昔、ある所に、ニーブイ次良(寝坊者の次良)という人がいたそうだ。そしてまた次良の家のそばに、すぐ隣に、とてもべっぴんの美しいお嬢さんがいたそうだ。そして、親たちが、「もう私たちの次良とあなたたちの娘と、夫婦にしようね。」という相談をしていたそうだ。ところが、この娘の家族から、「いや、これはもう寝坊者の次良だから、これの妻にはさせない。」と言って、いつも断わりに来たりしていたようだ。そこで、「そう言うんであれば、これはもうどうにかして知恵を出そう。」と、ニーブイ次郎は考えたようだ。そして、ある夜次良はそこの娘の家の屋敷の 福木の上に鷺(さぎ)ね、鷺を夜持っていってはでにパタパタと飛ばしたようだ。そうすると、パタパタ音をさせたので、「なにか今日は不思議なこともある。」と思って、夜中に鷺が福木の上でパタパタ羽音をたてているので、そこの家族はみんな起き出してきたわけだ。そこで次良は、こう言ったようだ。「お前たちの娘と、隣のニーブイ次良と夫婦にしないのであれば、お前たちの家は、おとろえてしまうから、ぜひ次良と夫婦にしなさい。」と、次良が言ったようだ。そうすると、娘の親は、「はあ、いいえ、次良は、もうあんな奴はもう大変な寝坊者ですから、あれとはどうしても夫婦にできません。」と言った。すると次良は、「ああ私は神である。」と初めに言ってあったので、「神様からの言葉であるので、良く聞きなさいよ。」と言うと、すると「はあ。」と娘の家族はみんなそれを聞いて、「しかし、あれは大変寝坊のニーブイ次良ですから、あれの妻にはさせません。」と言うと、次良は、「いや、これの妻にしないのであれば、これは、家もそうだし、お前たちの子どもも、思う通りにはいかないからせひ夫婦にしなさいよ。」と言ったので、「もうそうならば、仕方ないですから、もう夫婦にしましょう。」「さて、間違いないであろうな。」「はい。」と娘の家族が答えたので、ニーブイ次良は準備してきた鷺に、提燈をつけて飛ばしてやったようだ。そうしたので、なるほど、そこの家族は、「ああこれは、本当の神様であられるんだなあ。これはもうせひとも、たとえニーブイ次良であっても、もうこれの妻にしなくてはならないなあ。これの妻にしなければ、もうそれは困ったことになると、神様はおっしゃったのだから。」と、それを信じて、そしてその夜は休んだ。このニーブイ次良は、そこの家族が寝ると、ゆっくりと、福木から降りて、家へ帰り、「さてさて、今日は、大きな魚をつかんだ。」と言って、喜んだそうだ。そうして、翌日になると、なるほど、隣のお嬢さんの家族が、次良の家に来て、「夕べ、かくかくしかじかで、神様が天の神様がいらっしゃって、あなたたちの次良と私たちの娘とぜひとも夫婦にさせなさいと、こういうわけですので、ぜひそうして下さいな。」とお願いした。それで次良の家族は、「いや、これは、あなた方は夫婦にできない、できないと言っていたのに、それはおかしいのではないか。」と言ったのだが、「いや、それはもう是非とも夫婦にしてください。」と頼んだので、実は、次良の家族も夫婦にしてあげたいのだから、「もうそれならば。」と、両方とも合点して、そして二人は結婚したという話。だから、ニーブイ次良というのは、なかなかの知恵者だったという話である。それだけ。
| レコード番号 | 47O376489 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C262 |
| 決定題名 | ニーブイ次良(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 長嶺安有 |
| 話者名かな | ながみねあんゆう |
| 生年月日 | 18991218 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村南恩納 |
| 記録日 | 19760606 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T45B08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 親や先輩から聞いた |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・昔話編』P93 |
| キーワード | ニーブイ次良,美しいお嬢さん,親,夫婦,断わりに来た,娘の家の屋敷,福木,鷺,神様,大きな魚,知恵者 |
| 梗概(こうがい) | 昔、ある所に、ニーブイ次良(寝坊者の次良)という人がいたそうだ。そしてまた次良の家のそばに、すぐ隣に、とてもべっぴんの美しいお嬢さんがいたそうだ。そして、親たちが、「もう私たちの次良とあなたたちの娘と、夫婦にしようね。」という相談をしていたそうだ。ところが、この娘の家族から、「いや、これはもう寝坊者の次良だから、これの妻にはさせない。」と言って、いつも断わりに来たりしていたようだ。そこで、「そう言うんであれば、これはもうどうにかして知恵を出そう。」と、ニーブイ次郎は考えたようだ。そして、ある夜次良はそこの娘の家の屋敷の 福木の上に鷺(さぎ)ね、鷺を夜持っていってはでにパタパタと飛ばしたようだ。そうすると、パタパタ音をさせたので、「なにか今日は不思議なこともある。」と思って、夜中に鷺が福木の上でパタパタ羽音をたてているので、そこの家族はみんな起き出してきたわけだ。そこで次良は、こう言ったようだ。「お前たちの娘と、隣のニーブイ次良と夫婦にしないのであれば、お前たちの家は、おとろえてしまうから、ぜひ次良と夫婦にしなさい。」と、次良が言ったようだ。そうすると、娘の親は、「はあ、いいえ、次良は、もうあんな奴はもう大変な寝坊者ですから、あれとはどうしても夫婦にできません。」と言った。すると次良は、「ああ私は神である。」と初めに言ってあったので、「神様からの言葉であるので、良く聞きなさいよ。」と言うと、すると「はあ。」と娘の家族はみんなそれを聞いて、「しかし、あれは大変寝坊のニーブイ次良ですから、あれの妻にはさせません。」と言うと、次良は、「いや、これの妻にしないのであれば、これは、家もそうだし、お前たちの子どもも、思う通りにはいかないからせひ夫婦にしなさいよ。」と言ったので、「もうそうならば、仕方ないですから、もう夫婦にしましょう。」「さて、間違いないであろうな。」「はい。」と娘の家族が答えたので、ニーブイ次良は準備してきた鷺に、提燈をつけて飛ばしてやったようだ。そうしたので、なるほど、そこの家族は、「ああこれは、本当の神様であられるんだなあ。これはもうせひとも、たとえニーブイ次良であっても、もうこれの妻にしなくてはならないなあ。これの妻にしなければ、もうそれは困ったことになると、神様はおっしゃったのだから。」と、それを信じて、そしてその夜は休んだ。このニーブイ次良は、そこの家族が寝ると、ゆっくりと、福木から降りて、家へ帰り、「さてさて、今日は、大きな魚をつかんだ。」と言って、喜んだそうだ。そうして、翌日になると、なるほど、隣のお嬢さんの家族が、次良の家に来て、「夕べ、かくかくしかじかで、神様が天の神様がいらっしゃって、あなたたちの次良と私たちの娘とぜひとも夫婦にさせなさいと、こういうわけですので、ぜひそうして下さいな。」とお願いした。それで次良の家族は、「いや、これは、あなた方は夫婦にできない、できないと言っていたのに、それはおかしいのではないか。」と言ったのだが、「いや、それはもう是非とも夫婦にしてください。」と頼んだので、実は、次良の家族も夫婦にしてあげたいのだから、「もうそれならば。」と、両方とも合点して、そして二人は結婚したという話。だから、ニーブイ次良というのは、なかなかの知恵者だったという話である。それだけ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:31 |
| 物語の時間数 | 4:31 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |