あの昔、ある所に貧乏者がいたようだね。それで、そこの長男は、他所へ売られたわけですよ。(そこ
で)二、三年働いても、この家庭は金持ちになれなかった。それで、長男は家に戻って来た。すると、親から「もっと他所で働かないと家庭生活はやってゆけないんだが。」と小言をいわれたので(長男は)外から遊び歩いてばかりいた。逃げ廻って遊んでいる間に、寝る場所もなくなり、(しまいには)自分の家の床下に入って寝ていると、(親が気づき)「こんな奴、床下に寝ているから出さねばならない、上から小便をひっかけてやれ。」と小便をひっかけたようだね。(すると)その長男も、また怒って親にどなったようだ。(そして親が)「何を言う。お前は、どこそこへ働きに行っても、辛抱できず、いつでも逃げ出してきているし、(今日は)床下に寝ているのを知って小便をかけたのだ。」と言った。「君は他所で働いてくれなければ承知しないよ。」と親が叱ると、「それでは、今後は真面目に働くから許して下さい。」と親に願ったようだね。すると親が「そうか、お前がそれくらい思うのなら、許してあげるが、しかし、子どもというのは、君が七回売られても、本当の親孝行は出来ないだろう。」ということをいわれたようですよ。これだけ聞いております。
| レコード番号 | 47O370291 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C013 |
| 決定題名 | 子は七回売られても親の孝はできない(方言) |
| 話者がつけた題名 | 七回売られた男の話 |
| 話者名 | 長浜真忠 |
| 話者名かな | ながはましんちゅう |
| 生年月日 | 19040211 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19761031 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第6班 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T05A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | あぬーんかしよーあるとぅくるんかい |
| 伝承事情 | 隣の話好きなお爺さん |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P179 |
| キーワード | 貧乏者,長男,金持ち,家の床下,小便,七回売られても親孝行は出来ない |
| 梗概(こうがい) | あの昔、ある所に貧乏者がいたようだね。それで、そこの長男は、他所へ売られたわけですよ。(そこ で)二、三年働いても、この家庭は金持ちになれなかった。それで、長男は家に戻って来た。すると、親から「もっと他所で働かないと家庭生活はやってゆけないんだが。」と小言をいわれたので(長男は)外から遊び歩いてばかりいた。逃げ廻って遊んでいる間に、寝る場所もなくなり、(しまいには)自分の家の床下に入って寝ていると、(親が気づき)「こんな奴、床下に寝ているから出さねばならない、上から小便をひっかけてやれ。」と小便をひっかけたようだね。(すると)その長男も、また怒って親にどなったようだ。(そして親が)「何を言う。お前は、どこそこへ働きに行っても、辛抱できず、いつでも逃げ出してきているし、(今日は)床下に寝ているのを知って小便をかけたのだ。」と言った。「君は他所で働いてくれなければ承知しないよ。」と親が叱ると、「それでは、今後は真面目に働くから許して下さい。」と親に願ったようだね。すると親が「そうか、お前がそれくらい思うのなら、許してあげるが、しかし、子どもというのは、君が七回売られても、本当の親孝行は出来ないだろう。」ということをいわれたようですよ。これだけ聞いております。 |
| 全体の記録時間数 | 1:55 |
| 物語の時間数 | 1:55 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |