鬼餅由来(方言)

概要

ここは必ず師走の七日にムーチーはするよ。「このムーチーはどうしてするようになったのか。」と聞いたら、これはまた、「昔ね、鬼が人を喰っていたそうだ。この鬼を殺そうと思って作った鬼ムーチーなんだよ。」と言っていた。それで、「何でどうして鬼が人を喰うのですか。」と聞くと、こんな話をしてくれた。 それは、妹と兄、男と女の兄妹がいるが、この兄はやっかい者であるのか、放浪者になって、後には鬼に化けて、赤ん坊を片っぱしから喰っているという話を聞いた。それで、この妹は、「もう、私の兄さんが鬼に化けて人を喰ってはいけない。」と考えた。それで、大きい餅を作り、その餅は力ムーチーといい、その中に目印として赤い葉を入れて、小さい餅と分けた。この女は知恵があったんでしょうね。餅を沢山作って、崖ふちの方に行って、妹は、「ほら兄さん、あなたは餅が好物だから私は今日餅を沢山作って来たよ。」と言った。兄さんが鬼になってから長いことなるので、歯も牙がはえていたそうだ。それから、餅は最初に小さい餅から食べさせた。しかし兄さんは畜生に化けているから、いくら食べても不足で、もう小さい餅は無くなってしまった。また、力餅には毒を入れてあったが、それにも手を出したわけ、力餅に。それでも何の変化もみられなかった。それで、この妹は驚いて、しまいにはパンツを脱いで、すぐ立ちあがって、下半身をあらわに出したわけさ。しかしまだ兄は、パクパクと餅を食べていた。すると、兄は、妹の様子に気づき、そこを見て、「なぜ君は、そこは何かチルー。」と聞いた。妹は、「ねえ兄さん、ここは鬼を喰うんだよ、ここは餅を食べる口、ここは鬼を喰う口。」と言った。兄は、鬼になっているので喰われたら大変だと思い、逃げようとして崖からころげ落ち、退治されたそうだ。その時から、師走のムーチーには小さい餅と力餅を作るようになったという話。

再生時間:2:21

民話詳細DATA

レコード番号 47O370498
CD番号 47O37C023
決定題名 鬼餅由来(方言)
話者がつけた題名 シワーシムーチー
話者名 当山カナ
話者名かな とうやまかな
生年月日 19031015
性別
出身地 沖縄県読谷村瀬名波
記録日 19761114
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第2班
元テープ番号 読谷村瀬名波T01B07
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 師走の七日にムーチー,鬼が人を喰う,鬼を殺す,鬼ムーチー,妹と兄,力ムーチー,赤い葉,崖,力餅に毒,下半身をあらわに出した,チルー,鬼を喰う,崖から落ち退治
梗概(こうがい) ここは必ず師走の七日にムーチーはするよ。「このムーチーはどうしてするようになったのか。」と聞いたら、これはまた、「昔ね、鬼が人を喰っていたそうだ。この鬼を殺そうと思って作った鬼ムーチーなんだよ。」と言っていた。それで、「何でどうして鬼が人を喰うのですか。」と聞くと、こんな話をしてくれた。 それは、妹と兄、男と女の兄妹がいるが、この兄はやっかい者であるのか、放浪者になって、後には鬼に化けて、赤ん坊を片っぱしから喰っているという話を聞いた。それで、この妹は、「もう、私の兄さんが鬼に化けて人を喰ってはいけない。」と考えた。それで、大きい餅を作り、その餅は力ムーチーといい、その中に目印として赤い葉を入れて、小さい餅と分けた。この女は知恵があったんでしょうね。餅を沢山作って、崖ふちの方に行って、妹は、「ほら兄さん、あなたは餅が好物だから私は今日餅を沢山作って来たよ。」と言った。兄さんが鬼になってから長いことなるので、歯も牙がはえていたそうだ。それから、餅は最初に小さい餅から食べさせた。しかし兄さんは畜生に化けているから、いくら食べても不足で、もう小さい餅は無くなってしまった。また、力餅には毒を入れてあったが、それにも手を出したわけ、力餅に。それでも何の変化もみられなかった。それで、この妹は驚いて、しまいにはパンツを脱いで、すぐ立ちあがって、下半身をあらわに出したわけさ。しかしまだ兄は、パクパクと餅を食べていた。すると、兄は、妹の様子に気づき、そこを見て、「なぜ君は、そこは何かチルー。」と聞いた。妹は、「ねえ兄さん、ここは鬼を喰うんだよ、ここは餅を食べる口、ここは鬼を喰う口。」と言った。兄は、鬼になっているので喰われたら大変だと思い、逃げようとして崖からころげ落ち、退治されたそうだ。その時から、師走のムーチーには小さい餅と力餅を作るようになったという話。
全体の記録時間数 2:21
物語の時間数 2:21
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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