昔、山原に旅したそうですよ。二人連れの旅人がいて、一人は姓は聞いていない。城間仲のおじいさんが、鉱山を通り、石灰岩の山の側を通ると、城間仲のおじいさんの目から見ると黄金に見え、一緒に歩いている旅人から見ると、石ころであった。(城間仲のおじいさんが)その石グルーを持ち帰ると黄金になっていた。それから、(城間仲は)金持ち、豪農になったらしいよ。それから、その人は百姓であるから、あっちこっちでお金はあってもむだづかいはしなかった。城間、城間の田圃と言って、そこに団地があるでしょう。何と言う団地かね、城間団地、そこはみんな田圃だった。昔、そこの田圃はみな城間仲のものだったらしいね。そして、その拾ったじいさんは非常に誠な人で、貧乏人を助けるほどの誠な人であった。人夫は十何名だったかね。芝居で見たが、十三名であったかな。人夫十三名で年忘れ、今で言えば忘年会である。その時、城間仲に泥棒が入っていたらしい。そこのおじいさんは泥棒が入っていることに気が付いていた。入っていることは分かって、年忘れの日にそれで、おじいさんは、「あと一人分準備しなさい。」と言うと、もうそこの女中は「珍しいことだ。人はそれだけしかいないのにもう一人分準備しなさいとは。」と、(一応は)準備しておいた。そこにいる人は皆、食事をして家に帰った。みんなは人夫なので家に帰った後、「おい!おまえ、ここへ下りてきなさい。天井に上っている人、おまえも下りてきなさい。」と言った。そして、「あなたはどうして、私達の家に入り込んだのか。」と聞くと、「事情があってのことです。自分一人で子供を育てようとしているのだが、働いても間に合わない。それで貴方の家にはたくさんあるだろうと盗みに来ました。」「ああ、そうか。おまえは子供は何名か。」と言うと、「五人です。」「子供五人だったら、おまえはここでたくさん食べて行きなさい。子供達の物は考えるから。」とおっしゃった。お手伝いさんも家に帰ってしまったので、自分で台所に行って、「これだけは子供達に持って行って食べさせなさい。」とおじいさんが分けてくれた。「これからはもうこういうことはするなよ。どうしようもない時には、他所に行かないでここに来なさい。他所には行かないでよ。」と子供の分まで分けてあげたので、盗人は涙を流し、「ありがとうございました。もう貴方達はいつまでも栄えて下さい。」と言った。そして、盗人はそれからコツコツ働いて子供達に伝え話をした。「私はこうこうで城間仲へ盗みに行ったが、盗まないうちに、そこのおじいさんは私が入っていることを分かって、おまえたちの分までこのように持たしてあるので、あなたたちは城間仲をあやかってしっかりやりなさい。」と、亡くなるときに遺言をした。こうこうだからしっかりしなさいとね。それから、子供達は皆、肝に銘じて、毎日仕事をしている時も、いつも心の中に城間仲、城間仲のことを忘れずにがんばり成功した。城間仲もますます成功し、今の城間仲になったという話を聞いている。
| レコード番号 | 47O372478 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C108 |
| 決定題名 | 城間仲(シマグチ混) |
| 話者がつけた題名 | 城間仲 |
| 話者名 | 山城英一 |
| 話者名かな | やましろえいいち |
| 生年月日 | 19120113 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村高志保 |
| 記録日 | 19850227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村高志保T07B02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 芝居で見た |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集8高志保の民話 P34 |
| キーワード | 城間仲,鉱山,石灰岩,黄金,石ころ,金持ち,泥棒,年忘れの日 |
| 梗概(こうがい) | 昔、山原に旅したそうですよ。二人連れの旅人がいて、一人は姓は聞いていない。城間仲のおじいさんが、鉱山を通り、石灰岩の山の側を通ると、城間仲のおじいさんの目から見ると黄金に見え、一緒に歩いている旅人から見ると、石ころであった。(城間仲のおじいさんが)その石グルーを持ち帰ると黄金になっていた。それから、(城間仲は)金持ち、豪農になったらしいよ。それから、その人は百姓であるから、あっちこっちでお金はあってもむだづかいはしなかった。城間、城間の田圃と言って、そこに団地があるでしょう。何と言う団地かね、城間団地、そこはみんな田圃だった。昔、そこの田圃はみな城間仲のものだったらしいね。そして、その拾ったじいさんは非常に誠な人で、貧乏人を助けるほどの誠な人であった。人夫は十何名だったかね。芝居で見たが、十三名であったかな。人夫十三名で年忘れ、今で言えば忘年会である。その時、城間仲に泥棒が入っていたらしい。そこのおじいさんは泥棒が入っていることに気が付いていた。入っていることは分かって、年忘れの日にそれで、おじいさんは、「あと一人分準備しなさい。」と言うと、もうそこの女中は「珍しいことだ。人はそれだけしかいないのにもう一人分準備しなさいとは。」と、(一応は)準備しておいた。そこにいる人は皆、食事をして家に帰った。みんなは人夫なので家に帰った後、「おい!おまえ、ここへ下りてきなさい。天井に上っている人、おまえも下りてきなさい。」と言った。そして、「あなたはどうして、私達の家に入り込んだのか。」と聞くと、「事情があってのことです。自分一人で子供を育てようとしているのだが、働いても間に合わない。それで貴方の家にはたくさんあるだろうと盗みに来ました。」「ああ、そうか。おまえは子供は何名か。」と言うと、「五人です。」「子供五人だったら、おまえはここでたくさん食べて行きなさい。子供達の物は考えるから。」とおっしゃった。お手伝いさんも家に帰ってしまったので、自分で台所に行って、「これだけは子供達に持って行って食べさせなさい。」とおじいさんが分けてくれた。「これからはもうこういうことはするなよ。どうしようもない時には、他所に行かないでここに来なさい。他所には行かないでよ。」と子供の分まで分けてあげたので、盗人は涙を流し、「ありがとうございました。もう貴方達はいつまでも栄えて下さい。」と言った。そして、盗人はそれからコツコツ働いて子供達に伝え話をした。「私はこうこうで城間仲へ盗みに行ったが、盗まないうちに、そこのおじいさんは私が入っていることを分かって、おまえたちの分までこのように持たしてあるので、あなたたちは城間仲をあやかってしっかりやりなさい。」と、亡くなるときに遺言をした。こうこうだからしっかりしなさいとね。それから、子供達は皆、肝に銘じて、毎日仕事をしている時も、いつも心の中に城間仲、城間仲のことを忘れずにがんばり成功した。城間仲もますます成功し、今の城間仲になったという話を聞いている。 |
| 全体の記録時間数 | 5:26 |
| 物語の時間数 | 5:26 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |