これは波之上の耳切坊主という人の話し、この話知ってますか。夕暮れになってからは町に出てはいけ
ないよ。耳切坊主が立ってるよ。ここは夕方山(ゆさんりやま)と言われているようだね。この耳切坊主という人は、碁を打つ事が上手であり、ふい打ちし、棒術を使ったらしい。それを耳切坊主が邪魔をした。それから首里の、吉村御殿という方は武士だったので、この人が考えたことに、耳切坊主を殺さないと沖縄は生活が出来ない。また女の人達が一人で歩いてはどこへも行くことが出来ない。それから、北谷王子という方がいて武士であり、碁が好きで上手でもあったようだ。吉村御殿という人が北谷王子に、「北谷王子殿。」「はい、何の用でしょうか。」「お前があの耳切坊主と碁を打って、あの耳切坊主を殺してくれないか。」「はあ、そのような事で。」「あれを生かしておくと、沖縄の女達が暮らして行けん。」「それでは、碁を打ちに行ってきます。」と言った。それから、吉村御殿のおっしゃる通り、北谷王子が碁を打ちに行くと、「やあ、来たか北谷。」と家であいさつをしてから、「さあ、私は君と碁を打ちに来たが碁を打ってみようではないか」と言うと、「そうする事にしよう。」と。それから碁打ちは、「はい、北谷。」「はい、耳切。」「はい北谷。」と言って、手で打ち争っていると、しまいには負けてしまった。耳切坊主は、北谷王子に負けたので殺されてしまった。殺されたので、「私を殺そうとするけれどもね、私はあなたの家のかまどの中で灰に身を隠していて、あなたの子孫をすぐに殺してしまうからな。」と言った。「君がそんなこと出来るもんか。殺せるもんか。おい!」とすぐ(北谷王子に)やられてしまった。(耳切坊主の)言った通り、その人に男の子が生まれると、二度もこのような事が起きたので「これは耳切坊主と私が碁を打っている時に、手争いをして、私が(彼を)なぐった時にあのような言葉を残していたし。是非、これは男の子が生まれる時は、呼び名を変えよう。」そして、三男が生まれた時には、「今日は、大きな女の子が生まれたんだね。」と言った。女の子だったので殺すことは出来なかった。それから北谷王子の子孫が始まった。大女のいわれは、今のようなわけがあったからよ。自分達もそのように言って来た。もし男の子といえば、(三男も)殺されたはずだよ。灰の中に隠れていて殺したそうだよ。波之上の耳切坊主というと、黒金座主とも言われているんですよ。
| レコード番号 | 47O370332 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C015 |
| 決定題名 | 黒金座主(方言) |
| 話者がつけた題名 | 黒金座主 |
| 話者名 | 金城太郎 |
| 話者名かな | きんじょうたろう |
| 生年月日 | 18860920 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19761031 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第5班 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T06A12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 父 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P265 |
| キーワード | 波之上の耳切坊主,夕方山,碁を上手,棒術を使った,首里の吉村御殿は武士,北谷王子,耳切坊主は北谷王子に負け殺された,子孫を殺す,男の子が生まれると大女が生まれた,女の子は殺せない,大女,黒金座主 |
| 梗概(こうがい) | これは波之上の耳切坊主という人の話し、この話知ってますか。夕暮れになってからは町に出てはいけ ないよ。耳切坊主が立ってるよ。ここは夕方山(ゆさんりやま)と言われているようだね。この耳切坊主という人は、碁を打つ事が上手であり、ふい打ちし、棒術を使ったらしい。それを耳切坊主が邪魔をした。それから首里の、吉村御殿という方は武士だったので、この人が考えたことに、耳切坊主を殺さないと沖縄は生活が出来ない。また女の人達が一人で歩いてはどこへも行くことが出来ない。それから、北谷王子という方がいて武士であり、碁が好きで上手でもあったようだ。吉村御殿という人が北谷王子に、「北谷王子殿。」「はい、何の用でしょうか。」「お前があの耳切坊主と碁を打って、あの耳切坊主を殺してくれないか。」「はあ、そのような事で。」「あれを生かしておくと、沖縄の女達が暮らして行けん。」「それでは、碁を打ちに行ってきます。」と言った。それから、吉村御殿のおっしゃる通り、北谷王子が碁を打ちに行くと、「やあ、来たか北谷。」と家であいさつをしてから、「さあ、私は君と碁を打ちに来たが碁を打ってみようではないか」と言うと、「そうする事にしよう。」と。それから碁打ちは、「はい、北谷。」「はい、耳切。」「はい北谷。」と言って、手で打ち争っていると、しまいには負けてしまった。耳切坊主は、北谷王子に負けたので殺されてしまった。殺されたので、「私を殺そうとするけれどもね、私はあなたの家のかまどの中で灰に身を隠していて、あなたの子孫をすぐに殺してしまうからな。」と言った。「君がそんなこと出来るもんか。殺せるもんか。おい!」とすぐ(北谷王子に)やられてしまった。(耳切坊主の)言った通り、その人に男の子が生まれると、二度もこのような事が起きたので「これは耳切坊主と私が碁を打っている時に、手争いをして、私が(彼を)なぐった時にあのような言葉を残していたし。是非、これは男の子が生まれる時は、呼び名を変えよう。」そして、三男が生まれた時には、「今日は、大きな女の子が生まれたんだね。」と言った。女の子だったので殺すことは出来なかった。それから北谷王子の子孫が始まった。大女のいわれは、今のようなわけがあったからよ。自分達もそのように言って来た。もし男の子といえば、(三男も)殺されたはずだよ。灰の中に隠れていて殺したそうだよ。波之上の耳切坊主というと、黒金座主とも言われているんですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:51 |
| 物語の時間数 | 3:51 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |