タクかマジムンか(方言)

概要

あれはね、那覇の壷屋、シーサー作ったり壷を焼いたりする所で、壷屋といってあるでしょう。そこの人だったらしいが、大変な餅好きだったそうだ。餅も好きだしとても食いしん坊でもあったらしい。そして、その人の話は、盗み食いから始まるけど、家族が誰も家に居ない時に、タコ売りが歩いていたらしく(その男は)タコを買った。タコを買ったのはいいが、それを炊く鍋が無くて、ハガマに炊くということで、〈自分の家にある御飯炊くハガマさ、今ではもう使わなくなっているけど昔は使ったさあね〉隣にハガマ借りに行ったとさ。「貴方達のハガマは大きいから、借して下さい。」と。そしたら、「一体何を炊くのだ。」と尋ねると、「いいえ何も炊きませんが、ただ御飯炊こうと思っているんだが。」と答えた。隣の人もとても変り者だったのでしょうね。それで変り者だったので、「これは、又家の人が誰も居ないといって、盗み喰いしているな。タコ売りがその家に入っていったことだし、タコを炊くつもりだ、私達のハガマ借りたのは。」と思っていた。そして、それから実際は、タコを炊くつもりだった訳だ。タコが炊けた頃に、隣りの人は、「私達のハガマ、今使うので、返してくれ」と言った。さあー、タコが炊けた頃行ったので、(その男は)慌てて、急いで古い鍋をとり出し、「少し待って下さい!今お返ししますので。」と言った。〈それから、タコ炊くときは、こういう風にして、足の部分を開けて、こんなふうにするだろう。こういうふうに、そして、ハガマはこういうようにして、こんなふうに作られているだろう。〉そしてその古鍋にタコをこぼした。こぼしてからハガマは蓋をかぶせて、大慌てで返した。慌てふためいていたので、汁ばかりがこぼれて、実はそのタコは、こんな風にして、へばりついているのでそのナベにひっついたまま返した。そしたら隣の人はそれを家に持ち帰り、後で切って食べることにした。そして、その食いしんぼうは、隣の男がハガマを家に持って行ったのでタコを出そうとしたが、汁しか残ってないでしょう。タコは隣に持っていって(ここには)無いのでね。それで(くいしん坊の男は)箸を持って、こんな風にして「タコかおばけか、タコかおばけか。」とわめいたそうだ。何、このタコはきっとおばけタコだったので逃げたんだと男は思った。しかし、すぐに「そうだ、これはきっと隣の男にだまされたのだ。」と気が付き、隣の家に行き「貴方はだましたな。」と言ったら、「そうだその通り、しかし、お前は私にタコを煮るとは言わなかったではないか。(さあ、そんな事はいいから)ここへ入って一緒にタコを食べよう。」と言ったら、(くいしん坊の男は)真赤になって「食べるもんか。」と家に逃げ帰った。さて、家の門まで来ると、子供が法事の餅かどうか知らないが、餅を持って、遊んでいたらしい。「おいお前の持っている餅で私が三日月を作ってやろう。三日月を作ってあげようか」と言うと、その子供は正直者で、(くいしん坊男に)あげた。するとその男は口に入れて喰いちぎった。そして、「ほら、これで三日月の形になっただろう」と子供に渡した。そしたら子供はウエンウエーン泣いてしまった、という話だよ。餅と、タコの話が混じったものだ。

再生時間:3:58

民話詳細DATA

レコード番号 47O371839
CD番号 47O37C080
決定題名 タクかマジムンか(方言)
話者がつけた題名 タクかマジムンか
話者名 新城平永
話者名かな あらしろへいえい
生年月日 19210305
性別
出身地 沖縄県読谷村宇座
記録日 19830302
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村宇座T10B01
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集6宇座の民話 P165
キーワード 那覇の壷屋,壷屋,大変な餅好き,食いしん坊,盗み食い,タコ売り,隣にハガマ借りに,タコかおばけかタコかおばけか,子供が法事の餅,餅で三日月
梗概(こうがい) あれはね、那覇の壷屋、シーサー作ったり壷を焼いたりする所で、壷屋といってあるでしょう。そこの人だったらしいが、大変な餅好きだったそうだ。餅も好きだしとても食いしん坊でもあったらしい。そして、その人の話は、盗み食いから始まるけど、家族が誰も家に居ない時に、タコ売りが歩いていたらしく(その男は)タコを買った。タコを買ったのはいいが、それを炊く鍋が無くて、ハガマに炊くということで、〈自分の家にある御飯炊くハガマさ、今ではもう使わなくなっているけど昔は使ったさあね〉隣にハガマ借りに行ったとさ。「貴方達のハガマは大きいから、借して下さい。」と。そしたら、「一体何を炊くのだ。」と尋ねると、「いいえ何も炊きませんが、ただ御飯炊こうと思っているんだが。」と答えた。隣の人もとても変り者だったのでしょうね。それで変り者だったので、「これは、又家の人が誰も居ないといって、盗み喰いしているな。タコ売りがその家に入っていったことだし、タコを炊くつもりだ、私達のハガマ借りたのは。」と思っていた。そして、それから実際は、タコを炊くつもりだった訳だ。タコが炊けた頃に、隣りの人は、「私達のハガマ、今使うので、返してくれ」と言った。さあー、タコが炊けた頃行ったので、(その男は)慌てて、急いで古い鍋をとり出し、「少し待って下さい!今お返ししますので。」と言った。〈それから、タコ炊くときは、こういう風にして、足の部分を開けて、こんなふうにするだろう。こういうふうに、そして、ハガマはこういうようにして、こんなふうに作られているだろう。〉そしてその古鍋にタコをこぼした。こぼしてからハガマは蓋をかぶせて、大慌てで返した。慌てふためいていたので、汁ばかりがこぼれて、実はそのタコは、こんな風にして、へばりついているのでそのナベにひっついたまま返した。そしたら隣の人はそれを家に持ち帰り、後で切って食べることにした。そして、その食いしんぼうは、隣の男がハガマを家に持って行ったのでタコを出そうとしたが、汁しか残ってないでしょう。タコは隣に持っていって(ここには)無いのでね。それで(くいしん坊の男は)箸を持って、こんな風にして「タコかおばけか、タコかおばけか。」とわめいたそうだ。何、このタコはきっとおばけタコだったので逃げたんだと男は思った。しかし、すぐに「そうだ、これはきっと隣の男にだまされたのだ。」と気が付き、隣の家に行き「貴方はだましたな。」と言ったら、「そうだその通り、しかし、お前は私にタコを煮るとは言わなかったではないか。(さあ、そんな事はいいから)ここへ入って一緒にタコを食べよう。」と言ったら、(くいしん坊の男は)真赤になって「食べるもんか。」と家に逃げ帰った。さて、家の門まで来ると、子供が法事の餅かどうか知らないが、餅を持って、遊んでいたらしい。「おいお前の持っている餅で私が三日月を作ってやろう。三日月を作ってあげようか」と言うと、その子供は正直者で、(くいしん坊男に)あげた。するとその男は口に入れて喰いちぎった。そして、「ほら、これで三日月の形になっただろう」と子供に渡した。そしたら子供はウエンウエーン泣いてしまった、という話だよ。餅と、タコの話が混じったものだ。
全体の記録時間数 3:58
物語の時間数 3:58
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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