鬼餅由来(共通語混)

概要

こういうことだが、鬼にはウナイがいたそうだ。妹は赤ちゃんを連れ鬼のところへ行った。鬼がいて人を殺すという評判があるがほんとうかなと、ウナイは男が住まっている洞窟に行ったようだ。そこへ行って、「兄さん!」と呼ぶと、「あっおまえはきたんだね。」と言った。妹が「どうして!あの鍋は何なの?」と聞くと、「あれは肉なんだが。」と言った。兄さんは人の肉を炊いていたそうだ。それからはもうびっくりして、「お茶を飲みなさい。」と兄さんがお茶もいれてあるのだが、飲めるどころではなかった。それに、妹は赤ん坊をつれていたので、「とてもおいしそうな子もいるもんだ。」と言ったそうだ。そう言ったとたん立って行き、包丁を研いだらしい。包丁を研いだので、そしたらそばに鎌があったそうだ。鎌もあることだし、その妹は「たしかに赤ん坊を殺すつもりなんだね、なるほど評判のとうりだ。」と思った。兄さんが子どもを抱いていって、お腹を綱で縛ってあったそうだ。鬼がね、もう縛って、逃がさないために縛りつけていたらしい。それでそばにある鎌を持って、「あのう小便してこようね、兄さん。」と言って出て行った。その鎌で綱を切って赤ん坊を連れて逃げて行ったのでこのふたりは殺されずにすんだ。そういうことで、昔は赤ん坊を抱いて出かける時には鎌を持って歩きなさいというのはこの道理からそう言うのである。それから、妹は「きょうはもう兄さんを殺しに行くぞ。」と考えていた。兄さんのところへ行き、「きょうはあの、ムーチーなので、さあ兄さん、ムーチーを、早く行って私達ふたりでムーチーを食べようね。」と出かけて行った。妹と兄さんと二人でね。 そこで、その鬼は崖のところにちょうどあのように座らせたんだね。妹はこの辺に座った。妹は赤ん坊も抱き、ごちそうも作って行った。そして崖のところで、兄を前にしてこのように陰部をはだけた。「どうして!これは何なのか。」と言った。「そこは何なのか。」と言うと、「鬼を食う穴」と言ったので、「あっ!」と叫んで崖に落ちてしまった。妹は故意におし倒しはしなかったが、「あっ」と驚いた拍子に落ちてしまった。そういうことでムーチーは「ホーハイムーチー」と言われているらしいよ。こんな話だった。そして鎌を持って歩きなさいというのも鬼から守るためで、赤ん坊をつれている人には、昔は鎌をもたせていた。ホーハイムーチーといってね、「鬼は外、徳は内」というのがあるでしょう。あなたの所はどうか知らないが、わたしのところではその餅を煮る時に、煮汁をまくんだがね。屋敷の周囲にまき放つんだよ。サンを結んでね、「鬼は外、徳は内」といってまき放つよ、餅を蒸した水でね。その道理で、ムーチーは忌中にあってもムーチーは作った方がいいそうだ。厄ばらしなので忌中だからムーチーは作らないということはできない、これは厄払いの意味だそうだ。そんな話はとても慎み深く聞くとよいね。

再生時間:3:37

民話詳細DATA

レコード番号 47O370377
CD番号 47O37C017
決定題名 鬼餅由来(共通語混)
話者がつけた題名 鬼餅の話
話者名 当山カマ
話者名かな とうやまかま
生年月日 18971210
性別
出身地 沖縄県読谷村長浜
記録日 19770815
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第14班
元テープ番号 読谷村長浜T07B06
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話、 民俗
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集3長浜の民話 P13
キーワード ウナイ,赤ちゃん,鬼が人を殺す,洞窟,包丁を研いだ,鎌,お腹を綱で縛る,ムーチー,崖に座らせた,陰部をはだけた,鬼を食う穴,ホーハイムーチー,厄払い
梗概(こうがい) こういうことだが、鬼にはウナイがいたそうだ。妹は赤ちゃんを連れ鬼のところへ行った。鬼がいて人を殺すという評判があるがほんとうかなと、ウナイは男が住まっている洞窟に行ったようだ。そこへ行って、「兄さん!」と呼ぶと、「あっおまえはきたんだね。」と言った。妹が「どうして!あの鍋は何なの?」と聞くと、「あれは肉なんだが。」と言った。兄さんは人の肉を炊いていたそうだ。それからはもうびっくりして、「お茶を飲みなさい。」と兄さんがお茶もいれてあるのだが、飲めるどころではなかった。それに、妹は赤ん坊をつれていたので、「とてもおいしそうな子もいるもんだ。」と言ったそうだ。そう言ったとたん立って行き、包丁を研いだらしい。包丁を研いだので、そしたらそばに鎌があったそうだ。鎌もあることだし、その妹は「たしかに赤ん坊を殺すつもりなんだね、なるほど評判のとうりだ。」と思った。兄さんが子どもを抱いていって、お腹を綱で縛ってあったそうだ。鬼がね、もう縛って、逃がさないために縛りつけていたらしい。それでそばにある鎌を持って、「あのう小便してこようね、兄さん。」と言って出て行った。その鎌で綱を切って赤ん坊を連れて逃げて行ったのでこのふたりは殺されずにすんだ。そういうことで、昔は赤ん坊を抱いて出かける時には鎌を持って歩きなさいというのはこの道理からそう言うのである。それから、妹は「きょうはもう兄さんを殺しに行くぞ。」と考えていた。兄さんのところへ行き、「きょうはあの、ムーチーなので、さあ兄さん、ムーチーを、早く行って私達ふたりでムーチーを食べようね。」と出かけて行った。妹と兄さんと二人でね。 そこで、その鬼は崖のところにちょうどあのように座らせたんだね。妹はこの辺に座った。妹は赤ん坊も抱き、ごちそうも作って行った。そして崖のところで、兄を前にしてこのように陰部をはだけた。「どうして!これは何なのか。」と言った。「そこは何なのか。」と言うと、「鬼を食う穴」と言ったので、「あっ!」と叫んで崖に落ちてしまった。妹は故意におし倒しはしなかったが、「あっ」と驚いた拍子に落ちてしまった。そういうことでムーチーは「ホーハイムーチー」と言われているらしいよ。こんな話だった。そして鎌を持って歩きなさいというのも鬼から守るためで、赤ん坊をつれている人には、昔は鎌をもたせていた。ホーハイムーチーといってね、「鬼は外、徳は内」というのがあるでしょう。あなたの所はどうか知らないが、わたしのところではその餅を煮る時に、煮汁をまくんだがね。屋敷の周囲にまき放つんだよ。サンを結んでね、「鬼は外、徳は内」といってまき放つよ、餅を蒸した水でね。その道理で、ムーチーは忌中にあってもムーチーは作った方がいいそうだ。厄ばらしなので忌中だからムーチーは作らないということはできない、これは厄払いの意味だそうだ。そんな話はとても慎み深く聞くとよいね。
全体の記録時間数 3:37
物語の時間数 3:37
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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