昔、今の言葉で言うと田植え、田圃で稲の苗を植える時に、継子は昼の弁当を持たされて夜まで田植えの手伝いをさせられた。そうして田植えが終わって、家族と一緒に家に帰ってきた。帰ってみると、“しゃもじ”あの御飯をよそうしゃもじ(方言で“ンビラ”ともいう)これを(田圃に)忘れてきてしまっていた。そして夕飯時間になると、「おい、お前、ンビラは何処に置いたか。」と親が継子にたずねた。それで、お碗道具を入れるバーキ(籠)を開けても無いので、「田圃に忘れてきたようです。」と継子が言うと、「どうしてもそれを取って来い。」と継子に言いつけた。隣近所に行けばあるのに借りもせず。「これは継子の不注意だから必ず田圃に行ってそれを取ってこい。」と行かされたそうだ。そういうわけで田圃に行ったが、暗くもあるし、今のように電燈も無く、(またその日は)月もまだ上(あ)がらなかった。継子は田圃に行く道すがら、哀れに思いながら、お月様にお願いした。「今日、私はこうこうで田にしゃもじを忘れたんで、(ぜひ)この忘れ物を取って帰らなければ、継親にせっかんされ、打たれたり叩かれたりして苦しめられるので、(どうか)今日は二十日月ではありますが、昨日の十九日の月よりも早く上がって下さい。天のお月様お願いします。」と手を合わせて祈ると(不思議にも)十九日の月よりも早く上がって、(その光で)しゃもじも何処に落ちているかが分って(無車に)帰ってこれた。すると、家族は「これは不思議だなあ。」と思い、「お前はどうやって捜して来たのか。」と聞いた。(継子は)「外は暗くて物も見えず困っていましたが、(空を仰いで)手を合わせ、今日のお月様どうか昨日十九日の月よりも早く上がって下さい。助けて下さい。とお願いしたら、今日の二十日月は昨日よりも早く昇ってくれました。それで、月の光でンビラを捜すことが出来ました。」と一部始終を答えると、継親も深く感心して「これは、継子だからといって、特別に扱ったり、いじめたりするものではない。」と、その親はそれから改心したという話だよ。
| レコード番号 | 47O370661 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C031 |
| 決定題名 | 継子と二十日月(方言) |
| 話者がつけた題名 | 継子話 |
| 話者名 | 当山カナ |
| 話者名かな | とうやまかな |
| 生年月日 | 19031015 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19770815 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第5班 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T07A02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 近所の年寄り |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P107 |
| キーワード | 田植え,田圃,稲の苗,継子,昼の弁当,夜まで田植え,しゃもじ,継子,継親,二十日月 |
| 梗概(こうがい) | 昔、今の言葉で言うと田植え、田圃で稲の苗を植える時に、継子は昼の弁当を持たされて夜まで田植えの手伝いをさせられた。そうして田植えが終わって、家族と一緒に家に帰ってきた。帰ってみると、“しゃもじ”あの御飯をよそうしゃもじ(方言で“ンビラ”ともいう)これを(田圃に)忘れてきてしまっていた。そして夕飯時間になると、「おい、お前、ンビラは何処に置いたか。」と親が継子にたずねた。それで、お碗道具を入れるバーキ(籠)を開けても無いので、「田圃に忘れてきたようです。」と継子が言うと、「どうしてもそれを取って来い。」と継子に言いつけた。隣近所に行けばあるのに借りもせず。「これは継子の不注意だから必ず田圃に行ってそれを取ってこい。」と行かされたそうだ。そういうわけで田圃に行ったが、暗くもあるし、今のように電燈も無く、(またその日は)月もまだ上(あ)がらなかった。継子は田圃に行く道すがら、哀れに思いながら、お月様にお願いした。「今日、私はこうこうで田にしゃもじを忘れたんで、(ぜひ)この忘れ物を取って帰らなければ、継親にせっかんされ、打たれたり叩かれたりして苦しめられるので、(どうか)今日は二十日月ではありますが、昨日の十九日の月よりも早く上がって下さい。天のお月様お願いします。」と手を合わせて祈ると(不思議にも)十九日の月よりも早く上がって、(その光で)しゃもじも何処に落ちているかが分って(無車に)帰ってこれた。すると、家族は「これは不思議だなあ。」と思い、「お前はどうやって捜して来たのか。」と聞いた。(継子は)「外は暗くて物も見えず困っていましたが、(空を仰いで)手を合わせ、今日のお月様どうか昨日十九日の月よりも早く上がって下さい。助けて下さい。とお願いしたら、今日の二十日月は昨日よりも早く昇ってくれました。それで、月の光でンビラを捜すことが出来ました。」と一部始終を答えると、継親も深く感心して「これは、継子だからといって、特別に扱ったり、いじめたりするものではない。」と、その親はそれから改心したという話だよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:17 |
| 物語の時間数 | 2:17 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |