糸満で大変に貧乏者だが、親孝行者がいた。鹿児島の大和人からお金を借りたが、返済日が来ても返す事は出来なかった。貸した人は鹿児島の松田とかいっていたが、その人がとり立てにいく度通っても払ってくれないもんだからそこで殺そうとした。あやうく、娘が出て来て「腹が立っても手を出すな手が出そうになったら怒りを静めよ。」という諺(ことわざ)を話した。「あ、そうかなあ。」と娘の言うことをがまんして聞いた。そして、自分の家に帰って行った。鹿児島では、自分の妻、奥さんが男と二人して寝ているのを見て、その夫はすぐさま刀を抜いて殺そうとした。待てよ、沖縄の娘が言った言葉を思い出し、「ああ、人間は、腹が立っても手を出すな手が出そうになったら怒りを静めよとある。あんなに言っていた。」と思い出した。とにかく、何であろうとまず起こしてみて、それから考えようと思った。起こしてみれば男に見えたのは、お母さんであった。それで、「何故、こんな事を。」と聞けば「お前の留守中はね、私は男になって寝ないと、もし悪者でも来てお前がいないと聞き、大事になったら大変だからこんなにしたんだよ。」と説いた。「それはそうでしたか。」と納得した。もう貸したお金はとらないでも良いと、糸満に行った。「私は(あのことばのおかげで)親の命を救ったので、その金はとらない。貴方に上げるよ。」と上げた。(糸満の方は)その金を白銀堂に埋めた。それから、皆が拝むようになったということである。
| レコード番号 | 47O371202 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C053 |
| 決定題名 | 白銀堂の由来(方言) |
| 話者がつけた題名 | 白銀堂由来 |
| 話者名 | 新垣小松 |
| 話者名かな | あらかきこまつ |
| 生年月日 | 19120205 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19770508 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第7班 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T01B17 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P173 |
| キーワード | 糸満,貧乏者で親孝行者,鹿児島の大和人から借金,返せない,殺そうとした,娘,腹が立っても手を出すな手が出そうになったら怒りを静めよ,諺,妻,男,母,白銀堂 |
| 梗概(こうがい) | 糸満で大変に貧乏者だが、親孝行者がいた。鹿児島の大和人からお金を借りたが、返済日が来ても返す事は出来なかった。貸した人は鹿児島の松田とかいっていたが、その人がとり立てにいく度通っても払ってくれないもんだからそこで殺そうとした。あやうく、娘が出て来て「腹が立っても手を出すな手が出そうになったら怒りを静めよ。」という諺(ことわざ)を話した。「あ、そうかなあ。」と娘の言うことをがまんして聞いた。そして、自分の家に帰って行った。鹿児島では、自分の妻、奥さんが男と二人して寝ているのを見て、その夫はすぐさま刀を抜いて殺そうとした。待てよ、沖縄の娘が言った言葉を思い出し、「ああ、人間は、腹が立っても手を出すな手が出そうになったら怒りを静めよとある。あんなに言っていた。」と思い出した。とにかく、何であろうとまず起こしてみて、それから考えようと思った。起こしてみれば男に見えたのは、お母さんであった。それで、「何故、こんな事を。」と聞けば「お前の留守中はね、私は男になって寝ないと、もし悪者でも来てお前がいないと聞き、大事になったら大変だからこんなにしたんだよ。」と説いた。「それはそうでしたか。」と納得した。もう貸したお金はとらないでも良いと、糸満に行った。「私は(あのことばのおかげで)親の命を救ったので、その金はとらない。貴方に上げるよ。」と上げた。(糸満の方は)その金を白銀堂に埋めた。それから、皆が拝むようになったということである。 |
| 全体の記録時間数 | 1:49 |
| 物語の時間数 | 1:49 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |