昔、首里であったことだよ。もとは尾類であった人が、逆立ち幽霊になって現れた。その尾類はある殿内の人と(恋仲になり)「互いにいつまでもいっしょだよ。」と、約束していた。しかし、その尾類は急に病にかかり、亡くなってしまった。二人は、「互いに一つだ、(死んでからも)一緒だよ。」と約束はしてあった。ところが男は、尾類が先に亡くなってしまったのでもう一大事だ、自分もまた(あの世へ)連れていかれはしないかと思い、尾類を逆立ちして葬むれば自分は助かると思い、女を逆立ちにして葬むった。それからまた、ある首里の侍が、〈どこの殿内の方だったか分らないが〉この侍も、いつも遊郭に通っていた。すると、この侍が家へ帰ろうとするたびに、道中で逆立ちした女がいた。もう何度、この逆立ちした女に出会ったか分らないくらいであった。そして、その殿内の里之子が、「なぜ、どんな理由があって、お前は逆立ちして立っているのか、何の思いがあるのか。」と聞いた。「私は、こうこうでなじみのお客と相談してあったが、私が先に死んでしまったので、私をりっぱに葬むると私がその人を連れに来るのかと思って、このように逆さにして葬むられてしまった。」と言った。「そうか、お前は私がりっぱに直してあげるからね、これからは立ったりするなよ。」といい、その人がりっぱに直して葬ってあげたということだ。それから、りっぱに葬むってあげたわけだが、また里之子がそこを通ると、また逆立ちになって出てきたそうだ。「なぜお前は、これからは立たないと約束してあるのに、また出てきたのか。」と言った。「いや、貴方に恩義をかえそうと思って立っているんです。(そのお礼として)あなたの風水を見てあげましょう。」と言った。「私の風水をお前がみてくれるのか。」「これから、どこそこへいらっしゃって、そこで風水をして下さい。」と、いい、その逆立ち幽霊も一緒に行き、「ここにして下さい。」と、教えたそうだ。 それから、その幽霊が風水をみてくれた所は、とてもいい所だった。その風水をとるとき、掘ってみるとそこから鯉が二匹出てきた。しかし鯉は二匹であったが、一匹はその大工たちがとり出そうとして殺してしまった。もう一匹は、ちゃんと生きたままとり出すことができたという話だ。その後、その家庭はいつも大和との政務を司る人がでられた。親がそのアシタビになられると、子供は、その役にはなれなかったが、今度は孫がその役につかれ、とても裕福に暮らした。とても幸福な家庭になったとの話だ。私が六年生の頃、歴史の竹原アンジュン先生から聞いた話です。
| レコード番号 | 47O370785 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C036 |
| 決定題名 | 逆立ち幽霊(方言) |
| 話者がつけた題名 | 逆立ち幽霊 |
| 話者名 | 神谷カマド |
| 話者名かな | かみやかまど |
| 生年月日 | 19020608 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19810425 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T10B11 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | んかし |
| 伝承事情 | 歴史の竹原先生 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P285 |
| キーワード | 昔、首里であったことだよ。もとは尾類であった人が、逆立ち幽霊になって現れた。その尾類はある殿内の人と(恋仲になり)「互いにいつまでもいっしょだよ。」と、約束していた。しかし、その尾類は急に病にかかり、亡くなってしまった。二人は、「互いに一つだ、(死んでからも)一緒だよ。」と約束はしてあった。ところが男は、尾類が先に亡くなってしまったのでもう一大事だ、自分もまた(あの世へ)連れていかれはしないかと思い、尾類を逆立ちして葬むれば自分は助かると思い、女を逆立ちにして葬むった。それからまた、ある首里の侍が、〈どこの殿内の方だったか分らないが〉この侍も、いつも遊郭に通っていた。すると、この侍が家へ帰ろうとするたびに、道中で逆立ちした女がいた。もう何度、この逆立ちした女に出会ったか分らないくらいであった。そして、その殿内の里之子が、「なぜ、どんな理由があって、お前は逆立ちして立っているのか、何の思いがあるのか。」と聞いた。「私は、こうこうでなじみのお客と相談してあったが、私が先に死んでしまったので、私をりっぱに葬むると私がその人を連れに来るのかと思って、このように逆さにして葬むられてしまった。」と言った。「そうか、お前は私がりっぱに直してあげるからね、これからは立ったりするなよ。」といい、その人がりっぱに直して葬ってあげたということだ。それから、りっぱに葬むってあげたわけだが、また里之子がそこを通ると、また逆立ちになって出てきたそうだ。「なぜお前は、これからは立たないと約束してあるのに、また出てきたのか。」と言った。「いや、貴方に恩義をかえそうと思って立っているんです。(そのお礼として)あなたの風水を見てあげましょう。」と言った。「私の風水をお前がみてくれるのか。」「これから、どこそこへいらっしゃって、そこで風水をして下さい。」と、いい、その逆立ち幽霊も一緒に行き、「ここにして下さい。」と、教えたそうだ。,それから、その幽霊が風水をみてくれた所は、とてもいい所だった。その風水をとるとき、掘ってみるとそこから鯉が二匹出てきた。しかし鯉は二匹であったが、一匹はその大工たちがとり出そうとして殺してしまった。もう一匹は、ちゃんと生きたままとり出すことができたという話だ。その後、その家庭はいつも大和との政務を司る人がでられた。親がそのアシタビになられると、子供は、その役にはなれなかったが、今度は孫がその役につかれ、とても裕福に暮らした。とても幸福な家庭になったとの話だ。私が六年生の頃、歴史の竹原アンジュン先生から聞いた話です。 |
| 梗概(こうがい) | 昔、首里であったことだよ。もとは尾類であった人が、逆立ち幽霊になって現れた。その尾類はある殿内の人と(恋仲になり)「互いにいつまでもいっしょだよ。」と、約束していた。しかし、その尾類は急に病にかかり、亡くなってしまった。二人は、「互いに一つだ、(死んでからも)一緒だよ。」と約束はしてあった。ところが男は、尾類が先に亡くなってしまったのでもう一大事だ、自分もまた(あの世へ)連れていかれはしないかと思い、尾類を逆立ちして葬むれば自分は助かると思い、女を逆立ちにして葬むった。それからまた、ある首里の侍が、〈どこの殿内の方だったか分らないが〉この侍も、いつも遊郭に通っていた。すると、この侍が家へ帰ろうとするたびに、道中で逆立ちした女がいた。もう何度、この逆立ちした女に出会ったか分らないくらいであった。そして、その殿内の里之子が、「なぜ、どんな理由があって、お前は逆立ちして立っているのか、何の思いがあるのか。」と聞いた。「私は、こうこうでなじみのお客と相談してあったが、私が先に死んでしまったので、私をりっぱに葬むると私がその人を連れに来るのかと思って、このように逆さにして葬むられてしまった。」と言った。「そうか、お前は私がりっぱに直してあげるからね、これからは立ったりするなよ。」といい、その人がりっぱに直して葬ってあげたということだ。それから、りっぱに葬むってあげたわけだが、また里之子がそこを通ると、また逆立ちになって出てきたそうだ。「なぜお前は、これからは立たないと約束してあるのに、また出てきたのか。」と言った。「いや、貴方に恩義をかえそうと思って立っているんです。(そのお礼として)あなたの風水を見てあげましょう。」と言った。「私の風水をお前がみてくれるのか。」「これから、どこそこへいらっしゃって、そこで風水をして下さい。」と、いい、その逆立ち幽霊も一緒に行き、「ここにして下さい。」と、教えたそうだ。 それから、その幽霊が風水をみてくれた所は、とてもいい所だった。その風水をとるとき、掘ってみるとそこから鯉が二匹出てきた。しかし鯉は二匹であったが、一匹はその大工たちがとり出そうとして殺してしまった。もう一匹は、ちゃんと生きたままとり出すことができたという話だ。その後、その家庭はいつも大和との政務を司る人がでられた。親がそのアシタビになられると、子供は、その役にはなれなかったが、今度は孫がその役につかれ、とても裕福に暮らした。とても幸福な家庭になったとの話だ。私が六年生の頃、歴史の竹原アンジュン先生から聞いた話です。 |
| 全体の記録時間数 | 4:26 |
| 物語の時間数 | 4:26 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |