鬼というものはいない、人間が気が狂って鬼になる。それで、首里だったか町方だったか(分らないが)鎌を持って歩いていたでしょう。昔は、子供たちが(小さな)子をおぶって歩くときは、鎌を持っていたんだ。〈あなた方の年頃までは、親たちはじめそうだった〉の鎌を持つのはどういう理由かというと、兄が(鬼に)なってしまったという噂なので、妹は子供をおぶって、鎌を持って訪ね訪ねて行った。そうして、とうとう洞穴に住んでいるのを探し当てた。すると兄は、「その子を下ろせ。」と言った。「いえ、この子は下ろすと泣くもの、おしっこもするもの、下ろすことはできない。」と言った。すると兄が、「おまえは逃げるつもりだろう。」と言って、手首に(紐を)結んで、妹の手首にしばって行かせた。妹はそれをかき切って逃げた。ところが、また連れ戻されてしまった。そこで妹は、「兄さんは餅が好物だったよね、何月何日には餅を作って来るよ。ではそのときにね。」と、言った。そのときには和解して帰してくれたそうだ。そして、(その日がやってきた。)ある森に行き、もう下半身を開けっぴろげにした。〈兄は気が狂っているのだから〉すると兄は、「そこは何だ。」と聞いたので、「ここは鬼喰う口だ。」と答えた。それから、子供たちをおぶって歩くときは、鎌を持って歩くようになった。この道理からきているんだよ。
| レコード番号 | 47O370709 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C033 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(方言) |
| 話者がつけた題名 | シワーシムーチー |
| 話者名 | 神谷嘉政 |
| 話者名かな | かみやかせい |
| 生年月日 | 19050128 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19770815 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第11班 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T08B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P18 |
| キーワード | 首里,鎌,兄が鬼,妹は子供をおぶい,洞穴,餅が好物,下半身を開けっぴろげにした,鬼喰う口 |
| 梗概(こうがい) | 鬼というものはいない、人間が気が狂って鬼になる。それで、首里だったか町方だったか(分らないが)鎌を持って歩いていたでしょう。昔は、子供たちが(小さな)子をおぶって歩くときは、鎌を持っていたんだ。〈あなた方の年頃までは、親たちはじめそうだった〉の鎌を持つのはどういう理由かというと、兄が(鬼に)なってしまったという噂なので、妹は子供をおぶって、鎌を持って訪ね訪ねて行った。そうして、とうとう洞穴に住んでいるのを探し当てた。すると兄は、「その子を下ろせ。」と言った。「いえ、この子は下ろすと泣くもの、おしっこもするもの、下ろすことはできない。」と言った。すると兄が、「おまえは逃げるつもりだろう。」と言って、手首に(紐を)結んで、妹の手首にしばって行かせた。妹はそれをかき切って逃げた。ところが、また連れ戻されてしまった。そこで妹は、「兄さんは餅が好物だったよね、何月何日には餅を作って来るよ。ではそのときにね。」と、言った。そのときには和解して帰してくれたそうだ。そして、(その日がやってきた。)ある森に行き、もう下半身を開けっぴろげにした。〈兄は気が狂っているのだから〉すると兄は、「そこは何だ。」と聞いたので、「ここは鬼喰う口だ。」と答えた。それから、子供たちをおぶって歩くときは、鎌を持って歩くようになった。この道理からきているんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:57 |
| 物語の時間数 | 1:57 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |