宮里村の百姓が、もう大雨が降ったので、あるお墓へ隠れに行った。そのお墓には、金城按司のひとり娘、その人が亡くなり葬られていたわけだ。そして、その娘が百姓が隠れているときに、墓の内からえりあしのカンプー(結い髪)を引っぱったようだ。化け物だろうかと驚いたようだが、その娘は頼みがあって(カンプーを引っぱったのだった。)「どうして」と聞くと、娘は「私は、ここに葬られてから二、三日なるが、誰も(生きかえったことを)気がつかない。命をとりとめ、意識をとりもどしているので助けて下さい。」と言った。「そうか、それでは頼まれたからには。」と言って、百姓は助けようとしたが、一人では、できないから、「友達を呼んで来ようね。」と言い、友達を呼びに行った。〈昔は、カミチューカンプーを結っていたんで。〉そして、呼んで来た友達と二人で、墓を開けてその女を助け出した。金城按司のひとり娘で、その娘を助け出し、まずは、自分の家に連れて行き、意識をとりもどした。また籠にかついで親の家へ届けて、こうこうだったのでと説明した。それから、その娘はとても元気になった。大里御殿の按司と結婚することになった。しかし、その娘は、助けてくれた男は百姓ではあるが、その人に助けられたという恩義があった。そして、もう彼にすまないと思ったのか、籠から担がれて行くときに(嫁入りのときに)、ちょうど、籠を担ぐ役もその百姓だったそうだ。そして、途中で百姓が、少し様子をうかがいながら、「あなたは、私との約束を守らないねえ。」と言った。それを聞いた女は、お腹が痛いようといいだしてね。〈本当かどうか知らないが〉お腹が痛いといいだし、嫁ぎ先までは行けなくなり途中でひきかえしてきた。そうして、自分の家にもどったので、向こうに断られてしまった。大里按司のもとへは行かないと断って、自分の家で親がどんなにしても、「私は、あの人が助けなかったらもう命を失いそのままだったがこのように生きがえっているんだよ。」と、親に強く申し上げた。また、親もたぶん承知なさったんでしょうね。それほどまで思っているのならと、この二人を、百姓ではあるが、夫婦にしたという話があったよ。ただこれだけ。
| レコード番号 | 47O371407 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C062 |
| 決定題名 | 死んだ娘(方言) |
| 話者がつけた題名 | 死んだ娘 |
| 話者名 | 山城ウシ |
| 話者名かな | やましろうし |
| 生年月日 | 19020202 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19811120 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T09A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P97 |
| キーワード | 宮里村の百姓,大雨,墓へ隠れた,金城按司のひとり娘,墓の内からカンプーを引っぱった,化け物,生きかえった,女を助け出した,娘は大里御殿の按司と結婚,お腹が痛い,途中でひきかえした,百姓と夫婦 |
| 梗概(こうがい) | 宮里村の百姓が、もう大雨が降ったので、あるお墓へ隠れに行った。そのお墓には、金城按司のひとり娘、その人が亡くなり葬られていたわけだ。そして、その娘が百姓が隠れているときに、墓の内からえりあしのカンプー(結い髪)を引っぱったようだ。化け物だろうかと驚いたようだが、その娘は頼みがあって(カンプーを引っぱったのだった。)「どうして」と聞くと、娘は「私は、ここに葬られてから二、三日なるが、誰も(生きかえったことを)気がつかない。命をとりとめ、意識をとりもどしているので助けて下さい。」と言った。「そうか、それでは頼まれたからには。」と言って、百姓は助けようとしたが、一人では、できないから、「友達を呼んで来ようね。」と言い、友達を呼びに行った。〈昔は、カミチューカンプーを結っていたんで。〉そして、呼んで来た友達と二人で、墓を開けてその女を助け出した。金城按司のひとり娘で、その娘を助け出し、まずは、自分の家に連れて行き、意識をとりもどした。また籠にかついで親の家へ届けて、こうこうだったのでと説明した。それから、その娘はとても元気になった。大里御殿の按司と結婚することになった。しかし、その娘は、助けてくれた男は百姓ではあるが、その人に助けられたという恩義があった。そして、もう彼にすまないと思ったのか、籠から担がれて行くときに(嫁入りのときに)、ちょうど、籠を担ぐ役もその百姓だったそうだ。そして、途中で百姓が、少し様子をうかがいながら、「あなたは、私との約束を守らないねえ。」と言った。それを聞いた女は、お腹が痛いようといいだしてね。〈本当かどうか知らないが〉お腹が痛いといいだし、嫁ぎ先までは行けなくなり途中でひきかえしてきた。そうして、自分の家にもどったので、向こうに断られてしまった。大里按司のもとへは行かないと断って、自分の家で親がどんなにしても、「私は、あの人が助けなかったらもう命を失いそのままだったがこのように生きがえっているんだよ。」と、親に強く申し上げた。また、親もたぶん承知なさったんでしょうね。それほどまで思っているのならと、この二人を、百姓ではあるが、夫婦にしたという話があったよ。ただこれだけ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:06 |
| 物語の時間数 | 3:06 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |