千年蛇(方言)

概要

ハブは孵化(ふか)してから人に見つからなければ、千年は生きるといわれている。それから天に上って竜になるつもりでいたらしいね。ところが、多幸山のある山道で、ハブが、今日は天に上る日だからと、こうして松の下で上る身構えをしているのを、ある人に見られてしまったそうなんだ。見つかったものだから、ハブは「私は、君に見つからなければ、今日は天に上って竜になるつもりでいたものを、君に見つかったからには、残念だが、今日は上れないわい。」と言った。またその人は、「私は見たなどとは言わないから上ってくれ、私は口を閉じて、絶対に見たなどとは言わないからね。」と言ったので、ハブは天に上って行って、竜になったそうな。ところが、この約束をした人は、(その秘密を)もらしてしまった。「実は、私は今から幾日か前に、ハブが竜になるために、木の下にいるところを(見たのだが)見なかったことにすると、約束したのだが私が見たあのハブは今頃きっと竜になっていることだろう。」と、仲間に話してしまった。これはもう当然天まで届くでしょうよ。天に届いたものだから、この竜は自分のしっ尾に喰いついて、この秘密をもらしてしまった男の家の庭に落ちてしまったそうだ。「もう駄目だ、天で暮らすことは出来ない。」と言ってね。

再生時間:1:30

民話詳細DATA

レコード番号 47O370768
CD番号 47O37C035
決定題名 千年蛇(方言)
話者がつけた題名 千年蛇
話者名 当山カナ
話者名かな とうやまかな
生年月日 19031015
性別
出身地 沖縄県読谷村瀬名波
記録日 19810425
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村瀬名波T10A16
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード ハブ,千年,天,竜,多幸山,天に上った,しっ尾,庭に落ちた
梗概(こうがい) ハブは孵化(ふか)してから人に見つからなければ、千年は生きるといわれている。それから天に上って竜になるつもりでいたらしいね。ところが、多幸山のある山道で、ハブが、今日は天に上る日だからと、こうして松の下で上る身構えをしているのを、ある人に見られてしまったそうなんだ。見つかったものだから、ハブは「私は、君に見つからなければ、今日は天に上って竜になるつもりでいたものを、君に見つかったからには、残念だが、今日は上れないわい。」と言った。またその人は、「私は見たなどとは言わないから上ってくれ、私は口を閉じて、絶対に見たなどとは言わないからね。」と言ったので、ハブは天に上って行って、竜になったそうな。ところが、この約束をした人は、(その秘密を)もらしてしまった。「実は、私は今から幾日か前に、ハブが竜になるために、木の下にいるところを(見たのだが)見なかったことにすると、約束したのだが私が見たあのハブは今頃きっと竜になっていることだろう。」と、仲間に話してしまった。これはもう当然天まで届くでしょうよ。天に届いたものだから、この竜は自分のしっ尾に喰いついて、この秘密をもらしてしまった男の家の庭に落ちてしまったそうだ。「もう駄目だ、天で暮らすことは出来ない。」と言ってね。
全体の記録時間数 1:30
物語の時間数 1:30
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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