阿麻和利はね、とても頭がいいらしい。私たちの沖縄の天下の王、天下の王様になろうと考えて企みをした。中山は阿麻和利はすごく知恵がありすぎて、これを婿にしないことには何をしでかすかわからない、と考えて、中山の娘を妻にさせた。あれは婿になっているわけだ、阿麻和利はね。しかし、阿麻和利は親方に弓を引いてやろうと思っていた。中山はもう、娘もやったので、大丈夫と考えていたんだが。それでも、阿麻和利は悪い考えを起こし、沖縄の王になってやろうと思っていた。そこで、「この護佐丸がいると自分は中山を滅すことはできない。」と、護佐丸から先に滅してやろうと、嘘をつくことにした。中山へ行って、中山の王様に嘘のことを言った。この護佐丸、護佐丸といえば阿麻和利と婿兄弟になるわけだ。二人ね、阿麻和利も護佐丸も中山の婿になっている。そして、護佐丸が偉いようだが、(阿麻和利は)「そいつがいることには、戦さで首里城は落とすことができない、中山は落とすことができないので、先に護佐丸から殺さねばならない。」と考え、今度は中山に行ったようだ。(阿麻和利は)親にあたる按司加那志、妻の親のところへ行って、「護佐丸は謀反を企み首里戦さ、〈首里に中山はいらしたので〉首里に戦さを寄せかけようとしているので、そのつもりでいないといけない。」と申し上げた。中山王は「いや、護佐丸にはそんな事はできない。お前の目論ではないか。」とおっしゃった。「私の言ったことが嘘と思うのであれば、護佐丸の様子をさぐらして見て下さい。」と言った。(中山の家来に)西原ぬひゃーというのがいたよ、西原ぬひゃーを[ ]として、護佐丸の様子を見に行かせた。そこでは、護佐丸は本当は戦さをするためではなく、家、城の壊れているのを、大工を雇って修理をさせていたようだ。大工を雇ってね。それを使いの者の西原ぬひゃーが見て、「鍛冶大工を頼んで武具を作っている。」と言った。のぞき見で西原ぬひゃーの感違いだけど。護佐丸の所は、本当は家の修理をしていたのだが。西原ぬひゃーは、首里城で「戦さはすでに始まっています。鍛冶大工を頼んで武具を作っています。」と返答した。それで、「これは油断できない。」と、それから中山は阿麻和利の嘘におさえられて、首里から中城護佐丸のところへ寄せて行った。ちょうど九月の十三夜、城の修理も終り、皆で、妻も子も家族そろって、物見台で月ながめをしていた。ちょうど九月の十三夜、その時に阿麻和利は、すぐここに攻めに来たわけだ。護佐丸は物見台にいるときに襲われた。戦おうとすると、もう中山の御紋をもらっているので手向かうことはしなかった。そして、人の手によって殺されるよりは自害した方がいいと考えた。護佐丸は自分の子どもたちも皆殺してしまった。そして、上の子、カミジューというのがいたが、何のことも思わない子どもはいつも笑っているでしょう。乳母が「私にこの子をみさせて下さい。」と言ったので、乳母にカミジューを託して逃がしてやった。そこで護佐丸は切腹した。また西原ぬひゃーも、「主人を失った今はそこに居ても何もならない、私もお供しよう。」と、西原ぬひゃーも一緒に切腹した。後に、そのカミジューが成長した頃、中山は、これは本当に(阿麻和利の)謀反だったと感づいた。阿麻和利のところへ娘をやるときに、大城大主という人を付添いにして行かせてあった。その人も(阿麻和利が)首里に戦さを寄せることが分り、夜、阿麻和利の妻、ウナザラを呼んで(相談した。)「これは女の私には、どうしたらいいのか分らない。確かにそれは悪企みだから早く行って知らせなければ。」と、首里城へお供して行った。 阿麻和利は「私の謀いは知れてしまった。」と、すぐ後追いして行った。武具は用意してあるのでね。そして首里城におしかけて行った。阿麻和利は最初は百姓であったが、百姓から按司になったそうだ。それで、百姓からのなりあがりで按司になり、悪欲が高く、こんなにも大きな城に戦いをいどんできた。そこで、大城大主に会って、戦い始めたようだ。戦ってみると、弱くて、逃げて行ってしまった。中山の王様は、「そのような者を許してはおけない、急いで追って行き、討て!」と言った。それから、カミジューはもう成長していたので、その話を聞いて、自分の祖父にあたる中山にお願いして、「一緒に親の敵を討たせてほしい。」と申し出た。(中山は)「その時は一瞬のあやまりでこうなったので、一緒に親の敵(かたき)を討った後には護佐丸の後継ぎとしよう。」と言った。阿麻和利は戦さをするときでも、実際は(弱く)クンジーぐゎーを着けて(身なりもあまりよくなかった。)
| レコード番号 | 47O371271 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C055 |
| 決定題名 | 阿麻和利と護佐丸(方言) |
| 話者がつけた題名 | 阿麻和利 |
| 話者名 | 宮城正栄 |
| 話者名かな | みやぎしょうえい |
| 生年月日 | 19070510 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第13班 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T03A18 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P214 |
| キーワード | 阿麻和利,頭がいい,沖縄の天下の王様,中山,婿,中山の娘を妻,護佐丸,護佐丸と阿麻和利は婿兄弟,首里城,按司加那志,西原ぬひゃー,城の修理,鍛冶大工,武具,中城護佐丸,九月の十三夜,物見台で月ながめ,中山の御紋,自害,カミジュー,乳母,大城大主 |
| 梗概(こうがい) | 阿麻和利はね、とても頭がいいらしい。私たちの沖縄の天下の王、天下の王様になろうと考えて企みをした。中山は阿麻和利はすごく知恵がありすぎて、これを婿にしないことには何をしでかすかわからない、と考えて、中山の娘を妻にさせた。あれは婿になっているわけだ、阿麻和利はね。しかし、阿麻和利は親方に弓を引いてやろうと思っていた。中山はもう、娘もやったので、大丈夫と考えていたんだが。それでも、阿麻和利は悪い考えを起こし、沖縄の王になってやろうと思っていた。そこで、「この護佐丸がいると自分は中山を滅すことはできない。」と、護佐丸から先に滅してやろうと、嘘をつくことにした。中山へ行って、中山の王様に嘘のことを言った。この護佐丸、護佐丸といえば阿麻和利と婿兄弟になるわけだ。二人ね、阿麻和利も護佐丸も中山の婿になっている。そして、護佐丸が偉いようだが、(阿麻和利は)「そいつがいることには、戦さで首里城は落とすことができない、中山は落とすことができないので、先に護佐丸から殺さねばならない。」と考え、今度は中山に行ったようだ。(阿麻和利は)親にあたる按司加那志、妻の親のところへ行って、「護佐丸は謀反を企み首里戦さ、〈首里に中山はいらしたので〉首里に戦さを寄せかけようとしているので、そのつもりでいないといけない。」と申し上げた。中山王は「いや、護佐丸にはそんな事はできない。お前の目論ではないか。」とおっしゃった。「私の言ったことが嘘と思うのであれば、護佐丸の様子をさぐらして見て下さい。」と言った。(中山の家来に)西原ぬひゃーというのがいたよ、西原ぬひゃーを[ ]として、護佐丸の様子を見に行かせた。そこでは、護佐丸は本当は戦さをするためではなく、家、城の壊れているのを、大工を雇って修理をさせていたようだ。大工を雇ってね。それを使いの者の西原ぬひゃーが見て、「鍛冶大工を頼んで武具を作っている。」と言った。のぞき見で西原ぬひゃーの感違いだけど。護佐丸の所は、本当は家の修理をしていたのだが。西原ぬひゃーは、首里城で「戦さはすでに始まっています。鍛冶大工を頼んで武具を作っています。」と返答した。それで、「これは油断できない。」と、それから中山は阿麻和利の嘘におさえられて、首里から中城護佐丸のところへ寄せて行った。ちょうど九月の十三夜、城の修理も終り、皆で、妻も子も家族そろって、物見台で月ながめをしていた。ちょうど九月の十三夜、その時に阿麻和利は、すぐここに攻めに来たわけだ。護佐丸は物見台にいるときに襲われた。戦おうとすると、もう中山の御紋をもらっているので手向かうことはしなかった。そして、人の手によって殺されるよりは自害した方がいいと考えた。護佐丸は自分の子どもたちも皆殺してしまった。そして、上の子、カミジューというのがいたが、何のことも思わない子どもはいつも笑っているでしょう。乳母が「私にこの子をみさせて下さい。」と言ったので、乳母にカミジューを託して逃がしてやった。そこで護佐丸は切腹した。また西原ぬひゃーも、「主人を失った今はそこに居ても何もならない、私もお供しよう。」と、西原ぬひゃーも一緒に切腹した。後に、そのカミジューが成長した頃、中山は、これは本当に(阿麻和利の)謀反だったと感づいた。阿麻和利のところへ娘をやるときに、大城大主という人を付添いにして行かせてあった。その人も(阿麻和利が)首里に戦さを寄せることが分り、夜、阿麻和利の妻、ウナザラを呼んで(相談した。)「これは女の私には、どうしたらいいのか分らない。確かにそれは悪企みだから早く行って知らせなければ。」と、首里城へお供して行った。 阿麻和利は「私の謀いは知れてしまった。」と、すぐ後追いして行った。武具は用意してあるのでね。そして首里城におしかけて行った。阿麻和利は最初は百姓であったが、百姓から按司になったそうだ。それで、百姓からのなりあがりで按司になり、悪欲が高く、こんなにも大きな城に戦いをいどんできた。そこで、大城大主に会って、戦い始めたようだ。戦ってみると、弱くて、逃げて行ってしまった。中山の王様は、「そのような者を許してはおけない、急いで追って行き、討て!」と言った。それから、カミジューはもう成長していたので、その話を聞いて、自分の祖父にあたる中山にお願いして、「一緒に親の敵を討たせてほしい。」と申し出た。(中山は)「その時は一瞬のあやまりでこうなったので、一緒に親の敵(かたき)を討った後には護佐丸の後継ぎとしよう。」と言った。阿麻和利は戦さをするときでも、実際は(弱く)クンジーぐゎーを着けて(身なりもあまりよくなかった。) |
| 全体の記録時間数 | 6:48 |
| 物語の時間数 | 6:48 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |