婿選び(方言)

概要

昔、那覇四町に富豪の家があり、そこにはたいそう美しい娘がいたようだ。しかし、年頃になっても嫁にもらう人もおらず、早く結婚させようと思って父親は知恵をしぼった。考えたあげく婿をもらうためには各方面に立札を立ててみようということになった。この立札の内容は、「たいへんに話上手で、私を喜ばせるような話を持っている人であれば婿にしてもよい。」という婿選びの立札だったようだ。各村々で、その立札を見た話上手の若者達は、「私が親をおちつかせて婿になってやろう、私の妻にしよう。」といっしょうけんめいになったようだ。まず初めに来た者が、島尻のトーチブルという人がやってきたようだ。娘の親がトーチブルに言われたことが、「ここにねトーチブル、私の三尺もある大根がある、だけどその大根は葉だけが大きいのだよ。」と言った。次にトーチブルの言ったことが、「この大根の葉だったら、泊、前島をおおってしまうでしょうね。」と言ったら、「さてさて、トーチブルー、話には葉がないのだ、この大根には葉はない。」という話である、ここで、「おまえは婿にはできない。」と言われて帰されたそうだ。次に現れた者が、名護間切からきた馬乗り我謝だった。その我謝も「私が乗る馬だったら、どんな人にも負けはしない。」と、いっしょうけんめいに話も次から次へすばらしくおもしろい話からもってきたようだ。それを自慢して、「馬乗り我謝です。」と誇しげに婿選びにのぞんだ。「旦那様、はじめまして、話上手であることは誰にも負けません。今度の婿選びは私に決まっているのも同じことです。」と言って自慢したようだ。「おまえが自慢するぐらいの話上手だったなら婿にとるから始めてごらん。」と主は言った。名護馬乗り我謝は喜んで話を始めた。そこでまた、金持ちの主人が、「名護の七曲りを通って、名護の馬場に今着いたばかりである。」とそのように話をしたら、馬乗り我謝は、「名護の旅は幾度もしたが糞の歩くのは今年初めてみた。」との話をした。「いいかね我謝、糞の話がでたからには話は終り、おまえは私の婿にすることはできない。」と断わられた。次に出てきたのが中頭にいる中城主ウッチャーシーなんだが、「ごめん下さい、私は中城主ウッチャーシーです。貴方の娘を下さるという婿選びの立札を拝見して、婿選びの場にうかがったわけです。話上手なことでしたらりっぱな話からしますので婿にして下さい。」「おまえが、私に満足に話ができるのであれば、婿にしていいぞ。」とお互いに話もはずんだ。「御主人様、私は歌からさし上げます。海と山とはひとかつぎ 川と山とはひとかつぎ 天と地とはふたかつぎ 娘と私は三かつぎです。」、主人は「もうおまえが言う通り、今の話にはいやとは言えないので、おまえの妻にしていい。」と中城主ウッチャーシーの妻にさせたようだ。

再生時間:7:42

民話詳細DATA

レコード番号 47O370448
CD番号 47O37C021
決定題名 婿選び(方言)
話者がつけた題名 婿取立札
話者名 長浜真一
話者名かな ながはましんいち
生年月日 19101012
性別
出身地 沖縄県読谷村長浜
記録日 19810219
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村長浜T11B12
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集3長浜の民話 P102
キーワード 那覇四町に富豪の家,美しい娘,婿選びの立札,島尻のトーチブル,三尺もある大根,大根は葉だけが大きい,泊、前島を覆う,名護間切からきた馬乗り我謝,名護の七曲り,名護の馬場,中頭の中城主ウッチャーシー,海と山とはひとかつぎ,川と山とはひとかつぎ,天と地とはふたかつぎ,娘と私は三かつぎ,中城主ウッチャーシーの妻にさせた
梗概(こうがい) 昔、那覇四町に富豪の家があり、そこにはたいそう美しい娘がいたようだ。しかし、年頃になっても嫁にもらう人もおらず、早く結婚させようと思って父親は知恵をしぼった。考えたあげく婿をもらうためには各方面に立札を立ててみようということになった。この立札の内容は、「たいへんに話上手で、私を喜ばせるような話を持っている人であれば婿にしてもよい。」という婿選びの立札だったようだ。各村々で、その立札を見た話上手の若者達は、「私が親をおちつかせて婿になってやろう、私の妻にしよう。」といっしょうけんめいになったようだ。まず初めに来た者が、島尻のトーチブルという人がやってきたようだ。娘の親がトーチブルに言われたことが、「ここにねトーチブル、私の三尺もある大根がある、だけどその大根は葉だけが大きいのだよ。」と言った。次にトーチブルの言ったことが、「この大根の葉だったら、泊、前島をおおってしまうでしょうね。」と言ったら、「さてさて、トーチブルー、話には葉がないのだ、この大根には葉はない。」という話である、ここで、「おまえは婿にはできない。」と言われて帰されたそうだ。次に現れた者が、名護間切からきた馬乗り我謝だった。その我謝も「私が乗る馬だったら、どんな人にも負けはしない。」と、いっしょうけんめいに話も次から次へすばらしくおもしろい話からもってきたようだ。それを自慢して、「馬乗り我謝です。」と誇しげに婿選びにのぞんだ。「旦那様、はじめまして、話上手であることは誰にも負けません。今度の婿選びは私に決まっているのも同じことです。」と言って自慢したようだ。「おまえが自慢するぐらいの話上手だったなら婿にとるから始めてごらん。」と主は言った。名護馬乗り我謝は喜んで話を始めた。そこでまた、金持ちの主人が、「名護の七曲りを通って、名護の馬場に今着いたばかりである。」とそのように話をしたら、馬乗り我謝は、「名護の旅は幾度もしたが糞の歩くのは今年初めてみた。」との話をした。「いいかね我謝、糞の話がでたからには話は終り、おまえは私の婿にすることはできない。」と断わられた。次に出てきたのが中頭にいる中城主ウッチャーシーなんだが、「ごめん下さい、私は中城主ウッチャーシーです。貴方の娘を下さるという婿選びの立札を拝見して、婿選びの場にうかがったわけです。話上手なことでしたらりっぱな話からしますので婿にして下さい。」「おまえが、私に満足に話ができるのであれば、婿にしていいぞ。」とお互いに話もはずんだ。「御主人様、私は歌からさし上げます。海と山とはひとかつぎ 川と山とはひとかつぎ 天と地とはふたかつぎ 娘と私は三かつぎです。」、主人は「もうおまえが言う通り、今の話にはいやとは言えないので、おまえの妻にしていい。」と中城主ウッチャーシーの妻にさせたようだ。
全体の記録時間数 7:42
物語の時間数 7:42
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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