モーイ親方(共通語混)

概要

モーイ親方は、とても頭が良い子で、知恵がありすぎた。昼は鳥を持って馬鹿なふりして歩き回り、友達に馬鹿者扱いされ、そして夜は勉強した。「伊野波(のは)のモーイ、モーイ」と(皆に馬鹿にされ)、お父さんお母さんは「男の子生んでも役にも立たない。」と、心配していた。それでも、いつも馬鹿なふりをして鳥を待って遊びに行き、皆に馬鹿者扱いされていた。「お前は少しぐらい勉強もしなさい。勉強もするのであって、いつも鳥を持って、夜が明けると鳥を持って遊んでそんな事でいいのか。」と、お父さん、お母さんは注意しているのだが。ある日、お父さんが「はだしで歩かないで下駄を買って履きなさい。」と言い、またお母さんは「ぞうりを買って履きなさいねモーイ。」と言った。それで片足は下駄、もう片足はぞうりを履いて歩いた。するとよそから「あのモーイを見てみろ。片足はぞうり、もう片足は下駄を履いて歩いているよ。」と馬鹿者扱いされている所へ、「どうしてこんな格好をしているんだ、下駄片足、ぞうり片足を履いているのか。」と人に聞かれて「お父さんは下駄を、お母さんはぞうりを買いなさいと言うもんだから、誰の言うことを聞いたらいいかなぁと思って、二人に孝行しようと思ってひとつはぞうり買って、ひとつは下駄買って履いている。」と人に言ったようだ。ある時、偉い人が通る所に、「小便をしてはいけない」と立札があるのに、モーイはアホではなく頭がきれているから、『十銭の罰金』と書かれているので、モーイは、「十銭払えば誰でもできるんだ、十銭払えばいいや、やってみよう」と、そこに小便をした。そこへ偉い人がやって来て、「モーイ、お前はそこで小便をしているが、あの立札は読めないのか。」と言うと、「どうしてですか、私が小便するのを貴方は止めて。」とその人達と言い合った。偉い人が「どうしてお前はあの立札が見えないのか。」と言うと、「見ております。」、「何と書かれているか。」と聞くと、「『ここに小便をすると十銭罰金』だから十銭納めればよろしいでしょう。貴方達は、小便をしているのに止めさせてどれどれ残っているのを出しましょう。」と言って、モーイはまた小便をした。「それでは、どうしたら良いものかな。」と、偉い人がモーイに意見を聞くと、「そうですね、あんな風に書くと、誰でも罰金を払えばすむと思うから、それではいけません。」「それではどうしたらよいか、モーイ。」と、モーイから教わった。ここに小便する人は何というか、首切りというか、「誰でも首は切られたくありませんし、私でさえ(小便)をしません。」と言うと、「こいつは馬鹿だと思っていたが、モーイに今度は教えられたなあ、これを持って行って書き直しなさい」と教えられた。そしてモーイに言われて立札を立て直した。それにまた、男の親が、モーイが(字の)練習をして捨てた紙を見て、男の親が見るわけですね。「人はこんなに、字も上手に書けるのに、この字を見てごらん、モーイ。」と言うと、「これは私が練習したものです。お父さん。」と。そこまでは聞いたんだけどね。昔は、馬鹿なふりをしても偉い人がいたんだよ。

再生時間:5:05

民話詳細DATA

レコード番号 47O371911
CD番号 47O37C083
決定題名 モーイ親方(共通語混)
話者がつけた題名 モーイ親方
話者名 山内テル
話者名かな やまうちてる
生年月日 19051227
性別
出身地 沖縄県読谷村宇座
記録日 19830316
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村宇座T12A04
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集6宇座の民話 P152
キーワード モーイ親方,頭が良い子,知恵,昼は鳥を持って馬鹿なふり,馬鹿者扱い,夜は勉強,伊野波モーイ,お父さんが下駄,お母さんはぞうり,小便,立札,十銭の罰金
梗概(こうがい) モーイ親方は、とても頭が良い子で、知恵がありすぎた。昼は鳥を持って馬鹿なふりして歩き回り、友達に馬鹿者扱いされ、そして夜は勉強した。「伊野波(のは)のモーイ、モーイ」と(皆に馬鹿にされ)、お父さんお母さんは「男の子生んでも役にも立たない。」と、心配していた。それでも、いつも馬鹿なふりをして鳥を待って遊びに行き、皆に馬鹿者扱いされていた。「お前は少しぐらい勉強もしなさい。勉強もするのであって、いつも鳥を持って、夜が明けると鳥を持って遊んでそんな事でいいのか。」と、お父さん、お母さんは注意しているのだが。ある日、お父さんが「はだしで歩かないで下駄を買って履きなさい。」と言い、またお母さんは「ぞうりを買って履きなさいねモーイ。」と言った。それで片足は下駄、もう片足はぞうりを履いて歩いた。するとよそから「あのモーイを見てみろ。片足はぞうり、もう片足は下駄を履いて歩いているよ。」と馬鹿者扱いされている所へ、「どうしてこんな格好をしているんだ、下駄片足、ぞうり片足を履いているのか。」と人に聞かれて「お父さんは下駄を、お母さんはぞうりを買いなさいと言うもんだから、誰の言うことを聞いたらいいかなぁと思って、二人に孝行しようと思ってひとつはぞうり買って、ひとつは下駄買って履いている。」と人に言ったようだ。ある時、偉い人が通る所に、「小便をしてはいけない」と立札があるのに、モーイはアホではなく頭がきれているから、『十銭の罰金』と書かれているので、モーイは、「十銭払えば誰でもできるんだ、十銭払えばいいや、やってみよう」と、そこに小便をした。そこへ偉い人がやって来て、「モーイ、お前はそこで小便をしているが、あの立札は読めないのか。」と言うと、「どうしてですか、私が小便するのを貴方は止めて。」とその人達と言い合った。偉い人が「どうしてお前はあの立札が見えないのか。」と言うと、「見ております。」、「何と書かれているか。」と聞くと、「『ここに小便をすると十銭罰金』だから十銭納めればよろしいでしょう。貴方達は、小便をしているのに止めさせてどれどれ残っているのを出しましょう。」と言って、モーイはまた小便をした。「それでは、どうしたら良いものかな。」と、偉い人がモーイに意見を聞くと、「そうですね、あんな風に書くと、誰でも罰金を払えばすむと思うから、それではいけません。」「それではどうしたらよいか、モーイ。」と、モーイから教わった。ここに小便する人は何というか、首切りというか、「誰でも首は切られたくありませんし、私でさえ(小便)をしません。」と言うと、「こいつは馬鹿だと思っていたが、モーイに今度は教えられたなあ、これを持って行って書き直しなさい」と教えられた。そしてモーイに言われて立札を立て直した。それにまた、男の親が、モーイが(字の)練習をして捨てた紙を見て、男の親が見るわけですね。「人はこんなに、字も上手に書けるのに、この字を見てごらん、モーイ。」と言うと、「これは私が練習したものです。お父さん。」と。そこまでは聞いたんだけどね。昔は、馬鹿なふりをしても偉い人がいたんだよ。
全体の記録時間数 5:05
物語の時間数 5:05
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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