菊酒はね、昔、男が旅に行っているんだ。妻は家においてね。それでもう長い間、二、三年後に帰ってきてね。その時は男が入っているでしょう。妻は色男をつくっているわけだ。それで、隣の人はわかっているでしょう。だから、「ちょっと休んでから家には行きなさい。」と言った。そして、コップに酒をつぎ、コップの下にゴミを入れて菊でおおってね。ゴミを入れても菊でおおったら人間のゴミ、つまり、悪いところはおおったらかくせるということだね。そこで、この旅から帰ったところ、すでに、ここに男は入っているでしょう。入っていることがわかっているので、菊酒を作って飲ませた人はそう言ったのでしょうね。そういうわけで、弓を持たしたようだね。「この弓であなたのいとしい人を討ちなさい。」と言って友達が持たしたようだね。その弓を。そして、まっさきに家に行こうとすると、途中に馬がいたので、馬に弓を引こうとするができなかったようだね。それで、家に来たら他の男が来ているでしょう。突然、夫が帰って来たのでこの女は、妻は逃げる暇もない。昔はケーというのがあるがね。タンスもない頃で、ニービチケーといって大きいのがあるよ。〉この中に男を入れていたようだ。「妻の様子がおかしいなあ。」と思って、弓を引いたらね。弓を引いたら、自分の妻はかがんだわけだ。かがんだので、矢はケーにあたったようだ。矢はね。そうしたらケーが震えるので、「これは変だなあ。」と思って、あけてみると男が入っているでしょう。旅から帰ってきた夫は驚きのあまり何も言わずに、そのまま、また友達の家に行ったようだ。そこで、その友達が言うには、「ゴミは人間の非というのは隠そうと思えば隠すことができる。その意味で、この菊酒というのは、コップの下にゴミを入れて、菊の葉で覆って、あなたに飲ましたのでね。あなたがそれでいいのであれば、この妻は、もういつまでもあなたの妻でいるが、あなたが許してあげなかったらもう別れないといけないでしょう。」そこで、この男は考えるでしょう。「私が旅に出て留守にしていたので、悪いのは私だからもういいでしょう。」と言った。「そういう事があったので、その意味で、菊酒というのは九月九日の男が帰って来た日が九月九日なので菊酒というのはやるのだよ。」と、喜名の若者達一人、二人に言ったらね、菊酒を祖先の前に供えていたんだね。そんな事があったのを知らないので、「君は浮気でもするのかい。」と言ったら、「どうしてお父さんそう言うの。」「これはこういう意味だよ。君が男でも入れてあるのなら供えなさい。」と言ったら、それからしなくなった。だいたい菊酒というのはそんなものだ。簡単だよ。
| レコード番号 | 47O370196 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C008 |
| 決定題名 | 菊酒由来(方言) |
| 話者がつけた題名 | 菊酒由来 |
| 話者名 | 宇根良誘 |
| 話者名かな | うねりょうゆう |
| 生年月日 | 19060610 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 本部 |
| 記録日 | 19800214 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村喜名T11A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話、 民俗 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集2喜名の民話 P85 |
| キーワード | 菊酒,弓,馬,ケー,九月九日 |
| 梗概(こうがい) | 菊酒はね、昔、男が旅に行っているんだ。妻は家においてね。それでもう長い間、二、三年後に帰ってきてね。その時は男が入っているでしょう。妻は色男をつくっているわけだ。それで、隣の人はわかっているでしょう。だから、「ちょっと休んでから家には行きなさい。」と言った。そして、コップに酒をつぎ、コップの下にゴミを入れて菊でおおってね。ゴミを入れても菊でおおったら人間のゴミ、つまり、悪いところはおおったらかくせるということだね。そこで、この旅から帰ったところ、すでに、ここに男は入っているでしょう。入っていることがわかっているので、菊酒を作って飲ませた人はそう言ったのでしょうね。そういうわけで、弓を持たしたようだね。「この弓であなたのいとしい人を討ちなさい。」と言って友達が持たしたようだね。その弓を。そして、まっさきに家に行こうとすると、途中に馬がいたので、馬に弓を引こうとするができなかったようだね。それで、家に来たら他の男が来ているでしょう。突然、夫が帰って来たのでこの女は、妻は逃げる暇もない。昔はケーというのがあるがね。タンスもない頃で、ニービチケーといって大きいのがあるよ。〉この中に男を入れていたようだ。「妻の様子がおかしいなあ。」と思って、弓を引いたらね。弓を引いたら、自分の妻はかがんだわけだ。かがんだので、矢はケーにあたったようだ。矢はね。そうしたらケーが震えるので、「これは変だなあ。」と思って、あけてみると男が入っているでしょう。旅から帰ってきた夫は驚きのあまり何も言わずに、そのまま、また友達の家に行ったようだ。そこで、その友達が言うには、「ゴミは人間の非というのは隠そうと思えば隠すことができる。その意味で、この菊酒というのは、コップの下にゴミを入れて、菊の葉で覆って、あなたに飲ましたのでね。あなたがそれでいいのであれば、この妻は、もういつまでもあなたの妻でいるが、あなたが許してあげなかったらもう別れないといけないでしょう。」そこで、この男は考えるでしょう。「私が旅に出て留守にしていたので、悪いのは私だからもういいでしょう。」と言った。「そういう事があったので、その意味で、菊酒というのは九月九日の男が帰って来た日が九月九日なので菊酒というのはやるのだよ。」と、喜名の若者達一人、二人に言ったらね、菊酒を祖先の前に供えていたんだね。そんな事があったのを知らないので、「君は浮気でもするのかい。」と言ったら、「どうしてお父さんそう言うの。」「これはこういう意味だよ。君が男でも入れてあるのなら供えなさい。」と言ったら、それからしなくなった。だいたい菊酒というのはそんなものだ。簡単だよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:41 |
| 物語の時間数 | 3:41 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |