武士(ぶし)松茂良(まちむら)は首里の出身ですよね。そして泊松村(とぅまいまちむら)は泊の出身、那覇なんだ。そして、武士松茂良に勝てる者はいない。もうその人と試合する者さえいなかった武士松茂良と。そして、その武士松茂良の爺さんが、「泊松村といってまだ若い青年なんだが、かなり強い人がいるそうだよ。」と話をすると、それを泊松村が聞いてしまって、「それじゃ、私もたいしたもんだな。」と言って、そして、「いつか勝負してみよう。どの程度強いだろうか。」と思っていた。そして、その泊松村という青年が、那覇のある橋の上でね、行き会ったそうだ。武士松茂良の爺は杖をついて、散歩しながら巡っていたそうだ。那覇で。そこで行き会ったので、「むこうからおいでになるのは、あれは歩き方が変っているので、あの人は武士松茂良に違いない。」と。歩き方が変わっていたのでね。そして、橋のむこうで、ひざまづいて、「どうか一手をあやからせて下さい。」とひざまずいてお辞儀をすると、杖を突き出して、「泊松村というのはお前か。お前なんだな。」と言った。「私です。」と答えると、「話は聞いているよ。噂を聞いて、私もその人の手を見たいもんだと思っていたんだ。それではまず、やってみよう。でも、誰が強いにしても本気ではするなよ。」と言った。話をつけて、立ち構えると、その爺さんは、武士松茂良の爺さんは、杖を持ったままだったそうだ。そして、じっとにらみつけていると、その泊松村は汗ダラダラして、ひや汗をかいて、もうつけ込む隙がなかった。汗をたらしてね。どんなに長い間にらみ合って立っていても、どこにもつけ込む隙がなくなったので、泊松村は座り込んで「あやかりました。爺。悪うございました。」と言って、「よく分りました。私はまだまだ修業が足りません。あなたにつけ入ることはできません。」と言うと、「お前は目がまだまだだ。もっと目を鍛えなくてはいけない。お前に不足はないが、目一つはまだだよ。」と言った。そう言った所が今のおなり橋。それ以来、泊松村は武士松茂良の家へ通って練習に励み、大変強い武士になられたという話なんだ。
| レコード番号 | 47O371767 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C076 |
| 決定題名 | 武士松茂良と泊松村(方言) |
| 話者がつけた題名 | 武士松茂良と泊松村 |
| 話者名 | 新城平永 |
| 話者名かな | あらしろへいえい |
| 生年月日 | 19210305 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村宇座 |
| 記録日 | 19830216 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村宇座T07B10 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集6宇座の民話 P126 |
| キーワード | 武士松茂良は首里の出身,泊松村は泊の出身,那覇のある橋の上,杖,大変強い武士 |
| 梗概(こうがい) | 武士(ぶし)松茂良(まちむら)は首里の出身ですよね。そして泊松村(とぅまいまちむら)は泊の出身、那覇なんだ。そして、武士松茂良に勝てる者はいない。もうその人と試合する者さえいなかった武士松茂良と。そして、その武士松茂良の爺さんが、「泊松村といってまだ若い青年なんだが、かなり強い人がいるそうだよ。」と話をすると、それを泊松村が聞いてしまって、「それじゃ、私もたいしたもんだな。」と言って、そして、「いつか勝負してみよう。どの程度強いだろうか。」と思っていた。そして、その泊松村という青年が、那覇のある橋の上でね、行き会ったそうだ。武士松茂良の爺は杖をついて、散歩しながら巡っていたそうだ。那覇で。そこで行き会ったので、「むこうからおいでになるのは、あれは歩き方が変っているので、あの人は武士松茂良に違いない。」と。歩き方が変わっていたのでね。そして、橋のむこうで、ひざまづいて、「どうか一手をあやからせて下さい。」とひざまずいてお辞儀をすると、杖を突き出して、「泊松村というのはお前か。お前なんだな。」と言った。「私です。」と答えると、「話は聞いているよ。噂を聞いて、私もその人の手を見たいもんだと思っていたんだ。それではまず、やってみよう。でも、誰が強いにしても本気ではするなよ。」と言った。話をつけて、立ち構えると、その爺さんは、武士松茂良の爺さんは、杖を持ったままだったそうだ。そして、じっとにらみつけていると、その泊松村は汗ダラダラして、ひや汗をかいて、もうつけ込む隙がなかった。汗をたらしてね。どんなに長い間にらみ合って立っていても、どこにもつけ込む隙がなくなったので、泊松村は座り込んで「あやかりました。爺。悪うございました。」と言って、「よく分りました。私はまだまだ修業が足りません。あなたにつけ入ることはできません。」と言うと、「お前は目がまだまだだ。もっと目を鍛えなくてはいけない。お前に不足はないが、目一つはまだだよ。」と言った。そう言った所が今のおなり橋。それ以来、泊松村は武士松茂良の家へ通って練習に励み、大変強い武士になられたという話なんだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:21 |
| 物語の時間数 | 3:21 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |