猿になった金持ち(共通語混)

概要

まずね、猿になったりからすになったりしたのはほんとうの話。あれは 那覇泊、泊高橋でねえ。隣にはお婆さんお爺さんが住んでいらしてね。住んでいらしたが、このお爺お婆はもう貧乏者、大変な貧乏者でね。もう金も食べるのもない、何もないのだよ。それでこの夫婦の隣はまた、藍染め屋なんだ、藍染め、この黒いの。昔はあの かしと言ってもめんがありましたよ。このもめんをね、染める藍染め、藍染め屋は、金持ちでね、この金持ちの隣に住んでいるこの爺さん婆さんは貧乏だったんだ。さあ、正月の大みそかにね、もう食べるのもないんだ年寄り夫婦は。二人は今度は火をたいて燃やしてね、このお爺さんお婆さんは食べる物もないからね、火正月、これはあるでしょう沖縄に火正月というのが。火を燃やしていたらしいですよ。そこへある神様が、天から降りていらして、「何が欲しいか。」と、この爺さん婆さんに神様が聞くと、「私たちは金よりも若くしてもらいたい。」と答えたので、「あなたたちはこの米を鍋入れて食べなさい。」と神様は言って、ほんの少しの米を大きななべに入れると、このごはんがいっぱいになってよ。それから神様はまた、「お金が欲しくないならね、今度はあなたたちはね、湯をわかしなさい。若くなりたいなら浴びせてやろう。」と、それで今度はなべの一杯お湯をわかして、この爺さん婆さんが浴びると、もうもとの若いときのように若くなってね。若くなって、若くなったので今度はまた、隣がうらやましがって、この藍染め屋の人が、「どうやってあなた方はこんなに若く美しくなったのか。どうやったのか。」と聞くので爺さん婆さんは、「私たちは天から神様が降りていらしてね。浴びたらこんなに若くなった。」と答えると、「うらやましい。その人は何時降りていらっしゃるのかね。」と隣の人が聞くので、「またいついつの日に私たちの所に降りていらっしゃると言っていた。」と言うと、隣の人は、「それでは、その時には、私たちにも教えてくれ。」と頼んだ。爺さん婆さんがそのことを話すと、神様は、「はい、あんたたちも湯をわかしなさい。」と、このまた隣の藍染め屋を浴びせると、今度は猿になった。一人は猿、一人は烏、それで烏は全部まっ黒なんたそうだ。これほんとうだと言うよ。烏になってね。烏になったので、神様は爺さん、婆さんに、「はい、今はここの藍染め屋は、みんなね、お猿になったり烏になって飛んでいって、ここにいないから、あんたまたちはこの屋敷で暮らしなさい。」と言った。そこに暮らすようになると、隣りの人が爺さん婆さんに、毎日、「私たちの屋敷だ。」と、このお猿は入口の門に座ってね。お猿がそうやって座るでしょう。そこで爺さん婆さんは、「こういうことを猿がしますよ。」とまた、天から神様が降りて来た時に言うわけさ。すると、今度はまたこの爺さん婆さんに、「大きな石ね、かたい石。これを強く焼いてね、猿がくるときの時間を見はからってね、この石を焼いて、ここに置いておきなさいと、そしたら来なくなるから。」と神様は教えたんだ。そうすると、この焼いた石の上にまた猿がやってきて座ったので、今度は尻が焼けて赤くなったって、この猿の尻は。こういう話があったんですよ。これはほんとうのことだよ。そして、その尻は、赤くなってね、それに座ったので、それから、「いたい、いたい。」と言って、もう来なくなって。こういう話があったですよ。

再生時間:5:12

民話詳細DATA

レコード番号 47O375777
CD番号 47O37C233
決定題名 猿になった金持ち(共通語混)
話者がつけた題名
話者名 翁長マセ
話者名かな おながませ
生年月日 18980101
性別
出身地 沖縄県恩納村前兼久
記録日 19760226
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 恩納村T24A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 話が好きで母親から聞いた。
文字化資料 『恩納村の民話・昔話編』P155
キーワード 隣にはお婆さんお爺さん,貧乏者,夫婦の隣は藍染め屋,火正月,神様,鍋に食べ物,お金が,若くなりたい,猿や烏,石,猿の尻は赤い
梗概(こうがい) まずね、猿になったりからすになったりしたのはほんとうの話。あれは 那覇泊、泊高橋でねえ。隣にはお婆さんお爺さんが住んでいらしてね。住んでいらしたが、このお爺お婆はもう貧乏者、大変な貧乏者でね。もう金も食べるのもない、何もないのだよ。それでこの夫婦の隣はまた、藍染め屋なんだ、藍染め、この黒いの。昔はあの かしと言ってもめんがありましたよ。このもめんをね、染める藍染め、藍染め屋は、金持ちでね、この金持ちの隣に住んでいるこの爺さん婆さんは貧乏だったんだ。さあ、正月の大みそかにね、もう食べるのもないんだ年寄り夫婦は。二人は今度は火をたいて燃やしてね、このお爺さんお婆さんは食べる物もないからね、火正月、これはあるでしょう沖縄に火正月というのが。火を燃やしていたらしいですよ。そこへある神様が、天から降りていらして、「何が欲しいか。」と、この爺さん婆さんに神様が聞くと、「私たちは金よりも若くしてもらいたい。」と答えたので、「あなたたちはこの米を鍋入れて食べなさい。」と神様は言って、ほんの少しの米を大きななべに入れると、このごはんがいっぱいになってよ。それから神様はまた、「お金が欲しくないならね、今度はあなたたちはね、湯をわかしなさい。若くなりたいなら浴びせてやろう。」と、それで今度はなべの一杯お湯をわかして、この爺さん婆さんが浴びると、もうもとの若いときのように若くなってね。若くなって、若くなったので今度はまた、隣がうらやましがって、この藍染め屋の人が、「どうやってあなた方はこんなに若く美しくなったのか。どうやったのか。」と聞くので爺さん婆さんは、「私たちは天から神様が降りていらしてね。浴びたらこんなに若くなった。」と答えると、「うらやましい。その人は何時降りていらっしゃるのかね。」と隣の人が聞くので、「またいついつの日に私たちの所に降りていらっしゃると言っていた。」と言うと、隣の人は、「それでは、その時には、私たちにも教えてくれ。」と頼んだ。爺さん婆さんがそのことを話すと、神様は、「はい、あんたたちも湯をわかしなさい。」と、このまた隣の藍染め屋を浴びせると、今度は猿になった。一人は猿、一人は烏、それで烏は全部まっ黒なんたそうだ。これほんとうだと言うよ。烏になってね。烏になったので、神様は爺さん、婆さんに、「はい、今はここの藍染め屋は、みんなね、お猿になったり烏になって飛んでいって、ここにいないから、あんたまたちはこの屋敷で暮らしなさい。」と言った。そこに暮らすようになると、隣りの人が爺さん婆さんに、毎日、「私たちの屋敷だ。」と、このお猿は入口の門に座ってね。お猿がそうやって座るでしょう。そこで爺さん婆さんは、「こういうことを猿がしますよ。」とまた、天から神様が降りて来た時に言うわけさ。すると、今度はまたこの爺さん婆さんに、「大きな石ね、かたい石。これを強く焼いてね、猿がくるときの時間を見はからってね、この石を焼いて、ここに置いておきなさいと、そしたら来なくなるから。」と神様は教えたんだ。そうすると、この焼いた石の上にまた猿がやってきて座ったので、今度は尻が焼けて赤くなったって、この猿の尻は。こういう話があったんですよ。これはほんとうのことだよ。そして、その尻は、赤くなってね、それに座ったので、それから、「いたい、いたい。」と言って、もう来なくなって。こういう話があったですよ。
全体の記録時間数 5:12
物語の時間数 5:12
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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