昔、字儀間に大嶺という家があったがね。そこで、大嶺から長浜の三郎大嶺へ婿養子でこられたそうだ。そのおじいさんのお話しですが。そこで山原へ材木を買いに行かれたが、風向きが思い通りにゆかず、漂流状態なり食べ物も無くなってしまった。「さあ、たいへん!船旅は、食糧があってこそ旅もできるが、どうしよう。どのようにしたらいいものか。」と言って船員達も皆揃って話をした。「そうだ!良い考えがある、さあ今度はユタの真似をしよう。そして、この村で、今度は飢えを凌ごう。」ということを考えつき話あった。その村に入って行くと、丁度その時、女に出会った。潮汲みに行く女に出会ったので、「この村に、とても大きい病気をしている人はおられないか。」と聞くと、「どこそこの誰かは、とても大きい病気にかかり、もう今日明日の命ではないかというふうに、皆、親子揃ってたいそう心配していらっしゃる。」と、このような話を聞いた。「そうか、良い事を聞いた。それでは、そこへ行って見せてくれ。」と、「はい、ここですよ。」と、その女はそこを案内した。そして、その人々は、すぐその家庭へ入って行き、豚舎の後、屋敷の周囲を廻った。まあ、始めから木の精というのは、昔からあるが。ユタが、今でもそうであるが、木を切る時には、御願をしないと木の精がのりうつって、体が弱くなり、風邪をひいたりするそうだ。または、人が病気にかかるというような話をこの人たちも聞いておられたのであろう。そこで、考えを出して、豚小屋の後に行き、木が切られているのを見つけた。「良いものを見当てた。これで、この家庭を納得させて、私達のひもじさも御馳走を食べて凌ごう。」と言った。それから、そこの家に来て、お茶を飲んでいるとき、「ここの家庭は、誰か病気でもしていらっしゃるのですか。」と聞くと、「そうですよ、こうこうでもう、大病にかかっております。」と言った。「そうか、私達は、実は、このようにここに来たのは神がひき合わせたのか知らないけれどもこの家庭に入って来た。それではあなた方の病人は私達が御願をやりますと治ります。供え物、飾り物を重箱二つに作って、今度は御願をすると、明日からはもう、完全に治るから。」と言った。この家庭は、それは喜んで、「このようなすばらしいユタがおいでになった。」と、御願をした。御願した後、御馳走のウサンデーはこの人達みんなに、「ありがとうございました。」と言って、「持って行ってめし上がって下さい。」とあげた。そこで、船に持って行き、船員たちみんな御馳走になり、「このような良い事もあるもんだ。」と喜んだものだよ、孫たちよと。このような話を聞き、聞かせたこともあったよ。
(雑音有り)
| レコード番号 | 47O370248 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C011 |
| 決定題名 | ユタのまねをした男(方言) |
| 話者がつけた題名 | ヤンバル船の話 |
| 話者名 | 長浜真長 |
| 話者名かな | ながはましんちょう |
| 生年月日 | 19080422 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19761031 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第1班 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T03A03 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | んかし |
| 伝承事情 | 友達の父(大嶺さん) |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P142 |
| キーワード | 儀間,大嶺,長浜,山原,材木,漂流,ユタ,潮汲女,大病,木の精,フール,御願,ご馳走 |
| 梗概(こうがい) | 昔、字儀間に大嶺という家があったがね。そこで、大嶺から長浜の三郎大嶺へ婿養子でこられたそうだ。そのおじいさんのお話しですが。そこで山原へ材木を買いに行かれたが、風向きが思い通りにゆかず、漂流状態なり食べ物も無くなってしまった。「さあ、たいへん!船旅は、食糧があってこそ旅もできるが、どうしよう。どのようにしたらいいものか。」と言って船員達も皆揃って話をした。「そうだ!良い考えがある、さあ今度はユタの真似をしよう。そして、この村で、今度は飢えを凌ごう。」ということを考えつき話あった。その村に入って行くと、丁度その時、女に出会った。潮汲みに行く女に出会ったので、「この村に、とても大きい病気をしている人はおられないか。」と聞くと、「どこそこの誰かは、とても大きい病気にかかり、もう今日明日の命ではないかというふうに、皆、親子揃ってたいそう心配していらっしゃる。」と、このような話を聞いた。「そうか、良い事を聞いた。それでは、そこへ行って見せてくれ。」と、「はい、ここですよ。」と、その女はそこを案内した。そして、その人々は、すぐその家庭へ入って行き、豚舎の後、屋敷の周囲を廻った。まあ、始めから木の精というのは、昔からあるが。ユタが、今でもそうであるが、木を切る時には、御願をしないと木の精がのりうつって、体が弱くなり、風邪をひいたりするそうだ。または、人が病気にかかるというような話をこの人たちも聞いておられたのであろう。そこで、考えを出して、豚小屋の後に行き、木が切られているのを見つけた。「良いものを見当てた。これで、この家庭を納得させて、私達のひもじさも御馳走を食べて凌ごう。」と言った。それから、そこの家に来て、お茶を飲んでいるとき、「ここの家庭は、誰か病気でもしていらっしゃるのですか。」と聞くと、「そうですよ、こうこうでもう、大病にかかっております。」と言った。「そうか、私達は、実は、このようにここに来たのは神がひき合わせたのか知らないけれどもこの家庭に入って来た。それではあなた方の病人は私達が御願をやりますと治ります。供え物、飾り物を重箱二つに作って、今度は御願をすると、明日からはもう、完全に治るから。」と言った。この家庭は、それは喜んで、「このようなすばらしいユタがおいでになった。」と、御願をした。御願した後、御馳走のウサンデーはこの人達みんなに、「ありがとうございました。」と言って、「持って行ってめし上がって下さい。」とあげた。そこで、船に持って行き、船員たちみんな御馳走になり、「このような良い事もあるもんだ。」と喜んだものだよ、孫たちよと。このような話を聞き、聞かせたこともあったよ。 (雑音有り) |
| 全体の記録時間数 | 4:12 |
| 物語の時間数 | 4:12 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |