虎女房の話をしようね。昔ね、侍の乗った舟が嵐にあい、難船してしまった。難船したので、漂流している時に、ある離島へたどり着いた。この侍が着いた所には、虎が住んでいたが、虎の前足にトゲが刺さり、痛そうにしていたので、(侍は)かわいそうに思い、そのトゲを取ってあげたそうだ。その恩返しとして、虎が(侍を)大変慕って、とうとう夫婦になった。そして虎は妊娠をして、男の子が誕生した。この侍は「もう動物との間に子供ができたので、大変なことになった。」と思い、その子を連れて、首里へ逃げようと計画した。その虎がエサを探しに行っている時に、その子を連れて、舟に乗り逃げた。虎には内緒で首里へ逃げてこられたそうだ。虎との間にできた男の子は、動物との間にできた子は、もうとても優秀になり、学問も武勇も達者であった。その子が成長して物を思う年頃になると「ターリー、私を産んだ親は誰でしょうか。石の股や木の股から生まれたわけでもないし、私を産んだ親を見せて下さい。」と頼んだ。(父親は)仕方なく「君は虎の子供だ」と教えてあげた。「なんの子供であっても、一度会わせて下さい。」とお願いをした。「そうするか。」と言って親子は(虎のいる)離島へ渡った。しかし、この虎は、子供と男に逃げられてからは、大変、気をおとしてしまい、焦がれ死にしていた。舟が出た港に、ずっと立ったままの格好で焦がれ死にしていたそうだ。その親子が行って見ると、虎の形はすぐに崩れて、なくなってしまった、壊れたそうだ。そして、「お前の母親というのはこれだったんだよ。」と教えてあげた。親子二人は、首里にもどられた。虎との間にできた子は、大変な優れ者であったので大武者になられたそうだ。しかし、時々、人が見てないところでは手で物を召し上がっていたそうだ。手を入れて召し上がっている時、女中が見て、「貴方は、どうして、手を入れて召し上がるのか。」と尋ねた。「私は、母親に恩を返すためにはそうでもしなければならないのだよ。」と言われたそうだ。その人がギリュウという人で、大変な優れ者、武勇の達者な人であったという話。
| レコード番号 | 47O371466 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C064 |
| 決定題名 | 虎女房(方言) |
| 話者がつけた題名 | 虎女房 |
| 話者名 | 具志堅タケ |
| 話者名かな | ぐしけんたけ |
| 生年月日 | 19140710 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19811124 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T10B10 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 父 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P60 |
| キーワード | 虎女房,侍の乗った舟,嵐にあい難船,離島,虎の前足にトゲ,恩返し,夫婦,虎は妊娠,男の子,首里へ逃げる計画,舟に乗り逃げた,子は優秀,学問も武勇も達者,私を産んだ親,虎の子供,立ったままの格好,焦がれ死に |
| 梗概(こうがい) | 虎女房の話をしようね。昔ね、侍の乗った舟が嵐にあい、難船してしまった。難船したので、漂流している時に、ある離島へたどり着いた。この侍が着いた所には、虎が住んでいたが、虎の前足にトゲが刺さり、痛そうにしていたので、(侍は)かわいそうに思い、そのトゲを取ってあげたそうだ。その恩返しとして、虎が(侍を)大変慕って、とうとう夫婦になった。そして虎は妊娠をして、男の子が誕生した。この侍は「もう動物との間に子供ができたので、大変なことになった。」と思い、その子を連れて、首里へ逃げようと計画した。その虎がエサを探しに行っている時に、その子を連れて、舟に乗り逃げた。虎には内緒で首里へ逃げてこられたそうだ。虎との間にできた男の子は、動物との間にできた子は、もうとても優秀になり、学問も武勇も達者であった。その子が成長して物を思う年頃になると「ターリー、私を産んだ親は誰でしょうか。石の股や木の股から生まれたわけでもないし、私を産んだ親を見せて下さい。」と頼んだ。(父親は)仕方なく「君は虎の子供だ」と教えてあげた。「なんの子供であっても、一度会わせて下さい。」とお願いをした。「そうするか。」と言って親子は(虎のいる)離島へ渡った。しかし、この虎は、子供と男に逃げられてからは、大変、気をおとしてしまい、焦がれ死にしていた。舟が出た港に、ずっと立ったままの格好で焦がれ死にしていたそうだ。その親子が行って見ると、虎の形はすぐに崩れて、なくなってしまった、壊れたそうだ。そして、「お前の母親というのはこれだったんだよ。」と教えてあげた。親子二人は、首里にもどられた。虎との間にできた子は、大変な優れ者であったので大武者になられたそうだ。しかし、時々、人が見てないところでは手で物を召し上がっていたそうだ。手を入れて召し上がっている時、女中が見て、「貴方は、どうして、手を入れて召し上がるのか。」と尋ねた。「私は、母親に恩を返すためにはそうでもしなければならないのだよ。」と言われたそうだ。その人がギリュウという人で、大変な優れ者、武勇の達者な人であったという話。 |
| 全体の記録時間数 | 2:29 |
| 物語の時間数 | 2:29 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |