王様が、この田舎に、おいでになった時に、何という王様だったかは知らないが。それで、「一晩あなたの家に泊めてくれないか。」と頼んだが、「こんな汚ない家には、お客様を泊めて上げたら失礼になりますから。」と、断わったわけですね。先ずそうだが、この王様には、宿泊する場所がなかったので、泊めて下さいとおっしゃった。田舎廻りで各家庭を歩いて、廻られたときであった。それで、あるところへ行かれたら、「人は泊めない」と、お金持の人には断わられ、貧乏人の家に行くと、「こっちに泊まって下さい」と、泊めてくれた。もうその人は神様同様に、王様のことだから泊めてあげた。しかし何も、差し上げるのが無くて、芋を皮で、あの皮を紙の厚さにむいて、製造して、工夫をして、上げたそうだ。すると、「非常においしかった。こんなおいしい物は、食べたことない。」と、王様はおっしゃった。芋の皮だけど、中味でもない、芋の皮で料理したものだが、持においしい。ただの皮だけどね。それで皮に栄養分が、あるといわれるのはそういうたとえからじゃないかな、はっきりわからないが…。芋の皮だから自分達の食べ残した皮から、それを製造して、王様に上げたら、「大変おいしい、こんなおいしいものをまだ食べたことがない。」と、おっしゃって喜ばれた。それから、王様は自分のお宅へ帰られて、家来達に「私は田舎で、こういうわけで芋を食べたが、あのような御馳走つくって、食べさせてくれ。」と、言われた。そしたらどんなに、おいしそうに作って、持って行っても、「これでもない、あれでもない。」と返されたようだ。それで、どんな物かその人に聞こうではないか。」と言い家来達は話し合った。そして、その人を連れて来て、聞いて見ると、それは、言いにくいのでしょう。「いや、何でもいいから話してくれ。」と家来達に言われた。「芋の皮から、実は、こうこうで、製造して、さし上げたんです。」と話したので、「お前はえらい王様に、そんな物をお前達が、食べた後の芋の皮を、料理して上げたとは、けしからん、打ち首の咎(とが)だ。」と言い、ついには、打ち首に当てられてしまった。そうして、打ち首する場所に、この王様が、いらして御覧になったので「なぜだ」と理由を聞かれた。「こういうわけです。」と家来達が答えると、「これは、あの場合のことは、打ち首する必要はない、かえってお前達が、打ち首されるんじゃ。」とおっしゃった。そこで、この王様に芋の皮を食べさせ打ち首の咎にあてられた人は、上の位にあげられ、そこの家来達は、位をさげられたとの伝え話である。
| レコード番号 | 47O371228 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C053 |
| 決定題名 | 空腹食事(方言) |
| 話者がつけた題名 | 空腹食事 |
| 話者名 | 仲宗根徳真 |
| 話者名かな | なかそねとくしん |
| 生年月日 | 19051225 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第7班 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T02A14 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P210 |
| キーワード | 王様,田舎,金持,貧乏人,神様同様,芋を皮で料理,非常においしい,御馳走,打ち首 |
| 梗概(こうがい) | 王様が、この田舎に、おいでになった時に、何という王様だったかは知らないが。それで、「一晩あなたの家に泊めてくれないか。」と頼んだが、「こんな汚ない家には、お客様を泊めて上げたら失礼になりますから。」と、断わったわけですね。先ずそうだが、この王様には、宿泊する場所がなかったので、泊めて下さいとおっしゃった。田舎廻りで各家庭を歩いて、廻られたときであった。それで、あるところへ行かれたら、「人は泊めない」と、お金持の人には断わられ、貧乏人の家に行くと、「こっちに泊まって下さい」と、泊めてくれた。もうその人は神様同様に、王様のことだから泊めてあげた。しかし何も、差し上げるのが無くて、芋を皮で、あの皮を紙の厚さにむいて、製造して、工夫をして、上げたそうだ。すると、「非常においしかった。こんなおいしい物は、食べたことない。」と、王様はおっしゃった。芋の皮だけど、中味でもない、芋の皮で料理したものだが、持においしい。ただの皮だけどね。それで皮に栄養分が、あるといわれるのはそういうたとえからじゃないかな、はっきりわからないが…。芋の皮だから自分達の食べ残した皮から、それを製造して、王様に上げたら、「大変おいしい、こんなおいしいものをまだ食べたことがない。」と、おっしゃって喜ばれた。それから、王様は自分のお宅へ帰られて、家来達に「私は田舎で、こういうわけで芋を食べたが、あのような御馳走つくって、食べさせてくれ。」と、言われた。そしたらどんなに、おいしそうに作って、持って行っても、「これでもない、あれでもない。」と返されたようだ。それで、どんな物かその人に聞こうではないか。」と言い家来達は話し合った。そして、その人を連れて来て、聞いて見ると、それは、言いにくいのでしょう。「いや、何でもいいから話してくれ。」と家来達に言われた。「芋の皮から、実は、こうこうで、製造して、さし上げたんです。」と話したので、「お前はえらい王様に、そんな物をお前達が、食べた後の芋の皮を、料理して上げたとは、けしからん、打ち首の咎(とが)だ。」と言い、ついには、打ち首に当てられてしまった。そうして、打ち首する場所に、この王様が、いらして御覧になったので「なぜだ」と理由を聞かれた。「こういうわけです。」と家来達が答えると、「これは、あの場合のことは、打ち首する必要はない、かえってお前達が、打ち首されるんじゃ。」とおっしゃった。そこで、この王様に芋の皮を食べさせ打ち首の咎にあてられた人は、上の位にあげられ、そこの家来達は、位をさげられたとの伝え話である。 |
| 全体の記録時間数 | 2:21 |
| 物語の時間数 | 2:21 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |