人が亡くなったときには、魂別れというのがあることは分るかね。魂別れ、これは何故あるかというとね。七人兄弟がいてね、「今日は後生を見せに行くが、君達も見に行くか。」とある人が兄弟に言った。「後生というものが見られることならば、見せて下さい。」「それでは連れて行こうね、だけど後生に入って行くときには、あそこから何でもあげるものは取ってはいけない、また食べなさいと言われても、取って食べてはいけない。あそこはおいしいものがたくさんあるが、そのような物には、絶対手をふれてはいけないよ。」と言った。兄弟は、「はい、そのようにします。」と答えた。そうして、後生を見に行ったら、珍しがってどこもかも廻ったようだ。「さあ、後生というのはこんなものなんだよ。誰も何も食べなかったでしょうね。」「はい。」と兄弟は答えた。「それでは、君達は七人兄弟だったが、七人兄弟年の順に数えてごらん。ちゃんといるか。」とその人が言った。「います、七人います。」と兄弟は答えたが、「いいや、君達兄弟から一人は欠けている、どうするか。」とその人は言った。「ちゃんといます、一人も欠けていないですよ。」と言うと、「それでは、欠けているのを、君達に見せようね、君達には分らないはずだから、私が魂別れをして見せるから。魂別れをすると、兄弟は何人残っているか分るから、さあ見てごらん。」と言った。それから、ここに魂別れをする夕飯や茶受けまで準備して供えた。〈あのススキを玉結びするのはね、サンという天蓋の形で、天蓋というのは龍の形をしているわけさ〉それで、あのゲーンも結んでそこに置き、そして、「今日は生きている者と(死者の)霊魂の袂(たもと)を別す為に魂別れをするから、夕飯も準備してあるからそれも食べて、霊魂は後生に、生きている者はこの世にと別れて下さい。」と言った。そして供物はさげて兄弟が分け合って食べた。「さあ、生きている者達は、全員家の内に入れ、この敷居の内に入れ、私がこれから魂別れの祈願をするから。」と言った。そして、「さあ生きている者は内だよ、霊魂は外だよ。」とこうして三回ススキであおいで、「霊魂は外だよ。」と、外側に払ったわけだ。そのとき、この兄弟達は、「どうしよう、今数えてごらん、今は何人になっているか。」と言い合い、数えたところ六人だった。「ああ、やっぱり一人は欠けていたのか。」と言い、それからこの魂別れは始まったそうだ。
| レコード番号 | 47O370597 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C028 |
| 決定題名 | 後生の食い物(方言) |
| 話者がつけた題名 | マブイワカシ |
| 話者名 | 山内真厚 |
| 話者名かな | やまうちしんこう |
| 生年月日 | 19130515 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村瀬名波 |
| 記録日 | 19461114 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第7班 |
| 元テープ番号 | 読谷村瀬名波T04B04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説、 民俗 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集4瀬名波の民話 P223 |
| キーワード | マブイワカリ,七人兄弟,後生を見に,美味しい物が沢山,食べ物に触れるな,夕飯や茶受け,サン,蓋の形,龍の形,ゲーン,死者,霊魂の袂を別す,霊魂は後生,生きている者はこの世,魂別れの祈願,生きている者は内,霊魂は外,三回ススキであおぐ |
| 梗概(こうがい) | 人が亡くなったときには、魂別れというのがあることは分るかね。魂別れ、これは何故あるかというとね。七人兄弟がいてね、「今日は後生を見せに行くが、君達も見に行くか。」とある人が兄弟に言った。「後生というものが見られることならば、見せて下さい。」「それでは連れて行こうね、だけど後生に入って行くときには、あそこから何でもあげるものは取ってはいけない、また食べなさいと言われても、取って食べてはいけない。あそこはおいしいものがたくさんあるが、そのような物には、絶対手をふれてはいけないよ。」と言った。兄弟は、「はい、そのようにします。」と答えた。そうして、後生を見に行ったら、珍しがってどこもかも廻ったようだ。「さあ、後生というのはこんなものなんだよ。誰も何も食べなかったでしょうね。」「はい。」と兄弟は答えた。「それでは、君達は七人兄弟だったが、七人兄弟年の順に数えてごらん。ちゃんといるか。」とその人が言った。「います、七人います。」と兄弟は答えたが、「いいや、君達兄弟から一人は欠けている、どうするか。」とその人は言った。「ちゃんといます、一人も欠けていないですよ。」と言うと、「それでは、欠けているのを、君達に見せようね、君達には分らないはずだから、私が魂別れをして見せるから。魂別れをすると、兄弟は何人残っているか分るから、さあ見てごらん。」と言った。それから、ここに魂別れをする夕飯や茶受けまで準備して供えた。〈あのススキを玉結びするのはね、サンという天蓋の形で、天蓋というのは龍の形をしているわけさ〉それで、あのゲーンも結んでそこに置き、そして、「今日は生きている者と(死者の)霊魂の袂(たもと)を別す為に魂別れをするから、夕飯も準備してあるからそれも食べて、霊魂は後生に、生きている者はこの世にと別れて下さい。」と言った。そして供物はさげて兄弟が分け合って食べた。「さあ、生きている者達は、全員家の内に入れ、この敷居の内に入れ、私がこれから魂別れの祈願をするから。」と言った。そして、「さあ生きている者は内だよ、霊魂は外だよ。」とこうして三回ススキであおいで、「霊魂は外だよ。」と、外側に払ったわけだ。そのとき、この兄弟達は、「どうしよう、今数えてごらん、今は何人になっているか。」と言い合い、数えたところ六人だった。「ああ、やっぱり一人は欠けていたのか。」と言い、それからこの魂別れは始まったそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:23 |
| 物語の時間数 | 4:23 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |