モーイ親方のお父さんは昔の役人であったそうだ。そのお父さんは役人であったので、お上よりいろいろな注文があったらしい。最初に私が覚えているのは、黒縄御用といって、お父さんは心配していた。黒縄というのを見たこともない。どんなものかと、たいへん心配した。モーイ親方が、「お父さん何をそんなに心配しているのか。」と聞くと、「実はこうこうで、黒縄を持って来いということになっているが、どのようにすれば良いのか分らず困っている。」と答えた。「あのそういうことですか、心配なさらないで下さい。私が黒縄を作ってさし上げますので。」と言った。昔のスルガー、又は黒縄を五尺ばかり焼いたそうだ。そして灰縄を作り、動かさぬよう、そのまま包んで持っていらっしゃいと持たせたそうだ。お父さんに。お上に参上しに行き、(役人が)「これはお前が作ったのか。」と尋ねると、「はい、私が作りました。」と返事をした。そして、たいそう立派なものを作ってあるとほめられたそうだ。そしてそれは終って、また、難題が出され「これを持って行って、雄鶏の卵を持って来い。」ということになった。またお父さんはたいそう心配なさって、「実はこういうことで難題を与えられた。」「あゝそうですか。今度は、私が役人の所へ行って難題を解いて見せます。」とモーイ親方は答えた。そして、モーイ親方が役人の所へ行くと「どうしてか、お父さんに難題を出したのに、君が来るということはどうしてか、君は役人ではないのに。」と言われた。(モーイ親方は)「私達のお父さんは昨夜産気づいてしまい休んでいるので、ここに来ることはできませんでした。それで私が代わりに来ました。」すると役人が「まさか男が産気づくということないはずだが。」と言われた。(モーイ親方が)「貴方達の雄鶏の卵というのはどこにありましょうか。」と言った。(役人が)「あゝ、もっとも。」とこれも合格したそうだ。いえば昔の人は知恵勝負といってあったそうだ。政治というのは改めてやるはずだが、しかし、だいたい知恵勝負だったそうだ。
| レコード番号 | 47O372437 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C106 |
| 決定題名 | モーイ親方(シマグチ混) |
| 話者がつけた題名 | モーイ親方 |
| 話者名 | 国吉真次郎 |
| 話者名かな | くによししんじろう |
| 生年月日 | 18940228 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村高志保 |
| 記録日 | 19770815 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第8班 |
| 元テープ番号 | 読谷村高志保T05A17 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 話は父母や周囲の人から聞いた。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集8高志保の民話 P85 |
| キーワード | モーイ親方,お父さん,役人,黒縄御用,難題,雄鶏の卵 |
| 梗概(こうがい) | モーイ親方のお父さんは昔の役人であったそうだ。そのお父さんは役人であったので、お上よりいろいろな注文があったらしい。最初に私が覚えているのは、黒縄御用といって、お父さんは心配していた。黒縄というのを見たこともない。どんなものかと、たいへん心配した。モーイ親方が、「お父さん何をそんなに心配しているのか。」と聞くと、「実はこうこうで、黒縄を持って来いということになっているが、どのようにすれば良いのか分らず困っている。」と答えた。「あのそういうことですか、心配なさらないで下さい。私が黒縄を作ってさし上げますので。」と言った。昔のスルガー、又は黒縄を五尺ばかり焼いたそうだ。そして灰縄を作り、動かさぬよう、そのまま包んで持っていらっしゃいと持たせたそうだ。お父さんに。お上に参上しに行き、(役人が)「これはお前が作ったのか。」と尋ねると、「はい、私が作りました。」と返事をした。そして、たいそう立派なものを作ってあるとほめられたそうだ。そしてそれは終って、また、難題が出され「これを持って行って、雄鶏の卵を持って来い。」ということになった。またお父さんはたいそう心配なさって、「実はこういうことで難題を与えられた。」「あゝそうですか。今度は、私が役人の所へ行って難題を解いて見せます。」とモーイ親方は答えた。そして、モーイ親方が役人の所へ行くと「どうしてか、お父さんに難題を出したのに、君が来るということはどうしてか、君は役人ではないのに。」と言われた。(モーイ親方は)「私達のお父さんは昨夜産気づいてしまい休んでいるので、ここに来ることはできませんでした。それで私が代わりに来ました。」すると役人が「まさか男が産気づくということないはずだが。」と言われた。(モーイ親方が)「貴方達の雄鶏の卵というのはどこにありましょうか。」と言った。(役人が)「あゝ、もっとも。」とこれも合格したそうだ。いえば昔の人は知恵勝負といってあったそうだ。政治というのは改めてやるはずだが、しかし、だいたい知恵勝負だったそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:15 |
| 物語の時間数 | 3:15 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |