おじいさんがちょうど山から歩くときに、あるおじいさんが。こっちから大きい、白い蛇がね、大きな木の上から天に昇ろうとしていたって。だからそのおじいさんは、「変なものを見たねえ。」と思うてよ。その、また、蛇はこのおじいさんに見られたから降りてきたって。もう上がられんで。百年、地面に生きていたら天に昇られるって蛇は神様になって、そういう言い伝えがありますよ。だから、その蛇も昇ろうとしたから、そのおじいさんに見られたから降りてきたって。降りてきてね、「もうあなたひとりが見なかったら、わたしは天に行かれたのに、天に行って神様になりよったがね。もうあなたに見られたから、もう昇ることはできないからね、あなたが誰にでもひと言でもしゃべらなければ、わたしは昇って行くことができるから、それを誰にもしゃべらないでくれないか、その代わりに、あんたにうんと金持ちにして、あんたの欲しい物は何でもね上げるから。」と言うたって。だから、そのおじいさんは、「はい、そうしますよ。誰にも言いませんよ。」と言ったから、「そしたら、あんたになあ、上等の臼をやるから、臼ね、〈豆腐ひく臼があるでしょう。昔は、豆腐ひく。〉あれをやるからね、あれにあんたが欲しいものは何でも出るから、あんたが出なさいと言ったら、ひきながら出るから、それを上げるか。」と言うたがら、その蛇が。「そんならお願いします。」と言って、その臼をもらったわけさ。そしてからに、もうお金持ちになったから人に言うたわけさ。だからまた、こっちは貧乏ないとぅーししてもうずっと貧乏になるわけさ。もらった臼は、自分は今はもう塩が欲しいからね。「塩出して下さい。」と言ったからよ塩はどんどんどん出てからにね、もう止めることはできないでね、そのまま海の水は潮(うす)になったという話ですよ。塩になったという話ですよ。
レコード番号 | 47O371375 |
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CD番号 | 47O37C060 |
決定題名 | 千年蛇(共通語) |
話者がつけた題名 | 千年蛇 |
話者名 | 新垣小松 |
話者名かな | あらかきこまつ |
生年月日 | 19120205 |
性別 | 女 |
出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
記録日 | 19770508 |
記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第15班 |
元テープ番号 | 読谷村儀間T07B03 |
元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
分類 | 本格昔話 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | おじいさん |
文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P45 |
キーワード | おじいさん,山,白い蛇,木の上,天,百年,蛇は神様,金持ち,臼,貧乏,塩 |
梗概(こうがい) | おじいさんがちょうど山から歩くときに、あるおじいさんが。こっちから大きい、白い蛇がね、大きな木の上から天に昇ろうとしていたって。だからそのおじいさんは、「変なものを見たねえ。」と思うてよ。その、また、蛇はこのおじいさんに見られたから降りてきたって。もう上がられんで。百年、地面に生きていたら天に昇られるって蛇は神様になって、そういう言い伝えがありますよ。だから、その蛇も昇ろうとしたから、そのおじいさんに見られたから降りてきたって。降りてきてね、「もうあなたひとりが見なかったら、わたしは天に行かれたのに、天に行って神様になりよったがね。もうあなたに見られたから、もう昇ることはできないからね、あなたが誰にでもひと言でもしゃべらなければ、わたしは昇って行くことができるから、それを誰にもしゃべらないでくれないか、その代わりに、あんたにうんと金持ちにして、あんたの欲しい物は何でもね上げるから。」と言うたって。だから、そのおじいさんは、「はい、そうしますよ。誰にも言いませんよ。」と言ったから、「そしたら、あんたになあ、上等の臼をやるから、臼ね、〈豆腐ひく臼があるでしょう。昔は、豆腐ひく。〉あれをやるからね、あれにあんたが欲しいものは何でも出るから、あんたが出なさいと言ったら、ひきながら出るから、それを上げるか。」と言うたがら、その蛇が。「そんならお願いします。」と言って、その臼をもらったわけさ。そしてからに、もうお金持ちになったから人に言うたわけさ。だからまた、こっちは貧乏ないとぅーししてもうずっと貧乏になるわけさ。もらった臼は、自分は今はもう塩が欲しいからね。「塩出して下さい。」と言ったからよ塩はどんどんどん出てからにね、もう止めることはできないでね、そのまま海の水は潮(うす)になったという話ですよ。塩になったという話ですよ。 |
全体の記録時間数 | 2:16 |
物語の時間数 | 2:16 |
言語識別 | 共通語 |
音源の質 | △ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |