もう、ずうーと大昔だがね、妊娠している人が死んだので、お腹にいる子どもも一緒にそのまま墓に入れ葬式を済ませた。(けれど母親は)首里の町まで通い続け、お菓子を買いに行き来していたそうだ。そのお店の主人には分らないが、隣近所の人がその様子を見て、「あの女の人は毎日首里の町に通ってお菓子を買っているのだが不思議だなあ。」と不信に思った人がその後を追って行ったら、墓の中に入って行ったそうだ。「これは確かに後生の人だ」と、店の人に「お菓子代として受け取ったお金を銭箱から出してごらん。」とみたらばウチカビだった。お店の人が受け取る時はお金、ミーヌチャー銭だけど、不思議に思って追って行ってみた人が、「あんたが、毎日売っている菓子の代金をここに出してごらん。」とそれを見、水の中に入れてみたらウチカビであったそうだ。それで墓の持ち主、死んだ人の家に行って、「そんなことがあったよ。珍しい事だ。」と言うと、「では墓を開けて見てみよう。」と墓の中に入ってみた。その墓の中で子どもは生きており、棺の上に座っていたそうだ。その子どもがテラマシカマグチという人である。その人を家に連れて来て「後生には楽しいこともありますか、御馳走もありますか、何もかもありますか。」と聞くと「それはそれは後生は楽しいもんだ。御馳走もたくさんあるし、女の人も多勢居るよ。」そう話すと、そこに七人兄弟が居合せていた。「そうであるなら私達も後生とやらへ連れて行って下さい。」と言った。「いいとも、あんた達が行きたいと望むなら連れて行こう。けど後生に行って何か欲しいなあと思っても手を触れてはならない。又美しい女もいっぱいいるがその女の人も触ってはいけないよ。その事を守らなければお前たちの魂は後生の人に取られて死んでしまいますよ。」と注意した。「そのような事はしません。連れて行って下さい。」「それでは今日行くことにしよう。」と一緒に出かけた。後生に行くと、七名のうち五名は帰って来たが二名はそのまま帰らぬ人となった。不思議な事もあるもんだとその人も思った。それから人が死ぬ時、マブイアカシーというものはそのことから始まった。人が死んで三日目にマブイアカシをするでしょう。それから始まった。「後生の人は敷居から外に出て行きなさい。生きている人は敷居から内に入りなさい。」というマブイアカシは、テラマシカマグチという人が始めたそうだ。
| レコード番号 | 47O371722 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C074 |
| 決定題名 | 子育て幽霊(方言) |
| 話者がつけた題名 | 子育て幽霊 |
| 話者名 | 山内実 |
| 話者名かな | やまうちみのる |
| 生年月日 | 19010606 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村宇座 |
| 記録日 | 19770813 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第16班 |
| 元テープ番号 | 読谷村宇座T05B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | んかしなー |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集6宇座の民話 P44 |
| キーワード | 妊娠したまま死んだ,葬式,首里の町,お菓子,後生の人,ウチカビ,墓の中に子ども,テラマシカマグチ,七人兄弟,欲しいものに手を触れてはならない,女の人も触ってはいけない,魂は後生の人に取られる,七名のうち五名は帰って来た,二名は帰らぬ人,死んで三日目にマブイアカシ |
| 梗概(こうがい) | もう、ずうーと大昔だがね、妊娠している人が死んだので、お腹にいる子どもも一緒にそのまま墓に入れ葬式を済ませた。(けれど母親は)首里の町まで通い続け、お菓子を買いに行き来していたそうだ。そのお店の主人には分らないが、隣近所の人がその様子を見て、「あの女の人は毎日首里の町に通ってお菓子を買っているのだが不思議だなあ。」と不信に思った人がその後を追って行ったら、墓の中に入って行ったそうだ。「これは確かに後生の人だ」と、店の人に「お菓子代として受け取ったお金を銭箱から出してごらん。」とみたらばウチカビだった。お店の人が受け取る時はお金、ミーヌチャー銭だけど、不思議に思って追って行ってみた人が、「あんたが、毎日売っている菓子の代金をここに出してごらん。」とそれを見、水の中に入れてみたらウチカビであったそうだ。それで墓の持ち主、死んだ人の家に行って、「そんなことがあったよ。珍しい事だ。」と言うと、「では墓を開けて見てみよう。」と墓の中に入ってみた。その墓の中で子どもは生きており、棺の上に座っていたそうだ。その子どもがテラマシカマグチという人である。その人を家に連れて来て「後生には楽しいこともありますか、御馳走もありますか、何もかもありますか。」と聞くと「それはそれは後生は楽しいもんだ。御馳走もたくさんあるし、女の人も多勢居るよ。」そう話すと、そこに七人兄弟が居合せていた。「そうであるなら私達も後生とやらへ連れて行って下さい。」と言った。「いいとも、あんた達が行きたいと望むなら連れて行こう。けど後生に行って何か欲しいなあと思っても手を触れてはならない。又美しい女もいっぱいいるがその女の人も触ってはいけないよ。その事を守らなければお前たちの魂は後生の人に取られて死んでしまいますよ。」と注意した。「そのような事はしません。連れて行って下さい。」「それでは今日行くことにしよう。」と一緒に出かけた。後生に行くと、七名のうち五名は帰って来たが二名はそのまま帰らぬ人となった。不思議な事もあるもんだとその人も思った。それから人が死ぬ時、マブイアカシーというものはそのことから始まった。人が死んで三日目にマブイアカシをするでしょう。それから始まった。「後生の人は敷居から外に出て行きなさい。生きている人は敷居から内に入りなさい。」というマブイアカシは、テラマシカマグチという人が始めたそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:16 |
| 物語の時間数 | 3:16 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |