首里の金城に兄妹が暮らしていた。この兄さんというのが、(ひどい)道楽者で、家をとび出して、ほら穴に住みつく様になった。すると、妹は、「どんな事をしても、兄さんを改心させなくては。」と思った。人間と言わず手あたり次第喰ってしまうのだから。そこで妹は、(兄を)改心させるために苦心し、隣近所の人たちに集まってもらった。「それじゃ、餅を作って持って行って、瓦と餅をこうして(一緒にして)つき出してごらん。餅と瓦との区別もつかずにバリバリ食べる様なら、もう彼は直る見込みはないよ。」という話し合いがなされた。「そうしてみよう。」と言って、妹が(餅を)作って持って行くと、なんと餅なのか瓦なのかも分らずに、バリバリ食べたそうな。(それを見た)妹は、「もう兄さんは、元に戻る見込みはないんだ。」と思った。そして、再び家に帰って餅を作り、(今度は)裸になって、その(ほら穴)に持って行くと、もう鬼になってしまっていたんだよにいさんは。人間も喰ってしまうんだからね。髪もボーボーとのびてね。それで、餅をみて、その鬼が「これは何だ」と言った。「それは餅だよ。人の食べる餅さ。」そうしたら、(妹は)裸になって行ったのだから、陰部をさして、「じゃ、これはなんだ。」と言ったそうだ。「これは鬼を喰う口だよ。」と言った途端(鬼は)崖の方へ後ずさりをした。鬼を喰うと言ったからね。どんどん後ずさりして、たちまち崖の下に転落してしまい、(とうとう)死んでしまったそうだ。それ以来、(ムーチーのことを)ホーハイムーチーと呼ぶようになったそうだよ。
| レコード番号 | 47O371190 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C052 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(方言) |
| 話者がつけた題名 | シワーシムーチーの話 |
| 話者名 | 新垣小松 |
| 話者名かな | あらかきこまつ |
| 生年月日 | 19120205 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村儀間 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第7班 |
| 元テープ番号 | 読谷村儀間T01B06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お祖父さん |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集5儀間の民話 P24 |
| キーワード | 首里の金城に兄妹,兄は道楽者,ほら穴に住む,人間を喰う,餅と瓦,裸,鬼,人の食べる餅,陰部,鬼を喰う口,)崖へ後ずさり,ホーハイムーチーだよ。 |
| 梗概(こうがい) | 首里の金城に兄妹が暮らしていた。この兄さんというのが、(ひどい)道楽者で、家をとび出して、ほら穴に住みつく様になった。すると、妹は、「どんな事をしても、兄さんを改心させなくては。」と思った。人間と言わず手あたり次第喰ってしまうのだから。そこで妹は、(兄を)改心させるために苦心し、隣近所の人たちに集まってもらった。「それじゃ、餅を作って持って行って、瓦と餅をこうして(一緒にして)つき出してごらん。餅と瓦との区別もつかずにバリバリ食べる様なら、もう彼は直る見込みはないよ。」という話し合いがなされた。「そうしてみよう。」と言って、妹が(餅を)作って持って行くと、なんと餅なのか瓦なのかも分らずに、バリバリ食べたそうな。(それを見た)妹は、「もう兄さんは、元に戻る見込みはないんだ。」と思った。そして、再び家に帰って餅を作り、(今度は)裸になって、その(ほら穴)に持って行くと、もう鬼になってしまっていたんだよにいさんは。人間も喰ってしまうんだからね。髪もボーボーとのびてね。それで、餅をみて、その鬼が「これは何だ」と言った。「それは餅だよ。人の食べる餅さ。」そうしたら、(妹は)裸になって行ったのだから、陰部をさして、「じゃ、これはなんだ。」と言ったそうだ。「これは鬼を喰う口だよ。」と言った途端(鬼は)崖の方へ後ずさりをした。鬼を喰うと言ったからね。どんどん後ずさりして、たちまち崖の下に転落してしまい、(とうとう)死んでしまったそうだ。それ以来、(ムーチーのことを)ホーハイムーチーと呼ぶようになったそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:42 |
| 物語の時間数 | 1:42 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |