沖縄の侍がね、「もう私は沖縄で一番の美しい人を妻にしたいな。」といって考えていてね。考えて、それでどうして沖縄の美しい人を探そうかといってね、考えたところがね。それで、ああそういえばこれは乞食というのはあちこちの村を物乞いをして歩くわけね。物をもらって歩くわけね。それでね、昔は物乞いに物乞いと言ってたよ。「この物乞いにたずねたらわかるはずだ。」といってね。その物乞いを呼んでね。その人に聞いたら、「ああ、山原にね、大変な美しい人がいるよ。」といってね。このまた乞食がね、教えたらしいよ。すると、そのまた侍はすぐに山原に行って、探しに行ったらしいよ。それでね探して行ったけどね、「今日はね、都合が悪いので、改めてね、返事はするから。」といってね、この女は話していたんだって。それで、この話で、改めて来た日にね。この侍はもう山原に行ったわけね。行ったらね。それで、このかやね。かや。かやをはってね。その女は寝ていたらしいよ。それで枕元にはね。枕の方にはね、枕元というでしょう。沖縄方言で。枕元にはね、小刀(シーグ)ね、小刀とね。また、お茶わんとね。お茶わんとまたこの竹(だき)ね。竹がそなえてあったって、枕元に。それで、そんなにしてあるのでこの侍はびっくりしているわけね、もうこの小刀もあるでしょう。おわんもあるでしょう。また竹もあるでしょう。これはどういうことかとびっくりしたわけさ。それでもうその人には手をかけることができなかったわけ。このきれいな女には。だから、この女はそれほど頭が良かったわけだね。こんなにいろいろな物を広げておいて、侍がたを試してみたわけだとか。ただ、ほんとにそうなのかね、わからない。けれども、頭が良いかなという考えだったのかも知れないがね。こんなに置いてあるからね。それでは何かわからないのでこれできなかったからね。また、この女がね、話したんだろうね、「何だ。この意味はどういうことだ。」と言ったからね。「シーグ(小刀)ワン(茶碗)ダキ(竹)、すぐ私を抱きなさいという意味なんだがね。これくらいもわからないのなら私はあなたの妻にはならない。」こんなに話したわけさ。それでその時からはもう妻にすることはできなかったわけよ。あの意味さえも解くことができなかったのでね。ただ、もっとあったはずなんだけどね。お話というのは。ほらもうずっと昔の話なので、ただこれだけしか覚えていない。
『恩納村の民話・昔話編』P102
| レコード番号 | 47O375624 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C226 |
| 決定題名 | 小刀と碗と竹(共通語混) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城キヨ |
| 話者名かな | みやぎきよ |
| 生年月日 | 19090328 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村仲泊 |
| 記録日 | 19760227 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T19A06 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 紡績にいる時に聞いた話も多い。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話・昔話編』P102 |
| キーワード | 沖縄の侍,沖縄一の美女を妻に,物乞い,山原,枕元,小刀,お茶わん,竹 |
| 梗概(こうがい) | 沖縄の侍がね、「もう私は沖縄で一番の美しい人を妻にしたいな。」といって考えていてね。考えて、それでどうして沖縄の美しい人を探そうかといってね、考えたところがね。それで、ああそういえばこれは乞食というのはあちこちの村を物乞いをして歩くわけね。物をもらって歩くわけね。それでね、昔は物乞いに物乞いと言ってたよ。「この物乞いにたずねたらわかるはずだ。」といってね。その物乞いを呼んでね。その人に聞いたら、「ああ、山原にね、大変な美しい人がいるよ。」といってね。このまた乞食がね、教えたらしいよ。すると、そのまた侍はすぐに山原に行って、探しに行ったらしいよ。それでね探して行ったけどね、「今日はね、都合が悪いので、改めてね、返事はするから。」といってね、この女は話していたんだって。それで、この話で、改めて来た日にね。この侍はもう山原に行ったわけね。行ったらね。それで、このかやね。かや。かやをはってね。その女は寝ていたらしいよ。それで枕元にはね。枕の方にはね、枕元というでしょう。沖縄方言で。枕元にはね、小刀(シーグ)ね、小刀とね。また、お茶わんとね。お茶わんとまたこの竹(だき)ね。竹がそなえてあったって、枕元に。それで、そんなにしてあるのでこの侍はびっくりしているわけね、もうこの小刀もあるでしょう。おわんもあるでしょう。また竹もあるでしょう。これはどういうことかとびっくりしたわけさ。それでもうその人には手をかけることができなかったわけ。このきれいな女には。だから、この女はそれほど頭が良かったわけだね。こんなにいろいろな物を広げておいて、侍がたを試してみたわけだとか。ただ、ほんとにそうなのかね、わからない。けれども、頭が良いかなという考えだったのかも知れないがね。こんなに置いてあるからね。それでは何かわからないのでこれできなかったからね。また、この女がね、話したんだろうね、「何だ。この意味はどういうことだ。」と言ったからね。「シーグ(小刀)ワン(茶碗)ダキ(竹)、すぐ私を抱きなさいという意味なんだがね。これくらいもわからないのなら私はあなたの妻にはならない。」こんなに話したわけさ。それでその時からはもう妻にすることはできなかったわけよ。あの意味さえも解くことができなかったのでね。ただ、もっとあったはずなんだけどね。お話というのは。ほらもうずっと昔の話なので、ただこれだけしか覚えていない。 『恩納村の民話・昔話編』P102 |
| 全体の記録時間数 | 3:01 |
| 物語の時間数 | 3:01 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |