マカーは、主人の使いで海へ潮水を汲みに行かされた。途中で、ハブが焼けるのを見たので汲んで来た潮水をかけて消した。焼けているハブがかわいそうで、使いの途中ではあったが助けてやった。(そのために)また(潮を)汲みに行かねば、汲みなおさなければならなくなり、海へ潮を汲みに行った。すると主人は、「どうしたんだ。お前は、潮を汲みに行かすと、こんなに長い時間かかって。」と、吃りとばした。「もう、こうこうで、ハブが焼けるのを見てしまい‥‥。」と言うと、「ハブがどうなろうと関係ない。それを助ける人がどこにいるか。」と言った。その晩のこと、マカーの主人はハブに咬まれてしまった。〈昔から、神の使いはいると、昔の人は言っておられたが〉それで、主人はもう「痛いよう!。」と、凄く苦しんだ。(それを見た)マカーが側に行って「そんなに痛いんですか。」と、同情して座っていると痛みはとれるのだが、また、「仕事をしなさい。」と仕事をいいつけると、その痛みはますますひどくなった。しかし、主人の痛みはどうしようもなくなり、またマカーが立って来て、「それほど痛いのですか、もうどうしましょうか。」と、心配して座っていると、また痛みはとれたりした。「ああこれは、お前がハブを助けたと言っていたが、きっとそのハブが来て私を咬んだはずだ。お前が助けたハブは、ちゃんと生きていたか。」「はい、生きて逃げて行きました。」と。「やはり、お前が助けたハブが私を咬んだにちがいない。」と。「ハブにも何か分るでしょうか、ただ、かわいそうなので助けてあげただけですが。」と言ってマカーは謝った。やはり、マカーが側に座っている間は、痛みはとれていたようだ。それから、「ハブは神の使いなんだなあ、ハブだからとて、見殺しにすることはできないね。」ということがわかった。与那原のマカーは、神の使いであるハブを助けた時から、身代金としての女中奉公もしなくて済んだようだ。〈身代金のことをドゥシルと言ったのかな昔は〉ドゥシルのための女中奉公もしなくて済み(マカー)は家に帰ることが出来たそうだよ。本当にハブはそうかも知れないね。そこらにいるからといってただものではない。若者に言わすと「ハブが神の使いといえるか。」などと言うがね。
| レコード番号 | 47O370752 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C035 |
| 決定題名 | ヘビ報恩(方言) |
| 話者がつけた題名 | 与那原マカー |
| 話者名 | 当山節子 |
| 話者名かな | とうやませつこ |
| 生年月日 | 19151014 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19810424 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T10A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P41 |
| キーワード | 主人の使い,潮水汲み,ハブ焼け,主人はハブに咬まれた,ハブは神の使い,与那原のマカー,神の使いのハブ,身代金,女中奉公 |
| 梗概(こうがい) | マカーは、主人の使いで海へ潮水を汲みに行かされた。途中で、ハブが焼けるのを見たので汲んで来た潮水をかけて消した。焼けているハブがかわいそうで、使いの途中ではあったが助けてやった。(そのために)また(潮を)汲みに行かねば、汲みなおさなければならなくなり、海へ潮を汲みに行った。すると主人は、「どうしたんだ。お前は、潮を汲みに行かすと、こんなに長い時間かかって。」と、吃りとばした。「もう、こうこうで、ハブが焼けるのを見てしまい‥‥。」と言うと、「ハブがどうなろうと関係ない。それを助ける人がどこにいるか。」と言った。その晩のこと、マカーの主人はハブに咬まれてしまった。〈昔から、神の使いはいると、昔の人は言っておられたが〉それで、主人はもう「痛いよう!。」と、凄く苦しんだ。(それを見た)マカーが側に行って「そんなに痛いんですか。」と、同情して座っていると痛みはとれるのだが、また、「仕事をしなさい。」と仕事をいいつけると、その痛みはますますひどくなった。しかし、主人の痛みはどうしようもなくなり、またマカーが立って来て、「それほど痛いのですか、もうどうしましょうか。」と、心配して座っていると、また痛みはとれたりした。「ああこれは、お前がハブを助けたと言っていたが、きっとそのハブが来て私を咬んだはずだ。お前が助けたハブは、ちゃんと生きていたか。」「はい、生きて逃げて行きました。」と。「やはり、お前が助けたハブが私を咬んだにちがいない。」と。「ハブにも何か分るでしょうか、ただ、かわいそうなので助けてあげただけですが。」と言ってマカーは謝った。やはり、マカーが側に座っている間は、痛みはとれていたようだ。それから、「ハブは神の使いなんだなあ、ハブだからとて、見殺しにすることはできないね。」ということがわかった。与那原のマカーは、神の使いであるハブを助けた時から、身代金としての女中奉公もしなくて済んだようだ。〈身代金のことをドゥシルと言ったのかな昔は〉ドゥシルのための女中奉公もしなくて済み(マカー)は家に帰ることが出来たそうだよ。本当にハブはそうかも知れないね。そこらにいるからといってただものではない。若者に言わすと「ハブが神の使いといえるか。」などと言うがね。 |
| 全体の記録時間数 | 2:56 |
| 物語の時間数 | 2:56 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |