モーイはね、人よりは利口であったんだがね。頭も秀れていて人よりは利口であった。そうして
このモーイというのはね、人よりは利口であったから。「もう私は、片足は草履をはいて、片足は下駄を履いて、この町を通ってみよう。」ということで、村や町を通ったのである。だから人がはね、「あのモーイは、少しは頭がへんになったんではないか。あれはね片足は草履、片足は下駄を履いて、町の中から歩いているよ。あれはちがっているよ。」といったわけだ。そうしているうちにある時、今度は琉球に鹿児島、薩摩からね、三つの難題事が来た。琉球の国からね、鹿児島に三つの難題事の品物を準備することができたら、鹿児島も沖縄も平等にするからということで、沖縄に鹿児島から、三つの難題が来ているわけである。 そうして、私達琉球の国王や武士達は、もう大変心配して、この難題事とは何かと言うことになった。その三つの難題事とは、灰縄を綯って持って来なさい。又雄鶏の卵を持って来なさい。もう一つは恩納岳を持って来なさいということであった。鹿児島からそういう難題事が来ているよと、今度は琉球の人達は、もう大変知恵を働かせた。いろいろ考えたりしたが、なかなか琉球国王の部下達は、全員そのことを考えることはできない。伊野波のモーイというのはね、道からはあのようにして歩いているんだが、それは、私達侍では考えることはできないからね、まずモーイに聞いてごらん。まず聞いてごらん。モーイがは、何と言うか分からないのにモーイに聞いてごらん。」と。城元からね、あの城に勤めている侍が、「モーイよ。」「何でしょうか。」といったから、「おまえに聞くんだがね。鹿児島からね、私達琉球に三つの難題事がこのようにしてあるんだがね。これはどのようにすればよいのだろう。モーイは考えることはできないか。」と、モーイに聞いたわけだ。そうしたらモーイは、「あゝ三つの難題事、あゝこれはできますよ。」そうして「この難題事は、大変簡単だよ。」といったからね。「どうしてやったらよいだろう。」「これはね、あの灰縄というのはね、灰では縄は綯えないでしょう。あの灰縄というのはね、藁で縄を綯ってね。これを焼きあげてすぐそのまま鹿児島にさし上げなさい。そうしたら灰縄(一つの難題)は解けているよ。」といってね。今度はもう一つの難題事、これは何かねといったらね。雄鶏の卵を二個持って来なさいというのであった。「雄鶏の卵、もう雄鶏がも卵を産めるか。」と、これも知恵を働かせた。「雄鶏の卵、それなら私達の王様は、今お産中であるからね。もう少しは待っていて下さい。」と言ったから。「なに!お産?殿様はお産もなさるんですか。おまえは、男がも子を産むということがあるか。」と、鹿児島の人達は言った。「そうですよね。それならどうして雄鶏の卵持って来なさいとおっしゃるんですか。」と言ったから、それも解いた。男がは子は産めないでしょう。今日はもう雄鶏の卵を二個持って来なさいということであるから。これも正解だよと。雄鶏の卵を二個というのはね、これはあるはずがない、これも正解である。もう一つは何かといったら、「はいもう一つは、恩納岳を持って来なさいということですよ。」恩納岳?これも簡単だよ。あなた達が恩納岳を持っていくんだったらね、鹿児島から恩納岳を載せる船を、ここ沖縄・琉球に持って来て下さい。そうすればあの恩納岳、琉球から壊して鹿児島に持たしますよ。」そうしたらね。鹿児島の人達は恩納岳を載せる船はなくて負けてしまった。鹿児島には、恩納岳を載せるような大きな船はなかった。三つの難題事はね、もう沖縄・琉球も鹿児島も、この人達がこれだけ考えてやったからね。沖縄と鹿児島も同様に交際して、今からは同じように手を結んでいこうねという話である。
| レコード番号 | 47O372459 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C107 |
| 決定題名 | モーイ親方 下駄と草履 難題(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | モーイ親方 |
| 話者名 | 大城利徳 |
| 話者名かな | おおしろりとく |
| 生年月日 | 19080424 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村高志保 |
| 記録日 | 19770814 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第13班 |
| 元テープ番号 | 読谷村高志保T06A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | あぬーんかし |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集8高志保の民話 P80 |
| キーワード | モーイ親方,片足は草履,片足は下駄,薩摩,三つの難題,灰縄,雄鶏の卵,恩納岳 |
| 梗概(こうがい) | モーイはね、人よりは利口であったんだがね。頭も秀れていて人よりは利口であった。そうして このモーイというのはね、人よりは利口であったから。「もう私は、片足は草履をはいて、片足は下駄を履いて、この町を通ってみよう。」ということで、村や町を通ったのである。だから人がはね、「あのモーイは、少しは頭がへんになったんではないか。あれはね片足は草履、片足は下駄を履いて、町の中から歩いているよ。あれはちがっているよ。」といったわけだ。そうしているうちにある時、今度は琉球に鹿児島、薩摩からね、三つの難題事が来た。琉球の国からね、鹿児島に三つの難題事の品物を準備することができたら、鹿児島も沖縄も平等にするからということで、沖縄に鹿児島から、三つの難題が来ているわけである。 そうして、私達琉球の国王や武士達は、もう大変心配して、この難題事とは何かと言うことになった。その三つの難題事とは、灰縄を綯って持って来なさい。又雄鶏の卵を持って来なさい。もう一つは恩納岳を持って来なさいということであった。鹿児島からそういう難題事が来ているよと、今度は琉球の人達は、もう大変知恵を働かせた。いろいろ考えたりしたが、なかなか琉球国王の部下達は、全員そのことを考えることはできない。伊野波のモーイというのはね、道からはあのようにして歩いているんだが、それは、私達侍では考えることはできないからね、まずモーイに聞いてごらん。まず聞いてごらん。モーイがは、何と言うか分からないのにモーイに聞いてごらん。」と。城元からね、あの城に勤めている侍が、「モーイよ。」「何でしょうか。」といったから、「おまえに聞くんだがね。鹿児島からね、私達琉球に三つの難題事がこのようにしてあるんだがね。これはどのようにすればよいのだろう。モーイは考えることはできないか。」と、モーイに聞いたわけだ。そうしたらモーイは、「あゝ三つの難題事、あゝこれはできますよ。」そうして「この難題事は、大変簡単だよ。」といったからね。「どうしてやったらよいだろう。」「これはね、あの灰縄というのはね、灰では縄は綯えないでしょう。あの灰縄というのはね、藁で縄を綯ってね。これを焼きあげてすぐそのまま鹿児島にさし上げなさい。そうしたら灰縄(一つの難題)は解けているよ。」といってね。今度はもう一つの難題事、これは何かねといったらね。雄鶏の卵を二個持って来なさいというのであった。「雄鶏の卵、もう雄鶏がも卵を産めるか。」と、これも知恵を働かせた。「雄鶏の卵、それなら私達の王様は、今お産中であるからね。もう少しは待っていて下さい。」と言ったから。「なに!お産?殿様はお産もなさるんですか。おまえは、男がも子を産むということがあるか。」と、鹿児島の人達は言った。「そうですよね。それならどうして雄鶏の卵持って来なさいとおっしゃるんですか。」と言ったから、それも解いた。男がは子は産めないでしょう。今日はもう雄鶏の卵を二個持って来なさいということであるから。これも正解だよと。雄鶏の卵を二個というのはね、これはあるはずがない、これも正解である。もう一つは何かといったら、「はいもう一つは、恩納岳を持って来なさいということですよ。」恩納岳?これも簡単だよ。あなた達が恩納岳を持っていくんだったらね、鹿児島から恩納岳を載せる船を、ここ沖縄・琉球に持って来て下さい。そうすればあの恩納岳、琉球から壊して鹿児島に持たしますよ。」そうしたらね。鹿児島の人達は恩納岳を載せる船はなくて負けてしまった。鹿児島には、恩納岳を載せるような大きな船はなかった。三つの難題事はね、もう沖縄・琉球も鹿児島も、この人達がこれだけ考えてやったからね。沖縄と鹿児島も同様に交際して、今からは同じように手を結んでいこうねという話である。 |
| 全体の記録時間数 | 6:05 |
| 物語の時間数 | 6:05 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |