ある所で、泥棒に入られ、多くの(品々を)盗まれたので、裁判をすることにした。ひとりびとり、そ
の人の考えで、ポーロントン(裁判官)の考えで、「これはひとりびとり戒(いまし)めて白状させねばならぬ。」と言った。(そして)三百斤もある馬と石、両方を籠に入れて籠をかつぐこと。夫婦で籠をかつがせて遠くへ(行かせた。)そして、(最初の夫婦は出発した。)妻が、「ああ、このようにして、心配しているのにこの苦しみを与えられるということもあるのか。どこの者が、この多額の宝物を盗んだのだろう。」と言った。また夫は、「いや、どうもない、私達は貧乏者であるけれども何も心配するな、やがて罪を犯した者は出る。泥棒は出るはずだから、もう少しだよ。もう少しだけ、早くがんばってかつごう。」と言った。それからまた、二番目の者で、(妻が)「ああ、これは、私達のような貧乏者であったからといって、このように(容疑者にみられるといってもあるか!)こんな苦しみを味わうこともあるなあ。」と言って嘆いた。「いや、私達は誠実なことをしているので、誠の上には弓の夫もたたないという口上だ。誠の弓の矢。私達はいつも誠実なことをしているので弓の夫もたちはしない。ほらもう近づいて来たので少しふんばろう。がんばろう。」と夫に言われ、かついで(行った。)また、三番目と言えば盗んだ人達であった。そしてその(夫婦の話で)「あなたがしたことよ父さん。私達は、このくらいの盗みはしなくてもよいものを、あなたがすることは、こうして私を苦しめるといってもあるのか。」と妻が言った。「こら!まだ蔵の口は満ちていないだろう、〈金庫は満ちてはいない意味〉盗みをしてでも金庫は満たすべきだ。」と言ったので、すぐ捕(とら)えられた。そのポーロントン裁判官は籠に入って(その夫婦の会話を)聞いていたのであった。この夫婦の話から、(この事件は)そのポーロントン裁判官が裁いた。それからまた、盗んででも蔵の口を満たすという口上がある。女のよけいなおしゃべりも大変なことになる。それと、誠の上には弓の夫もたたないということもそのいわれからである。
| レコード番号 | 47O370227 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C010 |
| 決定題名 | ポーロントンの裁判(方言) |
| 話者がつけた題名 | ポーロントンの裁判 |
| 話者名 | 金城太郎 |
| 話者名かな | きんじょうたろう |
| 生年月日 | 18860920 |
| 性別 | - |
| 出身地 | 沖縄県読谷村長浜 |
| 記録日 | 19750521 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村長浜T01B13 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | あるとぅくるぬなー |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集3長浜の民話 P161 |
| キーワード | 強盗,裁判,ポーロントン,三百斤の馬と石,籠,貧乏者,誠の弓の矢 |
| 梗概(こうがい) | ある所で、泥棒に入られ、多くの(品々を)盗まれたので、裁判をすることにした。ひとりびとり、そ の人の考えで、ポーロントン(裁判官)の考えで、「これはひとりびとり戒(いまし)めて白状させねばならぬ。」と言った。(そして)三百斤もある馬と石、両方を籠に入れて籠をかつぐこと。夫婦で籠をかつがせて遠くへ(行かせた。)そして、(最初の夫婦は出発した。)妻が、「ああ、このようにして、心配しているのにこの苦しみを与えられるということもあるのか。どこの者が、この多額の宝物を盗んだのだろう。」と言った。また夫は、「いや、どうもない、私達は貧乏者であるけれども何も心配するな、やがて罪を犯した者は出る。泥棒は出るはずだから、もう少しだよ。もう少しだけ、早くがんばってかつごう。」と言った。それからまた、二番目の者で、(妻が)「ああ、これは、私達のような貧乏者であったからといって、このように(容疑者にみられるといってもあるか!)こんな苦しみを味わうこともあるなあ。」と言って嘆いた。「いや、私達は誠実なことをしているので、誠の上には弓の夫もたたないという口上だ。誠の弓の矢。私達はいつも誠実なことをしているので弓の夫もたちはしない。ほらもう近づいて来たので少しふんばろう。がんばろう。」と夫に言われ、かついで(行った。)また、三番目と言えば盗んだ人達であった。そしてその(夫婦の話で)「あなたがしたことよ父さん。私達は、このくらいの盗みはしなくてもよいものを、あなたがすることは、こうして私を苦しめるといってもあるのか。」と妻が言った。「こら!まだ蔵の口は満ちていないだろう、〈金庫は満ちてはいない意味〉盗みをしてでも金庫は満たすべきだ。」と言ったので、すぐ捕(とら)えられた。そのポーロントン裁判官は籠に入って(その夫婦の会話を)聞いていたのであった。この夫婦の話から、(この事件は)そのポーロントン裁判官が裁いた。それからまた、盗んででも蔵の口を満たすという口上がある。女のよけいなおしゃべりも大変なことになる。それと、誠の上には弓の夫もたたないということもそのいわれからである。 |
| 全体の記録時間数 | 2:39 |
| 物語の時間数 | 2:39 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |