この縁結びという話は、これは唐話だがね。唐でのことなんだが、そこで財閥の長男が跡継ぎをすることになったんでしょうね。しかし、妻がいなければ跡継ぎはさせないわけだ。妻がいなかったらね。それで、妻をめとらなければならないでしょう。妻になる人をさがすために、山に入り、山奥へ修業しに行った。そしたら、そこで赤髭のおじいさんがね、赤綱を綯っていたようだ。綱を綯っているおじいさんが、「どうした、青年よ、何をしにここヘ、何でそこを歩いているのか。」と言ったら、「実は親の跡継ぎをするには、妻がいなければ跡は継げないので妻をさがすためです。」と言った。すると、じいさんが、「お前の妻になる人は柳が生えている井戸で、髪を洗っている女だよ。その女と夫婦の縁が結ばれているよ。」と言った。それで、その女を見たら、後姿では体格も良くて美人なんだね。前から見るとミーハガーだった。これは神の結んだ縁で、これを妻にしなければいけないので、こいつを生かしておったら大変なことになる。そう考えた男は、持っている短刀で切りつけたわけだ。その女は切りつけられたので倒れてしまった。倒れたので、この金持ちの息子は、もう怯えて短刀はそこに残したまま逃げて行った。その女はもう、いっときは気を失っていたらしい。それから、気をとり戻したので、短刀を持って家に帰ったそうだ。そして、その短刀を母親に見せたようだ。「この短刀を持っていた人が、私のここに切りつけたんだ。」と母親に言ったら、「そうか、この短刀は、この短刀はもう大事に持っていて、これで必ず敵とりなさいね。」と言った。そのために大切に持っていたようだね。その女が。それから、年月が流れて、再度、結婚することになり、ちょうど、相手がその女になっていた。自分が短刀で切りつけた女、その人と結婚することになったんだね。そこで、結婚したら、風呂なんだがね。支那や唐では、夫婦いっしょに風呂に入るようだ。その女は肩に傷があるので、いつもタオルを掛けていた。それで、その男が、「どうして、夫婦だのに、毎日いろんなタオルをここに掛けるのだね。」と言った。「夫婦だから礼儀とか何とかはないからするな。」と男が取って見たら、そこに傷があったようだ。自分が切りつけたのはわかるからね、傷を見て、その男は肝をぬかす程驚いてね。「これは私が刺した女ではないだろうか。」と、すごくびっくりしたそうだ。それから、女が言うには「それじゃ、どこそこの井戸でね、柳が生えている井戸で、髪を洗っていたが、急に切りつけられて、その男は逃げてしまった。それで、私が生きている間にこの短刀で敵とる。」と、一応夫に見せた。「これは私の物だ!私がやったのだ!それでは敵をとれ、私を殺してくれ!」と、夫は叫んだ。もう結婚しているからね。ニービチしているのだから、殺すことはできなかった。それにこの女の夫だから殺すことはできないでしょう。だから、「もういい。」とその女は夫を許してあげた。これは、この世に生を受けた時に、神が縁を結んでない夫婦であったならば、実際には縁は結ばれてないのだから離婚したでしょうね。そういうことで、この夫婦は、ほんとうに神が縁を結んだ夫婦だったのでしょうね。だから、離婚することもなくずっと夫婦でいて、家庭も栄えたということだ。そんなわけで、今につけて、たまには離婚するのもいるでしょう。そのような人達は縁は結ばれてないのでしょうね、この言葉はその時から出ているのだよ。
| レコード番号 | 47O370195 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C008 |
| 決定題名 | 夫婦の赤い糸(方言) |
| 話者がつけた題名 | 夫婦の縁結び |
| 話者名 | 宇根良誘 |
| 話者名かな | うねりょうゆう |
| 生年月日 | 19060610 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 本部 |
| 記録日 | 19780610 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村喜名T10B05 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集2喜名の民話 P75 |
| キーワード | 縁結び,赤髭タンメー,赤綱,髪を洗っている女,ミーハガー,肩に傷,神 |
| 梗概(こうがい) | この縁結びという話は、これは唐話だがね。唐でのことなんだが、そこで財閥の長男が跡継ぎをすることになったんでしょうね。しかし、妻がいなければ跡継ぎはさせないわけだ。妻がいなかったらね。それで、妻をめとらなければならないでしょう。妻になる人をさがすために、山に入り、山奥へ修業しに行った。そしたら、そこで赤髭のおじいさんがね、赤綱を綯っていたようだ。綱を綯っているおじいさんが、「どうした、青年よ、何をしにここヘ、何でそこを歩いているのか。」と言ったら、「実は親の跡継ぎをするには、妻がいなければ跡は継げないので妻をさがすためです。」と言った。すると、じいさんが、「お前の妻になる人は柳が生えている井戸で、髪を洗っている女だよ。その女と夫婦の縁が結ばれているよ。」と言った。それで、その女を見たら、後姿では体格も良くて美人なんだね。前から見るとミーハガーだった。これは神の結んだ縁で、これを妻にしなければいけないので、こいつを生かしておったら大変なことになる。そう考えた男は、持っている短刀で切りつけたわけだ。その女は切りつけられたので倒れてしまった。倒れたので、この金持ちの息子は、もう怯えて短刀はそこに残したまま逃げて行った。その女はもう、いっときは気を失っていたらしい。それから、気をとり戻したので、短刀を持って家に帰ったそうだ。そして、その短刀を母親に見せたようだ。「この短刀を持っていた人が、私のここに切りつけたんだ。」と母親に言ったら、「そうか、この短刀は、この短刀はもう大事に持っていて、これで必ず敵とりなさいね。」と言った。そのために大切に持っていたようだね。その女が。それから、年月が流れて、再度、結婚することになり、ちょうど、相手がその女になっていた。自分が短刀で切りつけた女、その人と結婚することになったんだね。そこで、結婚したら、風呂なんだがね。支那や唐では、夫婦いっしょに風呂に入るようだ。その女は肩に傷があるので、いつもタオルを掛けていた。それで、その男が、「どうして、夫婦だのに、毎日いろんなタオルをここに掛けるのだね。」と言った。「夫婦だから礼儀とか何とかはないからするな。」と男が取って見たら、そこに傷があったようだ。自分が切りつけたのはわかるからね、傷を見て、その男は肝をぬかす程驚いてね。「これは私が刺した女ではないだろうか。」と、すごくびっくりしたそうだ。それから、女が言うには「それじゃ、どこそこの井戸でね、柳が生えている井戸で、髪を洗っていたが、急に切りつけられて、その男は逃げてしまった。それで、私が生きている間にこの短刀で敵とる。」と、一応夫に見せた。「これは私の物だ!私がやったのだ!それでは敵をとれ、私を殺してくれ!」と、夫は叫んだ。もう結婚しているからね。ニービチしているのだから、殺すことはできなかった。それにこの女の夫だから殺すことはできないでしょう。だから、「もういい。」とその女は夫を許してあげた。これは、この世に生を受けた時に、神が縁を結んでない夫婦であったならば、実際には縁は結ばれてないのだから離婚したでしょうね。そういうことで、この夫婦は、ほんとうに神が縁を結んだ夫婦だったのでしょうね。だから、離婚することもなくずっと夫婦でいて、家庭も栄えたということだ。そんなわけで、今につけて、たまには離婚するのもいるでしょう。そのような人達は縁は結ばれてないのでしょうね、この言葉はその時から出ているのだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:49 |
| 物語の時間数 | 4:49 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |