浦添の小湾、小湾浜ってあるでしょう。今は軍用地の下の方にだと思うが。城間の方に軍用地があるでしょう。そこの下の方に、小湾という部落がある。そこの女と、それから首里の何という里主だったか、もう四十年、五十年前の芝居で見たものだから‥‥。小湾の女と首里の侍は一緒になって男が浮気したわけだ。浮気したので、妻は妊娠しているが、浜へ舟遊びに行かせ、舟を遭難させた。そして、久良波に流れ着いて、それを男は耳にしていた。それで、お産は久良波でやった。あの女はあそこにいるよ、子どもが生まれたそうだと聞いて引き取りに来たようだ。生まれた子どもは男の子だったので、その子を首里へ引き取って行った。それから、女の人はやけをおこした。そうして、他所から女の子をもらった。自分の子は連れて行かれ、女の子を山田からもらって育てていた。そこで、山原に行く旅人、国頭から来る旅人は久良波の宿で泊まった。久良波は中間宿になっていたので。(その女は)男の人皆に、恨みを晴らさんがために男の人を皆やっつけた。そして、夜包丁を研いでいるのを娘が見て、すぐ夜のうちに役人に連絡した。役人はやって来て、その人を縛って首里の方へ連れて行こうとした。久良波の宿に入って行く人はいるが、そこから帰って行く人はいなかったらしい。その宿は入って行く人はいるが、出て行く人はいないという由来記がある。その女を捕えに来た役人は自分の子とその親であった。子供は自分の親であることを知らない。縛ってあとから、この女の夫は分かるのだが、子供に向かってそういうことであったと白状した。女の親は縛られて、首里に泣く泣く連れて行かれた。「ここは入ってくるお客さんはいたが、そこから出ていく人はいない。私はこれをしでかした。これも貴方の父親のやったことだから。」と、子供に言って、泣く泣く縛って連れて行かれた。その女はまた、とても強い人で、侍なので武にもたけていた。なみの者では縛ることはできないよ。太い縄をかけてもパット切ったりして、下っ端ではおさえることはできなかった。六、七人でおさえに行ったがそれでもできず、縄をかけてもパット切ったりして、やっとその女の子供がおさえた。父親は大将になってずっと後の方で見ていた。このように劇ではやっていたが、それから「久良波首里殿内に入って来る人はいるが、そこから出て行く人はいない。」とね。それで、そこはたたりがあって何も作れない。今につけて空き屋敷である。久良波首里殿内といって、道の側にあるが、何も作ることができない。
| レコード番号 | 47O372485 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C109 |
| 決定題名 | 久良波スン殿内(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 久良波スン殿内 |
| 話者名 | 山城英一 |
| 話者名かな | やましろえいいち |
| 生年月日 | 19120113 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村高志保 |
| 記録日 | 19850227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村高志保T07B09 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 芝居 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集8高志保の民話 P61 |
| キーワード | 浦添の小湾,首里の侍,男が浮気,妻は妊娠,浜へ舟遊び,久良波,山原に行く旅人,包丁,娘 |
| 梗概(こうがい) | 浦添の小湾、小湾浜ってあるでしょう。今は軍用地の下の方にだと思うが。城間の方に軍用地があるでしょう。そこの下の方に、小湾という部落がある。そこの女と、それから首里の何という里主だったか、もう四十年、五十年前の芝居で見たものだから‥‥。小湾の女と首里の侍は一緒になって男が浮気したわけだ。浮気したので、妻は妊娠しているが、浜へ舟遊びに行かせ、舟を遭難させた。そして、久良波に流れ着いて、それを男は耳にしていた。それで、お産は久良波でやった。あの女はあそこにいるよ、子どもが生まれたそうだと聞いて引き取りに来たようだ。生まれた子どもは男の子だったので、その子を首里へ引き取って行った。それから、女の人はやけをおこした。そうして、他所から女の子をもらった。自分の子は連れて行かれ、女の子を山田からもらって育てていた。そこで、山原に行く旅人、国頭から来る旅人は久良波の宿で泊まった。久良波は中間宿になっていたので。(その女は)男の人皆に、恨みを晴らさんがために男の人を皆やっつけた。そして、夜包丁を研いでいるのを娘が見て、すぐ夜のうちに役人に連絡した。役人はやって来て、その人を縛って首里の方へ連れて行こうとした。久良波の宿に入って行く人はいるが、そこから帰って行く人はいなかったらしい。その宿は入って行く人はいるが、出て行く人はいないという由来記がある。その女を捕えに来た役人は自分の子とその親であった。子供は自分の親であることを知らない。縛ってあとから、この女の夫は分かるのだが、子供に向かってそういうことであったと白状した。女の親は縛られて、首里に泣く泣く連れて行かれた。「ここは入ってくるお客さんはいたが、そこから出ていく人はいない。私はこれをしでかした。これも貴方の父親のやったことだから。」と、子供に言って、泣く泣く縛って連れて行かれた。その女はまた、とても強い人で、侍なので武にもたけていた。なみの者では縛ることはできないよ。太い縄をかけてもパット切ったりして、下っ端ではおさえることはできなかった。六、七人でおさえに行ったがそれでもできず、縄をかけてもパット切ったりして、やっとその女の子供がおさえた。父親は大将になってずっと後の方で見ていた。このように劇ではやっていたが、それから「久良波首里殿内に入って来る人はいるが、そこから出て行く人はいない。」とね。それで、そこはたたりがあって何も作れない。今につけて空き屋敷である。久良波首里殿内といって、道の側にあるが、何も作ることができない。 |
| 全体の記録時間数 | 5:14 |
| 物語の時間数 | 5:14 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |