ある年頃の女が、男の人を思い、恋こがれたまま死んでしまった。病気で死んだのか、それまでははっきり覚えてないが。〉〈すると、後生でも極楽はできなかったのか、その男を連れたくてしかたがなく、あとは化け出て男を連れようとした。そこで、その男はもう妻をめとって暮らしていたが(女は)男の家に(幽霊になって)現われて来て、妻に、「どうかあなたの夫を私に譲ってもらえないだろうか。」と言った。(幽霊は)あっちこっちどこまでも追って来てしょうがなかった。そして、(幽霊がその男の妻に)「それでは、もしその男さえ私に譲ってくれるのならあなたには恩を返そう。この桝はあなたが思っていることなら何でもできる。この桝を持っておればあなたは思いどおりに何でもできる。」と言った。「どんな望みでもかなうのか、そうか、後生の人にでも何でもできるのか。」と聞くと、「できる。」と言った。「それではありがとう、ではあなたに夫を譲ってやるのでその桝は私に下さい」と言うと同時に(桝をとって)その桝で、桝の角で後生の女を打った。「お前というやつは、死んでからも義理、恥もなく、そこに恥をすててまで男を恋うってあるか。女に生まれていながら義理知らぬ者は、それが世の地獄というものだ。お前なんか地獄へ行ってしまえ。」と、その桝の角で打つと(幽霊は)消えてしまった。だから、桝の角では、何であっても人を打つものではないという話だったよ。
| レコード番号 | 47O371481 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C065 |
| 決定題名 | 枡の角(方言) |
| 話者がつけた題名 | 枡の角 |
| 話者名 | 具志堅タケ |
| 話者名かな | ぐしけんたけ |
| 生年月日 | 19140710 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 1981208 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T11A06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P35 |
| キーワード | 年頃の女,男の人を思い恋こがれたまま死んだ,後生,極楽,化け出て男を連れようとした,男には妻を,幽霊,桝の角で後生の女を打った |
| 梗概(こうがい) | ある年頃の女が、男の人を思い、恋こがれたまま死んでしまった。病気で死んだのか、それまでははっきり覚えてないが。〉〈すると、後生でも極楽はできなかったのか、その男を連れたくてしかたがなく、あとは化け出て男を連れようとした。そこで、その男はもう妻をめとって暮らしていたが(女は)男の家に(幽霊になって)現われて来て、妻に、「どうかあなたの夫を私に譲ってもらえないだろうか。」と言った。(幽霊は)あっちこっちどこまでも追って来てしょうがなかった。そして、(幽霊がその男の妻に)「それでは、もしその男さえ私に譲ってくれるのならあなたには恩を返そう。この桝はあなたが思っていることなら何でもできる。この桝を持っておればあなたは思いどおりに何でもできる。」と言った。「どんな望みでもかなうのか、そうか、後生の人にでも何でもできるのか。」と聞くと、「できる。」と言った。「それではありがとう、ではあなたに夫を譲ってやるのでその桝は私に下さい」と言うと同時に(桝をとって)その桝で、桝の角で後生の女を打った。「お前というやつは、死んでからも義理、恥もなく、そこに恥をすててまで男を恋うってあるか。女に生まれていながら義理知らぬ者は、それが世の地獄というものだ。お前なんか地獄へ行ってしまえ。」と、その桝の角で打つと(幽霊は)消えてしまった。だから、桝の角では、何であっても人を打つものではないという話だったよ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:40 |
| 物語の時間数 | 1:40 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |