それは、どういうことかと言ったらね。それは、モーヤーという人は、そのころはまだ、子どもで大人ではなかった。それで、そのモーヤーという人は名高かったので、うんと知恵があったのか、なかったのか、あまりにも頭が良すぎてやんちゃをしていたのか、もうそれはわからないが。その隣の家がねえ、ここは私たちの屋敷で、ここはあなたたちの屋敷だと言って分けてあった隣の蜜柑はもうモーイの屋敷に垂れ下がっていてね。根は、隣の屋敷から出ているんだね。根は隣の屋敷から根は生えて、枝は全部モーヤーたちの屋敷に垂れ下っていたようだ。それで、モーヤーがねえ、蜜柑を全部もぎ取って食ってしまってね。そうしたら、モーヤーのお母さんまでも、「まあ、あんなもの、それは人のものだよ。」と言うと、モーヤーが、「私たちの屋敷に垂れ下がっているものだから、私たちのものだ。どうして人のものなのか。」と言うと、またお母さんは、「それでも取ってはいけない。」と言った。それで、後は、隣の主人はどうして怒ったか、「おい、お前はいつもこれを食べているが、お前はほんとうに許さんぞ。」と言ったのでね、モーヤーは、「それではもぎ取りません。もうしませんので。」と言ったので。その隣の家が、今度はお祝いをやることになってね。その九年母木の根の生えている家は、お祝いをすることになって、それで、これ(モーヤー)は、「今日はもういたずらしてやろう。」と言って、それで、あちらこちら回って、「腐れ物を探して来ないといけない。」と言って、「よかった。死んだ小豚があった。」と言って、それを持って来てね、竿にくくってね。ちょうど、隣は、お祝いなんだけどね。もう竿にくくって、こうさし出してね、そこに。(隣りの人たちは)もう、「臭いよう。」と言って、一人残らず、もうさんざんな目にあって、見てみると、そうなっている。それでもうそこの主人は飛び出して来て、叱ったらね。モーヤーは、「根はどこから出ているか。枝先はどこにあるか。」と言った。「ああ、モーヤー、もうもう参った。もうこれからは、お前の勝手だ。もうその蜜柑は全部、お前が食べなさい。もうお前の勝手だ。もう私はもう負けたよ。あれを切って投げ捨てることもできないので、もうそれを取ってくれよ。」と言ったら、「それならよい。」と言って小豚を取って捨てたそうだ。それから後は、何もかも、モーヤーに負けていたんですよ。
| レコード番号 | 47O376442 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C259 |
| 決定題名 | モーイ親方の根はどちら(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 荻堂盛仁 |
| 話者名かな | おぎどうせいじん |
| 生年月日 | 18930702 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村太田 |
| 記録日 | 19760530 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T43A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 首里の玉城殿内のお爺が話し好きで昔話をよく聞かせてくれた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・昔話編』P215 |
| キーワード | モーヤー,知恵,隣の家,蜜柑,モーイの屋敷,蜜柑を全部もぎ取って食った,モーヤーのお母さん,九年母木の根,腐れ物,根はどこから出ているか,枝先はどこにあるか,小豚 |
| 梗概(こうがい) | それは、どういうことかと言ったらね。それは、モーヤーという人は、そのころはまだ、子どもで大人ではなかった。それで、そのモーヤーという人は名高かったので、うんと知恵があったのか、なかったのか、あまりにも頭が良すぎてやんちゃをしていたのか、もうそれはわからないが。その隣の家がねえ、ここは私たちの屋敷で、ここはあなたたちの屋敷だと言って分けてあった隣の蜜柑はもうモーイの屋敷に垂れ下がっていてね。根は、隣の屋敷から出ているんだね。根は隣の屋敷から根は生えて、枝は全部モーヤーたちの屋敷に垂れ下っていたようだ。それで、モーヤーがねえ、蜜柑を全部もぎ取って食ってしまってね。そうしたら、モーヤーのお母さんまでも、「まあ、あんなもの、それは人のものだよ。」と言うと、モーヤーが、「私たちの屋敷に垂れ下がっているものだから、私たちのものだ。どうして人のものなのか。」と言うと、またお母さんは、「それでも取ってはいけない。」と言った。それで、後は、隣の主人はどうして怒ったか、「おい、お前はいつもこれを食べているが、お前はほんとうに許さんぞ。」と言ったのでね、モーヤーは、「それではもぎ取りません。もうしませんので。」と言ったので。その隣の家が、今度はお祝いをやることになってね。その九年母木の根の生えている家は、お祝いをすることになって、それで、これ(モーヤー)は、「今日はもういたずらしてやろう。」と言って、それで、あちらこちら回って、「腐れ物を探して来ないといけない。」と言って、「よかった。死んだ小豚があった。」と言って、それを持って来てね、竿にくくってね。ちょうど、隣は、お祝いなんだけどね。もう竿にくくって、こうさし出してね、そこに。(隣りの人たちは)もう、「臭いよう。」と言って、一人残らず、もうさんざんな目にあって、見てみると、そうなっている。それでもうそこの主人は飛び出して来て、叱ったらね。モーヤーは、「根はどこから出ているか。枝先はどこにあるか。」と言った。「ああ、モーヤー、もうもう参った。もうこれからは、お前の勝手だ。もうその蜜柑は全部、お前が食べなさい。もうお前の勝手だ。もう私はもう負けたよ。あれを切って投げ捨てることもできないので、もうそれを取ってくれよ。」と言ったら、「それならよい。」と言って小豚を取って捨てたそうだ。それから後は、何もかも、モーヤーに負けていたんですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:03 |
| 物語の時間数 | 3:03 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |