長男と次男お互いにとても仲の悪い兄弟であったそうだ。兄弟二人とも黍を作っていたそうだが、毎晩何者かに作物をやられ困っていた。そのしわざは、何百年と、屋良ムルチに長い年月住みついている鰻がいて、その鰻が食い慌らしていたそうだ。次男は不信に思い、毎晩(畑の)みまわりに出かけたそうだ。もしかして人間(盗人)かと思って。そしたらば、人の背丈ほどもある物が、黍を食べている現場に出くわせた次男は、無我夢中で殺してしまった。長男とは仲が悪いのであるが、「兄さん、私は人を一人殺してしまった。どうしたらいいものか一緒に考えてほしい。」と、兄の家へ行った。すると兄さんは、「そのような事情なら何をさしおいても行こう。」と二人で現場へ出かけて行ったそうだ。するとそこには鰻が殺されており、人ではなかった。弟は「私は人を一人殺してしまい、死刑になるんではないかと心配していた。」と胸のうちを話した。見てみれば、鰻であり、兄弟はホッとした。日頃は仲の悪い兄弟でも、「倒れたら族探り」いざという時は一番頼りになるものである。窮地におちいった時には、他人は見向きもしないが、そんな時に自分の親近者をたずねていけば見捨てることはしない。
| レコード番号 | 47O372074 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C089 |
| 決定題名 | 屋良ムルチ(方言) |
| 話者がつけた題名 | 屋良ムルチ |
| 話者名 | 金城カメ |
| 話者名かな | きんじょうかめ |
| 生年月日 | 19090220 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19770221 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第13班 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡慶次T03B12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | おじいさん |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集7渡慶次の民話 P95 |
| キーワード | 兄弟が仲が悪い,トウモロコシ,屋良ムルチのウナギ,人間,殺した |
| 梗概(こうがい) | 長男と次男お互いにとても仲の悪い兄弟であったそうだ。兄弟二人とも黍を作っていたそうだが、毎晩何者かに作物をやられ困っていた。そのしわざは、何百年と、屋良ムルチに長い年月住みついている鰻がいて、その鰻が食い慌らしていたそうだ。次男は不信に思い、毎晩(畑の)みまわりに出かけたそうだ。もしかして人間(盗人)かと思って。そしたらば、人の背丈ほどもある物が、黍を食べている現場に出くわせた次男は、無我夢中で殺してしまった。長男とは仲が悪いのであるが、「兄さん、私は人を一人殺してしまった。どうしたらいいものか一緒に考えてほしい。」と、兄の家へ行った。すると兄さんは、「そのような事情なら何をさしおいても行こう。」と二人で現場へ出かけて行ったそうだ。するとそこには鰻が殺されており、人ではなかった。弟は「私は人を一人殺してしまい、死刑になるんではないかと心配していた。」と胸のうちを話した。見てみれば、鰻であり、兄弟はホッとした。日頃は仲の悪い兄弟でも、「倒れたら族探り」いざという時は一番頼りになるものである。窮地におちいった時には、他人は見向きもしないが、そんな時に自分の親近者をたずねていけば見捨てることはしない。 |
| 全体の記録時間数 | 1:47 |
| 物語の時間数 | 1:46 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |