南山城の王は、他魯毎という人でね、他魯毎。それで尚巴志(しょうはし)は、まだ王にならない時には、佐敷小按司と呼ばれていた。身長が低くてそう呼ばれていたらしい。この人はとても知恵があり秀れた人だった。他魯毎という人をね、この男は亡ぼして尚巴志は王になったんだよ。その話だがね。その他魯毎という人が、余りにも自分勝手であった。尚巴志の持っている金の屏風があったそうだが、他魯毎は、それが欲しくて、力に物を言わせて、それを奪い取ってやろうと思っていた。それでその、佐敷の小按司の所へ行き、「お前の持っている金の屏風を私に譲って呉れないか。」と言った。すると、「ああ、譲ってもよろしいです。譲ってもよろしいですが、条件があります。」と答えた。「何だ、何かお前が欲しいのがあるのか。」「はい、あります。」「ではそれと交換することにしよう。」と言った。「交換してようございますか。」と、(佐敷の小按司が)さらに言うと、「換えてもよい。」と他魯毎は言った。それで、嘉手志川といってあるが、「嘉手志川の川原から湧きでる水と、私の持っている金の屏風と互いに交換しましょう。それならよろしいですが。」と(佐敷の小按司は)言った。他魯毎は、「どうして川の水はどこにでもたくさんある。良いことだ。」と交換した。交換したら、嘉手志川には門番が立ち、そこから湧きでる水は使わさないようにした。尚巴志が佐敷の小按司時代にね。そうなったら、島尻方面の田は全部干上ってしまい、旱魃と同じになってしまった。水をせき止め田には水を流さず別に流して、百姓の田には一滴の水も流さなかった。そこで百姓は怒って「何故、こんな悪さをするのか。」といったら、「それは、他魯毎に聞くと良い、お前達の按司はその川の水はたくさんあって、ただ物だからといって金の屏風と交換してしまったのさ、だからこの水は、私のものだ。佐敷の小按司の物だ。」と立て札を立ててあった。こんなことになってしまって百姓は怒った。今度は、「お前達が私の味方になるのなら、この悪い他魯毎を殺してしまわなければならない。そして私の味方になるのならば、田に水を引いてやろう。」と(人々を手なづけ)全部の百姓を佐敷の小按司は味方にしてしまった。そして一度に他魯毎を亡ぼしてしまった。金の屏風と交換したばっかりに。これは、尚巴志の金の屏風という話だ。これも芝居で上演していた。戦前に新楽座という芝居小屋でやっていた。
| レコード番号 | 47O371840 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C080 |
| 決定題名 | 尚巴志の金の屏風(共通語混) |
| 話者がつけた題名 | 金の屏風と交換した嘉手志川 |
| 話者名 | 新城平永 |
| 話者名かな | あらしろへいえい |
| 生年月日 | 19210305 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村宇座 |
| 記録日 | 19830302 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村宇座T10B02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 芝居 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集6宇座の民話 P225 |
| キーワード | 南山城の王,他魯毎,尚巴志,佐敷小按司,知恵があり秀れた人,金の屏風,嘉手志川,島尻方面の田,旱魃 |
| 梗概(こうがい) | 南山城の王は、他魯毎という人でね、他魯毎。それで尚巴志(しょうはし)は、まだ王にならない時には、佐敷小按司と呼ばれていた。身長が低くてそう呼ばれていたらしい。この人はとても知恵があり秀れた人だった。他魯毎という人をね、この男は亡ぼして尚巴志は王になったんだよ。その話だがね。その他魯毎という人が、余りにも自分勝手であった。尚巴志の持っている金の屏風があったそうだが、他魯毎は、それが欲しくて、力に物を言わせて、それを奪い取ってやろうと思っていた。それでその、佐敷の小按司の所へ行き、「お前の持っている金の屏風を私に譲って呉れないか。」と言った。すると、「ああ、譲ってもよろしいです。譲ってもよろしいですが、条件があります。」と答えた。「何だ、何かお前が欲しいのがあるのか。」「はい、あります。」「ではそれと交換することにしよう。」と言った。「交換してようございますか。」と、(佐敷の小按司が)さらに言うと、「換えてもよい。」と他魯毎は言った。それで、嘉手志川といってあるが、「嘉手志川の川原から湧きでる水と、私の持っている金の屏風と互いに交換しましょう。それならよろしいですが。」と(佐敷の小按司は)言った。他魯毎は、「どうして川の水はどこにでもたくさんある。良いことだ。」と交換した。交換したら、嘉手志川には門番が立ち、そこから湧きでる水は使わさないようにした。尚巴志が佐敷の小按司時代にね。そうなったら、島尻方面の田は全部干上ってしまい、旱魃と同じになってしまった。水をせき止め田には水を流さず別に流して、百姓の田には一滴の水も流さなかった。そこで百姓は怒って「何故、こんな悪さをするのか。」といったら、「それは、他魯毎に聞くと良い、お前達の按司はその川の水はたくさんあって、ただ物だからといって金の屏風と交換してしまったのさ、だからこの水は、私のものだ。佐敷の小按司の物だ。」と立て札を立ててあった。こんなことになってしまって百姓は怒った。今度は、「お前達が私の味方になるのなら、この悪い他魯毎を殺してしまわなければならない。そして私の味方になるのならば、田に水を引いてやろう。」と(人々を手なづけ)全部の百姓を佐敷の小按司は味方にしてしまった。そして一度に他魯毎を亡ぼしてしまった。金の屏風と交換したばっかりに。これは、尚巴志の金の屏風という話だ。これも芝居で上演していた。戦前に新楽座という芝居小屋でやっていた。 |
| 全体の記録時間数 | 3:50 |
| 物語の時間数 | 3:50 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |