(モーイ親方は)首里城に仕えていらっしゃる人の言わば長男だったんだね。そして、そ首里城でのお勤めの際に、沖繩は鹿児島に戦争で負けたので、向こうから注文をつけられたわけだ、鹿児島からね。それで、もう首里勤めしていらっしゃる人達が全員集まって、それ(難題)をどうして解こうかということになった。(モーイの親方)家に帰ってからも頭を痛めていたら、「それぐらいの事も解からないのか。」とモーイは言ったようだね。言わば、モーイという人は、皆からは気違い見られていたようだが、頭はきれる者だったんだね。ところで、鹿児島からの御用は、「雄鶏の卵、それから灰縄御用」となっていたようだね。そうして、本当なら首里から鹿児島にそれを持って行くのは、親の仕事だけれども、「じゃあ、私が行こう。」と言って、そのモーイが行くことになった。すると、「何故か、君ではない。親に(難題を)言いつけたのに。」と一、他ら、「お父さんは産気づき来れません。」と言ったようだ。そしたら、そこの王様が、「男にも子供が産めるか。」と言ったので、「それでは雄鶏の卵がありますから。」と言い返したようだね。そこで、(王様は)「それじゃそれでいい。灰縄御用はどうなっているのか。」(と言った)(モーイは。)縄を綯ってそこに置き、火をつけ、「これがき灰縄 御用」(と言ったので)「そうか、それもよい。」また、もう一司は恩納の山(の問題)があるでしょう。これも「そのまま持ってこい。」と言った。(これもモーイが)「それでは、沖繩には(山を)壊す道具と、またこれを持ってくる船がないので、この二つはこちらから持たせて下さい。」と言った。もうそれ(山)を全部壊す道具はないでしょう。「ああそれもよい。」ということになった。(そこで王様がモーイに)「それでは全部お前に負けたから、お前に御褒美をやるからお前が欲しい物何でもすやるよ。」と言ったので、「私は一日、今日此処の王になりたい。」と言った。するとそれも仕方がない。それが王様の言った言葉だったので、モーイを一日王にしてやった。(モーイは)「この張簿を持って来なさい。」と言って、沖繩からの上納やち何やらを、もう全部焼き捨ててしまったので、その後、沖繩ともう上納を免れたという話があるんだよ。これも伝え話を聞いたんだよ。
| レコード番号 | 47O370898 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C040 |
| 決定題名 | モーイ親方と王様の難題(方言) |
| 話者がつけた題名 | モーイ親方 |
| 話者名 | 新垣新輝 |
| 話者名かな | あらかきしんき |
| 生年月日 | 19080815 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村伊良皆 |
| 記録日 | 19770223 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第10班 |
| 元テープ番号 | 読谷村伊良皆T04A06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集1伊良皆の民話 P176 |
| キーワード | モーイ親方,首里城,長男,沖繩,鹿児島,戦争で負けた,注文,首里勤め,難題,御用,雄鶏の卵,灰縄御用,産気づく,縄を綯って火をつけ,恩納山,山を壊す道具,運ぶ船,御褒美,一日王,上納 |
| 梗概(こうがい) | (モーイ親方は)首里城に仕えていらっしゃる人の言わば長男だったんだね。そして、そ首里城でのお勤めの際に、沖繩は鹿児島に戦争で負けたので、向こうから注文をつけられたわけだ、鹿児島からね。それで、もう首里勤めしていらっしゃる人達が全員集まって、それ(難題)をどうして解こうかということになった。(モーイの親方)家に帰ってからも頭を痛めていたら、「それぐらいの事も解からないのか。」とモーイは言ったようだね。言わば、モーイという人は、皆からは気違い見られていたようだが、頭はきれる者だったんだね。ところで、鹿児島からの御用は、「雄鶏の卵、それから灰縄御用」となっていたようだね。そうして、本当なら首里から鹿児島にそれを持って行くのは、親の仕事だけれども、「じゃあ、私が行こう。」と言って、そのモーイが行くことになった。すると、「何故か、君ではない。親に(難題を)言いつけたのに。」と一、他ら、「お父さんは産気づき来れません。」と言ったようだ。そしたら、そこの王様が、「男にも子供が産めるか。」と言ったので、「それでは雄鶏の卵がありますから。」と言い返したようだね。そこで、(王様は)「それじゃそれでいい。灰縄御用はどうなっているのか。」(と言った)(モーイは。)縄を綯ってそこに置き、火をつけ、「これがき灰縄 御用」(と言ったので)「そうか、それもよい。」また、もう一司は恩納の山(の問題)があるでしょう。これも「そのまま持ってこい。」と言った。(これもモーイが)「それでは、沖繩には(山を)壊す道具と、またこれを持ってくる船がないので、この二つはこちらから持たせて下さい。」と言った。もうそれ(山)を全部壊す道具はないでしょう。「ああそれもよい。」ということになった。(そこで王様がモーイに)「それでは全部お前に負けたから、お前に御褒美をやるからお前が欲しい物何でもすやるよ。」と言ったので、「私は一日、今日此処の王になりたい。」と言った。するとそれも仕方がない。それが王様の言った言葉だったので、モーイを一日王にしてやった。(モーイは)「この張簿を持って来なさい。」と言って、沖繩からの上納やち何やらを、もう全部焼き捨ててしまったので、その後、沖繩ともう上納を免れたという話があるんだよ。これも伝え話を聞いたんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:17 |
| 物語の時間数 | 3:17 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |