妖術師佐久川三郎と武士喜屋武ミーグヮー(方言)

概要

これは喜屋武ミーグヮーと佐久川三郎との話なんだがね、佐久川三郎は学問をしているので術かけるのも知っていた。佐久川三郎は、喜屋武さんは武術が強いというのでまずからかってみようと思った。「さあ、あなたは強いということだし、私はこの松によりかかっているので力のある限り私の胸をついて下さい。」と言った。「おまえは馬鹿なことを言う、私の武術にはひとたまりもないのにおまえはそういうのか。」と喜屋武さんは言った。「どうもありません。ではどのくらいつくことができるか、ついてみて下さい。」と言った。松によりかかってね、昔はどこまでも松の並木が続いていてね。その松によりかかっていた。そこへ喜屋武さんがやってきて、「ほんとにやってもいいのか。」とプクプクついたようだ。つくたびに、「ん、ん、」と声をあげていたようだ。佐久川三郎は自分は側に立っていて松をつかせていた。喜屋武さんは佐久川三郎をついているものとばかりに松の皮をつきはいでいたそうだ。そうしているうちに、「もうもう、これだけでいいです。」と三郎は言った。喜屋武さんの手は松の皮をついてあるので傷だらけになっていた。三郎は「貴方は武士というけれどもほんとうの武士ではないですね、どうだ私にも負けてしまったではないか。」「そうだね、ひとつには学問だね。」とこのときから喜屋武は我を折られていたそうだ。「悪かった、おまえには何といってもかなわぬ。」と。もう人間は学問をしなければいけない。ただ武士、武士といっても、術をかけられて、目をごまかされているので、かなうはずがない。それからまた、この佐久川三郎という人は、渡具知港、比謝矼の西方の野原で遊んでいる青年達を見て、「私は欄干の上から自転車に乗って通ることができる。」と言った。そこで、その青年達に、「私はあそこから、自転車に乗って通るので見ていてね。」、「しかし、貴方が落ちたら私達は大変なことになる、私達は…。」「どうもない、私は何度も練習したので落ちることはない。」と三郎は言った。すでに青年達に術をかけていて、自転車に乗って大きい道から通っていたそうだ。しかし青年達には欄干から通っているように見えたので、「はっ、はっ」と口を開いて驚いていたという話なんだがね。今度は喜屋武さんが佐久川三郎に、「私はここに立っているので、おまえは力のあるだけだして、私を橋から落としなさい。」と言った。しかし落とすことはできなかったそうだ。喜屋武さんは立っていて、佐久川三郎が落とそうとしているのだができなかった。そこに立っていたのだがね。このときには三郎は負けてしまった。

再生時間:2:31

民話詳細DATA

レコード番号 47O370438
CD番号 47O37C020
決定題名 妖術師佐久川三郎と武士喜屋武ミーグヮー(方言)
話者がつけた題名 佐久川三郎
話者名 松田永助
話者名かな まつだえいすけ
生年月日 19050219
性別
出身地 沖縄県読谷村長浜
記録日 19810219
記録者の所属組織 読谷ゆうがおの会
元テープ番号 読谷村長浜T11B02
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集3長浜の民話 P258
キーワード 喜屋武ミーグヮー,佐久川三郎,佐久川三郎は術かけ,喜屋武は武術が強い,松並木,佐久川三郎は側に立って松をつかせていた,喜屋武の手は松の皮をついて傷だらけ,渡具知港,比謝矼,野原で遊んでいる青年達,欄干の上から自転車に乗って通る,三郎は負けた
梗概(こうがい) これは喜屋武ミーグヮーと佐久川三郎との話なんだがね、佐久川三郎は学問をしているので術かけるのも知っていた。佐久川三郎は、喜屋武さんは武術が強いというのでまずからかってみようと思った。「さあ、あなたは強いということだし、私はこの松によりかかっているので力のある限り私の胸をついて下さい。」と言った。「おまえは馬鹿なことを言う、私の武術にはひとたまりもないのにおまえはそういうのか。」と喜屋武さんは言った。「どうもありません。ではどのくらいつくことができるか、ついてみて下さい。」と言った。松によりかかってね、昔はどこまでも松の並木が続いていてね。その松によりかかっていた。そこへ喜屋武さんがやってきて、「ほんとにやってもいいのか。」とプクプクついたようだ。つくたびに、「ん、ん、」と声をあげていたようだ。佐久川三郎は自分は側に立っていて松をつかせていた。喜屋武さんは佐久川三郎をついているものとばかりに松の皮をつきはいでいたそうだ。そうしているうちに、「もうもう、これだけでいいです。」と三郎は言った。喜屋武さんの手は松の皮をついてあるので傷だらけになっていた。三郎は「貴方は武士というけれどもほんとうの武士ではないですね、どうだ私にも負けてしまったではないか。」「そうだね、ひとつには学問だね。」とこのときから喜屋武は我を折られていたそうだ。「悪かった、おまえには何といってもかなわぬ。」と。もう人間は学問をしなければいけない。ただ武士、武士といっても、術をかけられて、目をごまかされているので、かなうはずがない。それからまた、この佐久川三郎という人は、渡具知港、比謝矼の西方の野原で遊んでいる青年達を見て、「私は欄干の上から自転車に乗って通ることができる。」と言った。そこで、その青年達に、「私はあそこから、自転車に乗って通るので見ていてね。」、「しかし、貴方が落ちたら私達は大変なことになる、私達は…。」「どうもない、私は何度も練習したので落ちることはない。」と三郎は言った。すでに青年達に術をかけていて、自転車に乗って大きい道から通っていたそうだ。しかし青年達には欄干から通っているように見えたので、「はっ、はっ」と口を開いて驚いていたという話なんだがね。今度は喜屋武さんが佐久川三郎に、「私はここに立っているので、おまえは力のあるだけだして、私を橋から落としなさい。」と言った。しかし落とすことはできなかったそうだ。喜屋武さんは立っていて、佐久川三郎が落とそうとしているのだができなかった。そこに立っていたのだがね。このときには三郎は負けてしまった。
全体の記録時間数 2:31
物語の時間数 2:31
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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