この、名護の親方の殿内を造る時に、名護殿内を。大工を頼んだら、大工に、大工を頼んだらしい。頼んだら、「もう、殿内の普請だから、今度は御馳走になれる。こんなに大きな名護殿内の普請だもの、御馳走になれる。」と思い、そこの使用人達も大工達も、みんな誇りに思っていたらしい。あんなに誇りにしたが、この三時のお茶も、十時のお茶も、ラッキョウだけが出された。天ぷらなども揚げだしてくれるかと思えば、そうはせずに、ただラッキョウとお茶だけが出された。この時から怒って、大工は怒って、「これは、こんなに大きな名護殿内の普請を手がけていながら、個人でさえも、天ぷらを揚げたり何したり、あれこれするのに。ただラッキョウとお茶とだけを出して、これはこうしてはいけない。」といって、「これは、いたずらしてやれ。」といって、床柱を逆さに立てておいたそうだ。もう、その名護殿内の親方さまは、知っているが、「これは逆柱を立てたんだなあ。」と知っているのだが、我慢してね。我慢して仕上げてみたんだね、普請は。仕上げてしまったので、もうこれからは手間賃の計算をしたらしい。手間賃の計算をみてみると、この昼のお茶請けとか、十時のお茶請けとかの計算も、いちいち(手間計算の中に)計算されていた。大工たちは、もうがっくりして、「これは現金で計算したんだなあ。品物でするとなると経費がかかるので、現金にして計算してくれたんだなあ。」と思い、その時になって後になって後悔したらしい、大工たちは。それでもう、仕上げ、落成祝いの日になって、手間賃の計算をし、お祝いをするともう、(大工が)「これは、一つ間違った事がありまして、これは今から直して差し上げますので、もう、私たちがわるいですので、この床柱を抜ぎ換えて差し上げましょうと、親方さまに願うと、「ああ良い。それは私もよく知っている。それは逆柱をたてたからといってなに、それは嫌がるものではない。私が済ませば済むことだから、今日は裕々と酒も飲んで、さあ祝ってくれ。家の落成祝いをやってくれ。」と(名護親方)が言った。(大工は)もう酔ったふりをして、(わざと)傷つけたらしい、手でその床柱を、逆さにした柱を。(そこで大工は名護親方に)「この柱は傷が入っているから、もう、抜ぎ換えて差し上げなければいけません。」と願い出たらしい。「いや、それはいい。私の気が済めば済むことだから。今から抜き換えるというと家の強みがなくなるので、それでいいから、貴方がたも我慢してくれよ。」と言って済ませたという話。
| レコード番号 | 47O370801 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C037 |
| 決定題名 | 名護親方と大工(方言) |
| 話者がつけた題名 | 名護親方と大工 |
| 話者名 | 伊波蒲戸 |
| 話者名かな | いはかまど |
| 生年月日 | 18940613 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村伊良皆 |
| 記録日 | 19770223 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第1班 |
| 元テープ番号 | 読谷村伊良皆T01A12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 芝居 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集1伊良皆の民話 P152 |
| キーワード | 名護親方の殿内,大工,御馳走,天ぷら,ラッキョウとお茶,手間賃,酒,家の落成祝い,酔ったふり,逆さの床柱,大工,柱に傷 |
| 梗概(こうがい) | この、名護の親方の殿内を造る時に、名護殿内を。大工を頼んだら、大工に、大工を頼んだらしい。頼んだら、「もう、殿内の普請だから、今度は御馳走になれる。こんなに大きな名護殿内の普請だもの、御馳走になれる。」と思い、そこの使用人達も大工達も、みんな誇りに思っていたらしい。あんなに誇りにしたが、この三時のお茶も、十時のお茶も、ラッキョウだけが出された。天ぷらなども揚げだしてくれるかと思えば、そうはせずに、ただラッキョウとお茶だけが出された。この時から怒って、大工は怒って、「これは、こんなに大きな名護殿内の普請を手がけていながら、個人でさえも、天ぷらを揚げたり何したり、あれこれするのに。ただラッキョウとお茶とだけを出して、これはこうしてはいけない。」といって、「これは、いたずらしてやれ。」といって、床柱を逆さに立てておいたそうだ。もう、その名護殿内の親方さまは、知っているが、「これは逆柱を立てたんだなあ。」と知っているのだが、我慢してね。我慢して仕上げてみたんだね、普請は。仕上げてしまったので、もうこれからは手間賃の計算をしたらしい。手間賃の計算をみてみると、この昼のお茶請けとか、十時のお茶請けとかの計算も、いちいち(手間計算の中に)計算されていた。大工たちは、もうがっくりして、「これは現金で計算したんだなあ。品物でするとなると経費がかかるので、現金にして計算してくれたんだなあ。」と思い、その時になって後になって後悔したらしい、大工たちは。それでもう、仕上げ、落成祝いの日になって、手間賃の計算をし、お祝いをするともう、(大工が)「これは、一つ間違った事がありまして、これは今から直して差し上げますので、もう、私たちがわるいですので、この床柱を抜ぎ換えて差し上げましょうと、親方さまに願うと、「ああ良い。それは私もよく知っている。それは逆柱をたてたからといってなに、それは嫌がるものではない。私が済ませば済むことだから、今日は裕々と酒も飲んで、さあ祝ってくれ。家の落成祝いをやってくれ。」と(名護親方)が言った。(大工は)もう酔ったふりをして、(わざと)傷つけたらしい、手でその床柱を、逆さにした柱を。(そこで大工は名護親方に)「この柱は傷が入っているから、もう、抜ぎ換えて差し上げなければいけません。」と願い出たらしい。「いや、それはいい。私の気が済めば済むことだから。今から抜き換えるというと家の強みがなくなるので、それでいいから、貴方がたも我慢してくれよ。」と言って済ませたという話。 |
| 全体の記録時間数 | 4:51 |
| 物語の時間数 | 4:51 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |