昔、唐からいらした桑田という医者の話なんだがね。その人は山原から(屋部に)上がって来たということだ。山原からすぐここにいらっしゃって、よもぎが生えているのを見かけた。「ああ、ここによもぎがあることだし、私はここでは仕事はできないな。」と言った。よもぎを見てね。そうこうしているうちに、女がよもぎをひっきって、それで尻を拭いていた。「なんてことだ、よもぎで用足しを済ますとは、よもぎは、それほどの薬でもないなあ。」とおっしゃったそうだ。それから、その桑田という医者は屋部に行って、そこであれこれと暮らしていた。あるとき、首里では王様が風邪をひいてしまわれたようだね。それで、あちらこちらから医者を呼んで手当てをさせたが、いっこうに熱が下がらなかった。そのままにしていたが、「あの桑田という医者は、よく治療するということだし、彼を呼んで来なさい。」と、そんなわけで呼ばれて行った。王様をみてもらおうとしたが、まず試してみることにした。一番始めに、試しとして、猫を殺し、猫を戸の後に隠しそこから猫の足をつかまえさせようとした。桑田医者にだよ。「なんだこれは、これは動物なのに。」と言われたので、「ああこの方は、よく知っている。」ということで、戸を開け王様をみてもらうことにした。「ああ熱が高い、これは熱を下げる米と、熱を下げる天水を捜してきて、それでおかゆを炊いて食べさせるとよい。」とおっしゃった。そして使いの者は、米が作られているという糸満の方へ取りに行き、また天水は、辻にあったそうだ。そして、王様はおかゆを食べるとすぐに元気になったそうだ。またあるとき、ある子供がどこも痛くはないのだが「あの桑田という人は、何もかもよく分るというので私がまずどこか痛いふりをしてやろう。」と、友達と話し合った。そして、「腹が痛いよう。」と、道端でたおれていた。お腹が痛いということで、桑田医者にみてもらった。桑田は、その子をさわってみて、「これはもう運命だ、命が切れている。」と言われた。それから、その子供は、そのまま死んでしまったそうだ。「もう寿命だね、寿命になっている。」と、そしてすぐ亡くなったという話なんだがね。
| レコード番号 | 47O370612 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C029 |
| 決定題名 | 屋部医者の始まり(共通語) |
| 話者がつけた題名 | ヤブ医者の始まり |
| 話者名 | 神谷カマド |
| 話者名かな | かみやかまど |
| 生年月日 | 19020608 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19761114 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第13班 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T05B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 唐から来た桑田という医者,山原から屋部に,よもぎ,女がよもぎで尻を拭いた,首里で王様が風邪,猫の足,熱を下げる米,熱を下げる天水,おかゆ,辻,腹が痛い,運命,命が切れている |
| 梗概(こうがい) | 昔、唐からいらした桑田という医者の話なんだがね。その人は山原から(屋部に)上がって来たということだ。山原からすぐここにいらっしゃって、よもぎが生えているのを見かけた。「ああ、ここによもぎがあることだし、私はここでは仕事はできないな。」と言った。よもぎを見てね。そうこうしているうちに、女がよもぎをひっきって、それで尻を拭いていた。「なんてことだ、よもぎで用足しを済ますとは、よもぎは、それほどの薬でもないなあ。」とおっしゃったそうだ。それから、その桑田という医者は屋部に行って、そこであれこれと暮らしていた。あるとき、首里では王様が風邪をひいてしまわれたようだね。それで、あちらこちらから医者を呼んで手当てをさせたが、いっこうに熱が下がらなかった。そのままにしていたが、「あの桑田という医者は、よく治療するということだし、彼を呼んで来なさい。」と、そんなわけで呼ばれて行った。王様をみてもらおうとしたが、まず試してみることにした。一番始めに、試しとして、猫を殺し、猫を戸の後に隠しそこから猫の足をつかまえさせようとした。桑田医者にだよ。「なんだこれは、これは動物なのに。」と言われたので、「ああこの方は、よく知っている。」ということで、戸を開け王様をみてもらうことにした。「ああ熱が高い、これは熱を下げる米と、熱を下げる天水を捜してきて、それでおかゆを炊いて食べさせるとよい。」とおっしゃった。そして使いの者は、米が作られているという糸満の方へ取りに行き、また天水は、辻にあったそうだ。そして、王様はおかゆを食べるとすぐに元気になったそうだ。またあるとき、ある子供がどこも痛くはないのだが「あの桑田という人は、何もかもよく分るというので私がまずどこか痛いふりをしてやろう。」と、友達と話し合った。そして、「腹が痛いよう。」と、道端でたおれていた。お腹が痛いということで、桑田医者にみてもらった。桑田は、その子をさわってみて、「これはもう運命だ、命が切れている。」と言われた。それから、その子供は、そのまま死んでしまったそうだ。「もう寿命だね、寿命になっている。」と、そしてすぐ亡くなったという話なんだがね。 |
| 全体の記録時間数 | 2:32 |
| 物語の時間数 | 2:32 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |