全てモーイがやった。父親にはできなかったので、モーイにはできると親が行かせたので、返答できた。また伊野波のモーイは、武勇なども達者だったので、(ある時)薩摩の人がモーイに、「三味線が出来るのなら、弾いてみよ。。」と言った。そして三味線も弾きなさいと言って「モーイが三味線を弾く時、お供をつけてあるのなら今だから、後から殺せ。」ということであった。モーイは、自分を殺そうとしているが、必ず戦さになるだろうと内心思っていた。そうしているうちにその事態になったので、すぐに三味線を弾くのをやめて、(相手を)つかみこんで、投げとばしてしまった。その話は難題事やら、それから沖縄から薩摩に証書が届いていたとか。「私は、今日は薩摩に、代理として、ここに前に座って私がなんでも解決したならば、私の願いをきき入れてくれ。」と言ったので、「貴方の望みは何か。」と聞かれた。「私の望みは、薩摩の王になってみたいと思うから、貴方は下の方に座って、私を貴方の席に座らせて欲しい。」と言った。そして、椅子に座り、「沖縄から薩摩に届いた証書を持って来い。。」と命令した。今は、王様の代わりに(王様の席に)座っていて、モーイが薩摩の王だから、モーイは椅子の上に座っていた。その証書を持ってきたので開いて読んだかと思うと、すぐに皆の目の前で、モーイの思いのままだからね、証書を取って読んで全部破って、火をつけて燃やしてしまった。それで、薩摩からの難題事を全部解決してしまったという。モーイはいつも反対、親とはいつも反対だったそうだ。賢く、頭がよくてね、煙草もよく吸っていたらしいが、「煙草はそんなに吸うものではない。煙草というものは、一服、二服がいいのだ。。」と言われたので、モーイは一巻も入れる大きなキセル、昔はキセルを作ってそれを吸っていたようだ。 |
| 全体の記録時間数 | 7:52 |
| 物語の時間数 | 7:52 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |