満のある家に、きれいなひとり娘のウシーという名前の(娘)がいたそうです。その娘はあんまりきれいなもんで、あっちからもこっちからも嫁の貰い手がたくさんいて、その中に与那原からちょっと、何というかねーいひぇーナマタラー、アホンダレーさ、こんな人がいて、これもこの娘をとっても望んでこれを是非自分が嫁にするといっていたそうです。そして、この娘のお母さんは自分の娘のことをあっちからもこっちからもあんまり貰い手がいるもんですから、「いい婿さんを捜すように」といって、ある神社かね、そこに行って毎日お祈りしていたそうです。このお母さんが。そしたら、これを聞いたらこの与那原(よなばる)タラーというアホみたいな男が、お宮の後(うしろ)に隠れて、「あなたの娘は、これが嫁にならないと、このタラーの嫁にならないと命はない。」と言うたもんだから、もうお母さんはびっくりして家(うち)帰って、その娘にそう言うたら「命がないんであったら、私は嫁に行きます。」と言って、嫁に行くことになったそうです。そしたらもう、いよいよ結婚式になって与那原(よなばる)に行くことになったもんですから。その日、結婚式の日、籠(かご)に乗って与那原(よなばる)に男二人に担(かつ)がれて行く途中、この籠カタミヤー(籠を担ぐ人)も酔(よっ)ぱらっているもんですから、道中(みちなか)に寝転んでしまったそうです。そして、その日に殿様が行列で、通りがかったそうです。そしたら殿様が、「どうしたのかねえ。」と言って聞いたら、この娘がでてきて、「実は私はこうこうです。」と殿様に言うたら、その殿様はそれはかわいそうと思って「じゃあ助けてあげます。」と言って。ここに牛が、ヒンギ牛(逃げ牛)が来たそうです。そして、この牛を式場に、結婚式の与那原(よなばる)に連れて行ったら、あっちはもう、あそこでこの牛は大騒ぎしたもんだから、怒って。その牛をまた娘の家(うち)に連れて行って。したからあっちのお母さんは心配して、あっちにもこっちにも、あまはいくまはい連(そー)てぃ歩(あっ)ちぇーんてー。(あちらこちら連れ歩いたようだね。」お祝いんかいん、まーんくぃんかいんてー連(そー)てい歩(あっ)ちさぐとう。(お祝いや、どこと限らず連れ歩いていた。)あるとき、その殿様の家(うち)にお祝いがあったそうですよ。そしたら、その牛を連れて行ったら「どうしてこんな所に牛連れて来るかあ。」と言って叱(ぬら)てーんてー。(叱られた。)あんさぐとぅ、うりんなー(そこで、母親は、)「こうこうな事情があって連れて来ました。」と言ってしたら、ここに娘はいたもんですから、はっきりもう分かってこれでアーキー(再会を喜ぶ)したそうです。親と子と。
| レコード番号 | 47O371801 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C078 |
| 決定題名 | 嫁の輿に牛(方言混) |
| 話者がつけた題名 | 嫁の輿に牛 |
| 話者名 | 長浜ウト |
| 話者名かな | ながはまうと |
| 生年月日 | 19100525 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村宇座 |
| 記録日 | 19830219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村宇座T08B13 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集6宇座の民話 P55 |
| キーワード | 糸満のある家,きれいなひとり娘のウシー,嫁の貰い手,与那原のタラー,神社,結婚式,籠,殿様,ヒンギ牛 |
| 梗概(こうがい) | 満のある家に、きれいなひとり娘のウシーという名前の(娘)がいたそうです。その娘はあんまりきれいなもんで、あっちからもこっちからも嫁の貰い手がたくさんいて、その中に与那原からちょっと、何というかねーいひぇーナマタラー、アホンダレーさ、こんな人がいて、これもこの娘をとっても望んでこれを是非自分が嫁にするといっていたそうです。そして、この娘のお母さんは自分の娘のことをあっちからもこっちからもあんまり貰い手がいるもんですから、「いい婿さんを捜すように」といって、ある神社かね、そこに行って毎日お祈りしていたそうです。このお母さんが。そしたら、これを聞いたらこの与那原(よなばる)タラーというアホみたいな男が、お宮の後(うしろ)に隠れて、「あなたの娘は、これが嫁にならないと、このタラーの嫁にならないと命はない。」と言うたもんだから、もうお母さんはびっくりして家(うち)帰って、その娘にそう言うたら「命がないんであったら、私は嫁に行きます。」と言って、嫁に行くことになったそうです。そしたらもう、いよいよ結婚式になって与那原(よなばる)に行くことになったもんですから。その日、結婚式の日、籠(かご)に乗って与那原(よなばる)に男二人に担(かつ)がれて行く途中、この籠カタミヤー(籠を担ぐ人)も酔(よっ)ぱらっているもんですから、道中(みちなか)に寝転んでしまったそうです。そして、その日に殿様が行列で、通りがかったそうです。そしたら殿様が、「どうしたのかねえ。」と言って聞いたら、この娘がでてきて、「実は私はこうこうです。」と殿様に言うたら、その殿様はそれはかわいそうと思って「じゃあ助けてあげます。」と言って。ここに牛が、ヒンギ牛(逃げ牛)が来たそうです。そして、この牛を式場に、結婚式の与那原(よなばる)に連れて行ったら、あっちはもう、あそこでこの牛は大騒ぎしたもんだから、怒って。その牛をまた娘の家(うち)に連れて行って。したからあっちのお母さんは心配して、あっちにもこっちにも、あまはいくまはい連(そー)てぃ歩(あっ)ちぇーんてー。(あちらこちら連れ歩いたようだね。」お祝いんかいん、まーんくぃんかいんてー連(そー)てい歩(あっ)ちさぐとう。(お祝いや、どこと限らず連れ歩いていた。)あるとき、その殿様の家(うち)にお祝いがあったそうですよ。そしたら、その牛を連れて行ったら「どうしてこんな所に牛連れて来るかあ。」と言って叱(ぬら)てーんてー。(叱られた。)あんさぐとぅ、うりんなー(そこで、母親は、)「こうこうな事情があって連れて来ました。」と言ってしたら、ここに娘はいたもんですから、はっきりもう分かってこれでアーキー(再会を喜ぶ)したそうです。親と子と。 |
| 全体の記録時間数 | 4:33 |
| 物語の時間数 | 4:33 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |