猩々のことを話してみようか。猿は一種類ではないようだね。幾種類もあるんだ。あなた達は見たことがないか。見ているかな、見ているね。猿は種類によって大変違うんだよ。猩々というのは猿の種類に入る。猩々の思考力は人間より少し劣るだけだそうだ。それに人間の容姿も気にするようだよ。たとえば、人間の女を見つけると美人を選ぶそうだよ。猩々というのは。そんなものだが、これは内地での話で、沖縄ではない。ある時、友達三人で、山に何かを取りにということで、遊び半分に出かけたらしいね。今だに思うのだが、人には、とっても仲の良い友達というのは、二人とか三人で、それ以上はいないようだね、私はだいたい見て来ているがね。そうなんだが、三人で山に行ったようだ。三人で行っているのだが、どういう運の悪さからなのか。その猿の仲間には猩々というのがいるし、昔通の猿がおり、猿というのは尾も長いしね。猩々というのは尾も短いし、体格も大きいようだ。それは見たことはなく、話だけは聞いているのだが。聞いたところでは、山に三人で遊びに行ったようだ。仕事しになのか、遊びになのか、それは分らない。三人の中でいちばん良い人が猩々というものに出会ってしまった。そして抱きかかえられて連れ去られた。猩々は力もあり体も大きいので、簡単さらって行った。そういうことで、二人は帰って来たが、一人はもう猩々にさらわれてしまったので帰って来なかったそうだ。それで、イキーが、「これはけしからん。猩々を探して殺さなくてはいけない。」と言って、鉄砲を持っていつもその山に通ったようだが、一週間もの間通っても全く見つからなかったそうだ。やっと一週間目に姿を現わしたようだね。山にはイキーはただ歩いていたのではなく、猩々を殺すためだったので、鉄砲で猩々を射ったそうだ。射ってしまうと珍しいことが起きた。さらわれたその女は涙を流したそうだ。相棒の猩々が射たれて死んでいるのを見てね。女は獣にさらわれたために、それまで山で生活していたので髪も乱れていたのでしょうね。身も心もすっかり変わりはてるぐらいにね。人間がこんなふうに獣にさらわれた話を聞いたのだよ。これも話を聞いただけで、実際に見たことはないんだ。
| レコード番号 | 47O370130 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C006 |
| 決定題名 | ショージョーにさらわれた女(方言) |
| 話者がつけた題名 | 猿と女 |
| 話者名 | 渡嘉敷兼求 |
| 話者名かな | とかしきけんきゅう |
| 生年月日 | 18800619 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村喜名 |
| 記録日 | 19770619 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第1班 |
| 元テープ番号 | 読谷村喜名T07A06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集2喜名の民話 P54 |
| キーワード | ショージョー,猿 |
| 梗概(こうがい) | 猩々のことを話してみようか。猿は一種類ではないようだね。幾種類もあるんだ。あなた達は見たことがないか。見ているかな、見ているね。猿は種類によって大変違うんだよ。猩々というのは猿の種類に入る。猩々の思考力は人間より少し劣るだけだそうだ。それに人間の容姿も気にするようだよ。たとえば、人間の女を見つけると美人を選ぶそうだよ。猩々というのは。そんなものだが、これは内地での話で、沖縄ではない。ある時、友達三人で、山に何かを取りにということで、遊び半分に出かけたらしいね。今だに思うのだが、人には、とっても仲の良い友達というのは、二人とか三人で、それ以上はいないようだね、私はだいたい見て来ているがね。そうなんだが、三人で山に行ったようだ。三人で行っているのだが、どういう運の悪さからなのか。その猿の仲間には猩々というのがいるし、昔通の猿がおり、猿というのは尾も長いしね。猩々というのは尾も短いし、体格も大きいようだ。それは見たことはなく、話だけは聞いているのだが。聞いたところでは、山に三人で遊びに行ったようだ。仕事しになのか、遊びになのか、それは分らない。三人の中でいちばん良い人が猩々というものに出会ってしまった。そして抱きかかえられて連れ去られた。猩々は力もあり体も大きいので、簡単さらって行った。そういうことで、二人は帰って来たが、一人はもう猩々にさらわれてしまったので帰って来なかったそうだ。それで、イキーが、「これはけしからん。猩々を探して殺さなくてはいけない。」と言って、鉄砲を持っていつもその山に通ったようだが、一週間もの間通っても全く見つからなかったそうだ。やっと一週間目に姿を現わしたようだね。山にはイキーはただ歩いていたのではなく、猩々を殺すためだったので、鉄砲で猩々を射ったそうだ。射ってしまうと珍しいことが起きた。さらわれたその女は涙を流したそうだ。相棒の猩々が射たれて死んでいるのを見てね。女は獣にさらわれたために、それまで山で生活していたので髪も乱れていたのでしょうね。身も心もすっかり変わりはてるぐらいにね。人間がこんなふうに獣にさらわれた話を聞いたのだよ。これも話を聞いただけで、実際に見たことはないんだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:24 |
| 物語の時間数 | 3:24 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |