これはね、首里の人は頭が優秀だといわれていた。沖縄では、学問の面で首里の人が。目立っていたようだ。田舎者は、何もわからないものと思って、首里からエーキを売りに来たわけだ。する「エーキを買わないか、買わないか。」と言いながら歩いていた。女は家にいて、暇がありすぎて、御馳走だけ作っていた。夫はね、毎日朝から晩まで塩炊きをしていた。潮をかけたり、砂を積んだりして働いていた。「エーキを買って下さい。」とやって来た。「何ですって!今あなたは何とおっしゃいましたか。」と女が聞くと、「エーキを買って!」「エーキというものが売ったり買ったりすることが出来るのですか。」と。「売買できますよ。」と答えた。「それさえ買えば、エーキは満ち潮のようにしてやって来るぞ。」と言ったら、「ああ、そういうことか。」と買ってしまったようだね。「それで、いくらで買えるか、売りますか。」と言ったら、「そうだね、買う力のある人には、一、二百貫でも売るよ、そうでない人には、一、二百貫でも売らないさ。」と言った。「お金を持っている者に売る。お金のない人からは取ることができないから。」と言うと、「百貫で売って下さい。」と言うと、また「安くで買おう。」とも言った。百貫の銭を取って去ったようだ。それから、またエーキを買った人は、木の小枝をかついで歩きながら、それに花をさして歩いていた。「言うから聞きなさい!」とエーキを売る人が言った。銭はしまい込んでから「言うから聞きなさい」と言った。すると、それを聞いて女は目をぎょろ、ぎょろさせた。「これは、夫、これは妻、妻が荒い者だと、夫が四、五百貫儲けて来て金を入れても貯らないよ。妻が細やかであれば、夫の支柱になり貯るよ。それがエーキというものだよそれがお手本だよ。」と言って逃げるように去って行った。それからは、もう仕方がない、逃げてしまってからは。今度は夫が昼食を食べに来たわけね。そして「ねえ貴方、エーキを買ったよ。」と言ったら、「なんだって!エーキが売り換え出来るのか。」と尋ねると、「本当に売り換えが出来て買ったよ。」と。「それで、いくらで買ったのか。」と聞くと、「百貫で買った。」と答えた「それで……。」「明日から私達はエーキが満ち潮のようにやって来ると言っていたよ。」と妻は言った。「この馬鹿者は!」と言って、それから夫も怒ってしまった。妻がこのように夫に話すと、もうひどく蹴飛ばされた。馬鹿者といってね。「君は家にいて余計なことをして。」と夫は言った。今度は夫が妻に当り散らして夫婦喧嘩になってしまい、隣のばあさんが呼ばれたらしいね。「夫婦喧嘩の仲裁してくれ。」と頼んだようだね。「あなたは、御馳走がある時は一人で食べてしまい、隣のばあさんには、私には油のついた葉さえなめさせてくれない、あなたの味方は出来ないよ、いやだよ。」と言った。だけども「助けて。」と言われてみると、これはもう仕方がなく、仲直りして皆で御馳走したという話である。この話の本当の内容は、教訓的な喜劇(で語り継がれている。)
| レコード番号 | 47O370274 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C012 |
| 決定題名 | エーキ売り(方言) |
| 話者がつけた題名 | エーキ売り |
| 話者名 | 松田永助 |
| 話者名かな | まつだえいすけ |
| 生年月日 | 19050325 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19761031 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第2班 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T04A04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 村芝居 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P173 |
| キーワード | 首里の人は優秀,田舎人,エーキ売り,夫婦喧嘩,教訓 |
| 梗概(こうがい) | これはね、首里の人は頭が優秀だといわれていた。沖縄では、学問の面で首里の人が。目立っていたようだ。田舎者は、何もわからないものと思って、首里からエーキを売りに来たわけだ。する「エーキを買わないか、買わないか。」と言いながら歩いていた。女は家にいて、暇がありすぎて、御馳走だけ作っていた。夫はね、毎日朝から晩まで塩炊きをしていた。潮をかけたり、砂を積んだりして働いていた。「エーキを買って下さい。」とやって来た。「何ですって!今あなたは何とおっしゃいましたか。」と女が聞くと、「エーキを買って!」「エーキというものが売ったり買ったりすることが出来るのですか。」と。「売買できますよ。」と答えた。「それさえ買えば、エーキは満ち潮のようにしてやって来るぞ。」と言ったら、「ああ、そういうことか。」と買ってしまったようだね。「それで、いくらで買えるか、売りますか。」と言ったら、「そうだね、買う力のある人には、一、二百貫でも売るよ、そうでない人には、一、二百貫でも売らないさ。」と言った。「お金を持っている者に売る。お金のない人からは取ることができないから。」と言うと、「百貫で売って下さい。」と言うと、また「安くで買おう。」とも言った。百貫の銭を取って去ったようだ。それから、またエーキを買った人は、木の小枝をかついで歩きながら、それに花をさして歩いていた。「言うから聞きなさい!」とエーキを売る人が言った。銭はしまい込んでから「言うから聞きなさい」と言った。すると、それを聞いて女は目をぎょろ、ぎょろさせた。「これは、夫、これは妻、妻が荒い者だと、夫が四、五百貫儲けて来て金を入れても貯らないよ。妻が細やかであれば、夫の支柱になり貯るよ。それがエーキというものだよそれがお手本だよ。」と言って逃げるように去って行った。それからは、もう仕方がない、逃げてしまってからは。今度は夫が昼食を食べに来たわけね。そして「ねえ貴方、エーキを買ったよ。」と言ったら、「なんだって!エーキが売り換え出来るのか。」と尋ねると、「本当に売り換えが出来て買ったよ。」と。「それで、いくらで買ったのか。」と聞くと、「百貫で買った。」と答えた「それで……。」「明日から私達はエーキが満ち潮のようにやって来ると言っていたよ。」と妻は言った。「この馬鹿者は!」と言って、それから夫も怒ってしまった。妻がこのように夫に話すと、もうひどく蹴飛ばされた。馬鹿者といってね。「君は家にいて余計なことをして。」と夫は言った。今度は夫が妻に当り散らして夫婦喧嘩になってしまい、隣のばあさんが呼ばれたらしいね。「夫婦喧嘩の仲裁してくれ。」と頼んだようだね。「あなたは、御馳走がある時は一人で食べてしまい、隣のばあさんには、私には油のついた葉さえなめさせてくれない、あなたの味方は出来ないよ、いやだよ。」と言った。だけども「助けて。」と言われてみると、これはもう仕方がなく、仲直りして皆で御馳走したという話である。この話の本当の内容は、教訓的な喜劇(で語り継がれている。) |
| 全体の記録時間数 | 3:15 |
| 物語の時間数 | 3:15 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |